優先席でのできごと

ある日の会社の帰り。その日は、思いっきり残業で遅くなってさすがに立って帰るのが辛かったのだがそういう時に限って、飲んだくれの親父が高いびきで寝てたり、ウザイ若い男女グループが騒ぎながら席を独占していたりで微妙に普通の７人掛けには、座れずしかたないので空いていた優先席に座った。
自分の隣には、学生風の若い男。前には、自分と同年代風の男とその隣には三十路後半（と思われる）女性がそれぞれ座り狸寝入り。

電車内の過ごし方は、本を読んだり音楽を聴いたりいろいろあるのだが最近は、ワンセグを見ながら過ごすことが多くその日も携帯にヘッドフォンを取り付け見始めた。見始めて数分。番組に集中していた自分の膝を叩く奴がいた。
見ると前の男だった。
「貴方は、ここが優先席なのを知っていますか？」
「もちろん知っていますが…。それが何か…。」
「貴方の後ろの窓には“優先席では、携帯の電源を切るように”と書かれていますよ」
「はっ！？それは、判っていますけど自分はワンセグを見ているだけ何ですけど！？」
「関係ないです。“電源を切ってください”と書かれているんだからここでは使ってはダメなんです。使いたかったら他の席へ行ったらどうですか！？」
「・・・・・」
注意された時は、さすがにムカッ！と来た。何とも頭の硬い融通の利かない奴なんだろう。とも思った。
もちろん「ペースメーカー」を使っている人にとっては、命に関わることであるし検証でも携帯の発する電磁波が少なからず影響がある事は、実証されていることは承知の事実だ。
もちろん優先席にそれぞれ座る隣の若い男性や三十路後半（と思われる）女性が疾患を持っている事は、判るはずもない。少なくとも見た目は健常者に見えた。
しかし、ワンセグを見ていたとしても外部に電磁波を発しているのは確かであるし、彼の言うことは確かに正しい。
自分は、疲れていたのでそれ以上反論する気にも慣れず、結局その場から席を立って他の車両に移ったのだが、何とも後味の悪い帰路であった。

皆さんはいかがお考えだろうか？