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【イベント】古代アンデス文明展~アンデスってなんです?@国立科学博物館

2018-02-12 | イベント
同展の会期が残すことあと一週間。(2月18日まで)
行こう行こうと思いつつもなかなか足を運べず。
ようやく怒涛のプライベートなイベントが終わりこの三連休の初日に、上野まで出かけることにしました。


会場は国立科学博物館 ここを来ると悪夢だった恐竜展を思い出します。

会場マップ (※画像をクリックして拡大表示します。)



図表は公式ページより転載させて頂きました。)
アンデス文明って言っても、まずナスカ、インカ。ちょっと興味ある人はシカンくらいしか思い浮かばない人が殆どだと思います。(自分もそうでした。)しかし年表のように時代ごとにそれぞれの地域で文化が繁栄し出土した遺物などにも独特の地域性が見られます。
それらを各文化ごとにフロア分けし分かりやすくとても好感が持てる展示方法でした。
そしてなんと!このようなイベントでは珍しく写真撮り放題!!
もちろん!夢中で写真を撮りまくってしまいました。
それでは、各フロアごと興味深かった展示を中心にそれぞれの遺構をご紹介して参ります。



エントランス 午前中に出かけたこともあってか、会場は意外と空いておりました。

エントランスでお出迎えしてくれた「土製のリャマ像」ワリ文化、650年ごろ~1千年ごろの作品です。
目がクリっとしてなかなか可愛らしいですね。

ここから各フロアに分かれます。
【カラル遺跡】

未焼成の小型男・女性人像、線刻彫刻のある骨製の笛2本(いずれも前1300年~1500年前)
その容姿から我が国の土偶に通じるものがあります。骨製の笛は中央に吹口があり周囲には、サル、トリ、ネコなどが線刻されています。
【コトシュ遺跡】

コトシュ遺跡より出土の“交差した手”のレプリカ。(コトシュ・ミト期)東京大学の調査団が1960年に発見したもの。左が男性、右が女性だのものと解釈されてます。
【チャビン文化】

サクラさんが見上げているのは「テーヨのオベリスク(レプリカ)」です。チャビン文化の代表的な遺跡です。高さ約2.5mの石柱には雌雄のカイマン(ワニ)の彫刻が施されており、特別な崇拝対象であったと考えられています。

テノンヘッド 神殿の石積みの壁面などに組み込まれる人間型の頭部


自身の首を切る人物の象形鐙型土器 生贄としての首級を描写したものは多くを見ることが出来ますがこれは自身の殺傷行為を描写した数少ない貴重な土器なのだそうです。切断面の描写などはけっこうリアルです。

サル人間の図像が彫られた石 チャピン・デ・ワンタル遺跡出土 手足が人間で頭が猿。尾っぽらしきものがあります。

金製双子・ジャガー鼻飾り(レプリカ)(クントゥル・ワシ期)アンデス地方にはジャガーに纏わる創生神話があるそうです。
【モチェ文化】

アシカをかたどった鐙型単注口土器(モチェ) 現代にも見るアシカと同じ姿をしています。当時アシカは主に食用に捕獲されていたそうですがモチェの宗教的なモチーフに良く描かれているそうで食用以外の存在だったとも考えられているようです。

ウミガメをかたどった鐙型注口土器 モチェの土器はけっこうみなリアルです。

成人男性のリアルな顔が付いた大型壺 これもモチェ文化の象徴的な肖像土器のひとつです。特徴的な顔立ちは実際にモデルがいたのではないかと思われます。

トウモロコシの穂軸の姿をした神を描いた土器 モチェの職人はトウモロコシやジャガイモなど生活にかかせない農作物を神格化しそれをモチーフに土器へ描写していたようです。

船上の海の神をかたどった土器 海の神(冥界の神)が生贄の人間を連れ船に乗っている場面を描写しています。
【ナスカ文化】

帽子と胸飾りを身につけた人物の木像 

4つの首が描かれた土製内弯鉢 パッと見マンガチックな顔立ちですが口を開け唇が黒で、目が上に向いている事から生贄用に供えられた首を現している何とも恐ろしい描写でもあります。

8つの顔で装飾された砂時計型土器 耳飾りを付けた女性と思われる顔が八面に描かれています。

刺繍マント 高位者のミイラを包むマントに描かれているのは「空飛ぶ人間型の神話的存在」驚くべき緻密に計算され描かれた刺繍はアンデスの至宝とも言えます。
【ティワナク文化】

黒色玄武岩製のチャチャプマ(神話的な人間型ネコ科動物)彫像 人間の首級を膝の上に載せています。

二人の男性の顔が彫られたティワナク様式の石のブロック 建築装飾の一部と考えられています。

ネコ(左)・リャマ(右)をかたどった土製香炉 祭祀・葬送用に用いられたものと思われます。

四つの突起のある帽子 独特の形状を持ち表面に幾何学的な紋様を織り込んだ豪華な帽子。高い地位のある人物が身につけていたものと推測されているそうです。

カラサヤで出土した金の儀式用装身具 孔雀石を嵌め込んだ冠と儀式用の装身具 円盤状の装身具には幾何学的な紋様が描かれています。金を薄板になるまで叩き整形されたものだそうです。

