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ハーボニーC型肝炎1型 81歳の女性のつぶやき 少しでも元気で長生きして欲しい

2016年07月31日 | C型肝炎ウイルスの治療
 
ハーボニーC型肝炎1型 81歳の女性のつぶやき 少しでも元気で長生きして欲しい
ハーボニー投与 2016年5月6日処方 5月7日開始 7月29日終了した患者さん。
背景はこんな感じ、◎61例目 81歳女性 高齢まてず ダクルスンベ治療中再燃例

C型肝炎で、インターフェロンしてもつらくて、もう絶対治療しないでそのまま寿命が来るまでほっておいて、って診察に通っていた女性。ALTが高くて進行しているし、何かしら治療をした方がいいですよってはなしながら、ネオファーゲンの治療を続けて、少しでも炎症を抑えましょうと、月1回のペガシスの少量(9μg普通量の20分の1を月1回)をしたけど、それでもだるくて断念しておりました。でも、明らかに進行して肝がんのハイリスク群になっている方だったので、少しでも炎症を抑えるチャンスがあるならと、ダクルインザ・スンベプラ併用療法を行いました。途中陰性化してくれてデータも正常化してくれたので、肝がんの芽が少しでも出ない時期が作れたことよかったと思います。
その後、ハーボニーの投与をすることができて今は陰性化しました。
患者さん自身は、
もうこの年なら治らなくていいと思っていたけど、治ったと聞いたら嬉しいもんだね
と、笑顔で話していました。このままSVRになってくれたらいいですね。

もうよくならなくてもいいんだ、このままでいいのさ、といいながら病院に通院する患者さん。本当は元気になれるならなりたいと思っていることはみんなわかっていると思うのですが、高齢だから医療費高いし私なんかにお金かけるのはもったいないしっていうかたもいます。医師の中でも80超えたら、寿命もすぐ来るんだし、それまで肝がんがでなければ、治療しなくてもいいですよねと言う先生もいます。
私は、基本的には、100歳までは人は本来生きられると思っているので、80歳でもあと20年、その間ウイルスの炎症が続けば充分肝がんでちゃいます。そして肝がんになるかも知れないという恐怖感を持ち続けて生きることの悲惨さ。年取って肝がんで死ねるなら寿命という考え方も有るでしょうけど、老衰で寿命をむかえるのと肝がんで寿命をむかえるのどれだけの差があるか、医療費だけでいえば差はないと思うかも知れないのですが、自分が自分の家族がと考えるだけでもコスト以上の意義がある気がしてなりません。
人生の先輩方が、幸せに過ごしてくれる姿を見ながら生きていくこと、それがその後に続くみんなの幸せのためには欠かせないことなのではないかと思えてならないです。
 写真は、高松の山田やっていううどん屋さんの風景です。おいしかったあ。

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