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連戦・元副総統、2010年日本APEC首脳会合へ

2010年11月10日 20時06分10秒 | 台湾日記

 11月7日、横浜で2010年日本APECが開幕しました。
 今回のAPECは、台湾が6月に中国大陸とECFA・海峡両岸経済合作枠組協議を締結してから初めての会合で、地域の自由貿易枠組の一員となった台湾の存在感が増しそうです。

 台湾は、ECFAによって、中国大陸市場に進出するためのビジネスパートナーや足がかりとして各国からの台湾への投資が加速する事を期待しています。
 APEC期間中、日本語と英語で、台湾への投資を呼びかける宣伝活動が展開されています(上の写真は日本語版のポスター)。


こちらは英語版
日本語版は囲碁、英語版はチェス
制作は台北駐日経済文化代表処
(中華民国在日本大使館相当)

 13日・14日には、首脳会合が行われます。
 台湾からは、連戦・元副総統が、馬英九・総統の代理特使として首脳会合に出席します。


9日、APEC首脳会合出席を前に行われた記者会見
左から、
候平福・外交部常務次長
江啓臣・行政院新聞局長
連戦・元副総統(APEC特使)
張盛和・財政部政務次長
梁国新・経済部常務次長

 連戦・元副総統の総統特使としてのAPEC出席は3回目。
 連戦氏は会見で、「中華民国の国家元首である総統が出席できる日が来るような環境を実現したい」と、総統が首脳会合に出席できない台湾の状況に悔しさをにじませましたが、それでも、副総統経験者が特使として参加できるようになった事は大きな進歩です。
 連戦氏は、APEC期間中におそらく胡錦涛氏と会談するだろうと述べ、ECFAの施行関連措置などについて意見交換し、12月に行われる両岸窓口機関トップ会談の参考にしてもらいたい、と表明。
 2008年のペルーAPECでは大注目された「連胡会」も、すっかり当たり前になったようです。


横浜APECに向けた抱負を語る連戦・元副総統

 今回のAPECでは、FTAAP・アジア太平洋自由貿易圏構想が議題の一つとなっています。
 連戦氏は会見で、台湾としてこれをAPEC の長期目標とする事を支持する姿勢を明確に示しました。

 FTAAPはまだ構想段階で、APEC加盟国の一部は、TPP・環太平洋経済連携協定を先行させ、いずれFTAAPに発展させるという方向に動き出しています。
 日本はTPPに関し、協議参与の方針を決めましたが、非常に高いレベルでの完全自由貿易を目指すTPPは農業への打撃が懸念され政府内に反対も根強く、交渉への正式参加は見送られました。

 連戦氏は、FTAAP、およびそれに向けたステップとなるTPPを肯定しつつも、台湾としての具体的な取り組みには言及しませんでした。
 台湾の多国間自由貿易枠組への参加には、必然的に、中国大陸との複雑な関係という政治問題が影響してきます。
 ですがそれだけではなく、台湾でも、農業や伝統産業をどのように自由貿易時代に対応させるかというのが大きな課題となっています。
 ECFAは、スタート段階ではまず、台湾側に相当程度配慮された内容となっていますが、これは言わば、両岸関係が特殊で複雑であるからこそ実現できた合意であり、通常の経済協定であればそうは行きません。

 連戦氏は会見で、「台湾の経済力を強化し、両岸をつなげ、グローバルな布陣を敷く」という経済の基本方針を確認しました。
 「自由貿易」という趨勢に取り残されず、それに適合し、そして長期的な目標であるFTAAPの実現に向けた台湾の第一歩が、ECFAだと言えるのかもしれません。
 その意味でも、APECの舞台を通した台湾への投資呼びかけは、各種会合などと並ぶ、重要な取り組みなのでしょう。(華)

台湾投資情報ページ(日本語)


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