Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

ヘンデル《アグリッピーナ》は傑作だ

2020-07-08 22:53:00 | METライブビューイング
今日のMETライブビューイング、ヘンデル《アグリッピーナ》。
すごい、素晴らしかった。
2019-20シーズンではベスト1。
ここ2、3年のシーズンでも傑作じゃない?!
ってちょっとコーフン気味。

まあ最愛のディドナートがタイトルだったからってのはあるんだけど。
まずストーリーが、ロマンチックコメディでもあり、サスペンスでもありで。みんな芸達者で芝居がうまいから面白くって目が離せない。

そんなドラマのスピーディな展開を煽るようにヘンデルは次々と多彩な曲を繰り出す。
高速メリスマ、超絶技巧、の応酬、観客を唸らせるしっとりとしたアリア。
ぼくらはワクワクしたり、躍動感に自然と身体を動かせたり、ジーンして身動きできずに聴きいったり。

幕が降りた後、ディドナートが ”you’re great“ と抱きついたブレンダ・レイはアリア9曲。すごい。それに芝居もやることいっぱい。影のタイトルロールって感じ。

オットーネのイェスティン・デイヴィーズ。
グラミー賞など数々の受賞に輝くカウンターテナー。すごかった。なかでも1幕終盤のアリアでは大観衆を黙らせた。ガイド役のヴォイトさんもすごかったわね、って絶賛。

ネローネのケイト・リンジーはいくつかの演目で観ていて、美人歌手という印象だったけど、すごいズボン役でびっくり。とっても美しいソプラノなのに、デヴィッドボーイのように怪しくも美しく。ノーテンぶち破られたよ。

こんなふうにリンジーもレイも素晴らしかったんだけど、それでもディドナートが歌いだすと、やっぱ違う、すごい、って思った。好きだからってのはあるんだけど。

ディドナートは悪役がずーとやりたかったんだって。ドンジョバンニのような。
だからすごーくのってた、気合入ってた、そして楽しんでた。
このくらい素敵なディドナートって何があったかなぁ。
浮かんだのは、湖上の美人、オリー伯爵、くらいか.....。

こんな素晴らしいアグリッピーナ。
よくこんな台本書いたよね。そしてこの演出。
この傑作オペラのMVPは間違いなくデイヴィッド・マクヴィカーでしょう。




























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