
今夜は新国立オペラ「椿姫」初日でオペラパレス。
2022年と同じ演出ヴァンサン・ブサールのプロダクション。指揮はイタリア人のフランチェスコ・ランツィロッタ。オケは東フィル。ヴィオレッタは2022年に続いて中村恵理さん。
すごい、素晴らしかった。
泣いたよ。
実はあまり期待に胸膨らませて初台に来たのではなかった。
オペラで1番多く観ている演目だし、中村さんは間違いなくやるだろうが何となく想像できて。
でも今日の初日、2022年公演を観たときにはなかったことを思った。
これ以上のヴィオレッタをわたしは知らない、観たことがない、と。
幕が開くやすぐに聴かせどころがやってくるのに、120%のテンションで入ってくる。すごい。
ジェルモンに別れろと言われ、別れる勇気が出るように娘のように抱きしめれください、というところでグッときて。
2幕パーティでアルフレッドに侮辱されたあと、あなたは知らないだろうけど、私は死んでもあなたを愛します、というところで込み上げ。
アルフレッドとジェルモンに、痛みが消えたわ... 私、生きられるのね、と言って息絶えるフィナーレで涙が溢れていた。
歌いづくめで、数えきれない聴かせどころをすべて決め、ヴィオレッタが乗り移ったような表情、仕草。海外勢を含めて誰をオファーしても、これほどのヴィオレッタを演じられる歌手はいるだろうか。
素晴らしかった。何もかも。
リッカルド・デッラ・シュッカの歌は文句なかったが、アルフレッドの女々しさのようなものが前半もうちょっと感じられたらなぁ。
ジェルモンのグスターボ・カスティーリョは歌も演技も素晴らしかった。
マエストロランツィロッタの東フィルは躍動しドラマティックで何より美しかった。そして新国立合唱団は世界一。
世界最高クラスのオペラハウス、ヴェルディの最高傑作。そして日本の誇る中村恵理さん。
何もかも最高の夜だった。




















