現在台北市では、台北デフリンピックに合わせて、聴覚障害者の文化を伝えるさまざまなイベントが行われています。
9月9日と10日には、「拈花微笑聾劇団」(日本語で読むと「ねんげみしょうろうげきだん」)の公演が当劇団と台北デフリンピック準備委員会基金会の主催で、日本統治時代からある歴史的なホール、中山堂で行われました。
こちらがそのリーフレット。円形で可愛いです。
「拈花微笑」(日本では「拈華微笑」と書きます)とは、仏教の用語で「以心伝心」という意味で、お釈迦様が黙って花を示されたところ、その意図を摩訶迦葉だけが理解し、微笑んだという故事から来ています。
この、声に出さなくても、心で理解し、微笑で返すという名前がつけられた「拈花微笑聾劇団」は、手話と肢体表現を主に使って演じる手話劇団です。
主なメンバーは聴覚障害者ですが、健常者のメンバーもいて、声で同時通訳してくれるので、聴覚障害者も健常者も楽しめるようになっています。
とにかく、みなさん、顔の表情から、身体全体から、笑顔が伝わってくるんです。
「笑う」というのは普通顔だけ(「目が笑ってない」っていうこともありますから、口だけ?)のものだと思っていますが、人は身体全体で笑えるんだ、と思いました。
ちなみに、この写真のポーズは手話の「拍手」です。
(上の2枚の写真は、拈花微笑聾劇団提供)
両手を挙げて、掌を開いて、手を振り振りします。
「がんばれ!」「すごい!」というときにも使います。
これだけ取っても、相手に向かって手話で感動や応援する気持ちを伝えるのには、体全部を使うことがわかります。
この「拍手」は、心と身体が開いていないとできません。
手話を話すということは、顔の表情を開き、身体を開き、心を開くことなのかもしれない、と思いました。
こちらのひょうきんなポーズの方は、団長の褚錫雄さんです。
美術関係の仕事をしながら、劇団をやり、登山も趣味で、台湾で最も高い山、玉山も、日本の富士山も登ったそうです。
すごいバイタリティーです。
聴覚障害者は、声を使わず、顔の表情と身体だけですべてを表現するので、みな俳優の素質があるとおっしゃいます。
確かにそうで、“健常者”ならダンスやパントマイムなどの特別な訓練をした人でないと身体を使った表現は難しい。
こういう方たちのことを、果たして「障害者」といっていいものだろうか、と疑問を感じました。
ちなみに、台湾では、聴覚障害者に対して、耳が聞こえる人は健常者とは言わず、「聴人」(聴こえる人)という言い方をします。
確かに、聴こえるか聴こえないかの違いだけなんですよね。
「聴人」は、聴こえるがために、他の能力を伸ばせなくなっている人たちでもあるわけです。
いろんなことを考えさせられる、台北デフリンピックです。(尾)
拈花微笑聾劇団 ブログ http://tw.myblog.yahoo.com/seeingsmiling
※9月11日(金)の番組「文化の台湾」では、拈花微笑聾劇団をご紹介しています。団長さんに(手話通訳を介して)インタビューもしていますので、どうぞお聞きください。
RTI台湾国際放送の日本語番組は、毎日1時間放送です。「文化の台湾」は放送開始20分後に始まります。
この記事とは内容が違うことでお聞きしたいことがありまして、こちら投稿しました。すみません。実は金鐘奨を見にいきたいのですがチケットの購入方法などを教えて頂けないでしょうか?
厚かましいコメですみません。
他に聞ける人がいません!宜しくお願い致します。
私もちょっと調べてみたのですが、よくわかりませんでした。
授賞式会場が国父紀念館ということで、あまり大きな会場ではありませんし、入場できるのは関係者だけで、一般の観客には開放していないのかもしれません。
もしかしたら、日にちが近くなったら、情報が出てくるのかもしれませんが。
お役に立てず、申し訳ありません。