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ロイス・タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

『Austin TVA-1』

2017年03月18日 | 巡礼者の記帳


タンノイ・ヨークにセットした『TVA-1』は、英国Michaelson & Austin社が1979年に初めて発売し、パラビッチーニ氏の設計回路と言われている。

ドイツのケルン・オーディオショーに出品され、管球アンプの黄昏れ時代に世界をあっと言わせた。

選りぬかれたGEC製KT-88出力管と巨大な特注トランスによって出力70+70W、

多くのタンノイフアンが好んで使用する。

今回のトラブル12AX-7球は、メーカーは「それ、消耗品です」ともっともであるが、

自分の使っていた5751球が、なぜか聴き良く、他の球には出せない音がする。

そして今回、

同じ製造の5751球に差し替えたところ、新しく非常にまともな音になって結構だが、

当方はあの壊れた球のほうが良い。

失ったモノの個性に初めて気が付いた。

真空管は長く使っているうちに、かってにセルフコントロールを心得て、

こちらの耳と相談し換骨溶解していたのかもしれない。

音楽は、いろいろな『12AX-7』が、別の演奏をしている。

先日お見えになった客人が、

「自分のクオードのタマもGECです」と、念を押されていたが、

必ずや、そうとう良い音で鳴っていることが想像されて、

低音が勝手に隣家で鳴っているようです、と困られた表情が良かった。

川上と この川下や 月の友