バリティ島で出土した肖像土器 写実的な成人男性の肖像です。絶対モデルがいるに違いありません。

バリティ島で出土した儀礼用献酒容器 彩色の装飾が施されたチャリャドルと呼ばれる献酒容器です。内側のロート状になっている部分にも彩色が施されており、どのように描かれたものなのか不思議です。
【ワリ文化】

土製のコップ 独特の超自然的なシンボルが描かれたコップです。その形状から飲み干すまで器を置けないインカの儀礼用ケロみたいな用途で使われていたのではないかと推測されています。

人の顔が描かれた多彩色鉢 それぞれ帽子や肌の色。装身具やタトゥーの入れ方など異なっています。儀式に用いられたものと推定されています。

多彩式装飾のある双胴壺 特徴的な戦士の顔がレリーフで描かれた壺。面白いのは2つの壺が1つに繋がっています。これは二人同時に杯を交わす必要がある事から互いの結びつきを深める際の儀礼などに用いられたものと推定されています。

多彩色の水稲型壺 左側の特徴的な人面がある壺は、葦の船に乗った超自然的な宗教家に基づく生物が描かれています。

ワリのキープ キープは行政に用いた記録装置との事ですが有名なインカのキープは10進法ですがワリのキープは5進法なです。ワリはインカより500年ほど古くその変遷に興味があるところです。
【シカン文化】
シカン文化で特筆すべきは、特徴的な金属精錬技術です。
それ以前にあった様式や宗教、信仰。概念などを巧みに組み合わせ独特の文化を展開しています。



特徴的な金製品の数々 打ち出し細工で造られたこれらの金製品は今までに見られない遺構の数々です。


ロロ神殿「西の墓」の中央被葬者の仮面と頭骨 ロロ神殿でみつかった被葬者は40~50歳代エリート男性と思われるそうです。興味深いのは被葬時に辰砂が用いられているところです。
日本でも辰砂の歴史は古く縄文まで遡ります。やはり死者の葬送時に使われていた事例もあることから遠く離れた異国の地。どのような繋がりがあったのか興味があるところです。

2種類の超自然的存在の4つの顔が付いた壺 牙を向いた顔が周囲4面に配置されています。パッと見阿修羅をイメージしてしまいました。
【チャンカイ文化】

チャンカイ文化独特の織物 図案サンプル 様々な図案と技法で継ぎ合わせた織物見本のようなもの。

チャンカイの特徴的な土器二種 他の地域とは違う特徴的な土器です。外側を磨かないので光沢感がありません。
【チムー王国】

木製のミニチュア建築物模型 コレを見て日本の神社建築様式を思わせる造りに気づいた人も多いと思います。拝殿の屋根の形状は神社の流造そのものです。
参道の左右には、狛犬のように左右対で人形像がおかれています。

木製の葬送行列のミニチュア模型 こちらも副葬品として埋められていた事から、やはり日本での古墳の埴輪列を思い起こさせます。
【インカ帝国】

金合金製の小型人物像(男性と女性)インカの貴金属類は、侵略時にその殆どが狩り集められ溶かされてしまい残っていないそうです。その中でもこの人物像は数少ない貴重なものだそうでインカの「カパコチャ(人身御供)」儀礼に用いていたものだそうです。

多彩色のケロ 儀礼的な乾杯時に用いられていたケロ。通常はひとつの木の塊からペアで一組づつ作られるそうです。

インカの象徴的なアリバロ壺 饗宴や祭祀時にかかせない「チチャ」(トウモロコシ酒)の貯蔵用に用いられたもの。

インカのキープ 特徴はワリのキープと比較して10進法が用いられていることでしょうか。良く観察すると色違いに紐が並んでいるのですがその法則性には意味を見出すことが出来ません。

このあと最後のフロア「5章 最後の帝国―チムー王国とインカ帝国」は撮影禁止エリアでしたのでインターネットミュージアムからの動画からの紹介です。
国立科学博物館「古代アンデス文明展」5章・6章

もうひとつ。自分たちは、見ませんでしたがウユニ塩湖のVR体験(¥500)は、なかなか面白いと評判です。
実際に言ったかのごとく体験ができてキャラクタに変身して記念撮影も出来るとか。
VRウユニ塩湖


【関連グッズ】
お約束の関連グツズは、さすがに充実しておりました。

ジャイアントコーン マヨ味 

ビスコアチュラード(ブランデー)とアンデスチョコ

限定缶バッチ全15種



限定ガチャ ストラップ&キーホルダー 限定にしては少々ショボっかたですね。

今回散財したもの 図録、クリアファイル(2種類)、インカコーラ
インカコーラは炭酸が抜けた薄~いコーラなのだとか。(まだ飲んでいません)

残念ながら会期が18日までと一週間を切ってしまいました。
絶対見て損はしないと思いますので、この最後の週末にでも是非是非


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