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ロイス・タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

まんじゅうこわい

2020年06月13日 | 


庭の外車が、あすタイヤ交換を終えて戻っていく。
自分にはプレイリーが、感覚に合っているが、
ヨシ。
50キロ以上を出さない決まりも、この天気ならアスフアルトが呼んでいる。
テストコースは幾つか有るが、
1分も踏み込んで試せば、本来の性能がわかる。
往路に路面を見て、帰路に前後左右、
異物一つ無く、遠くの峰が爽やかだ。
あらあら、どんどん静かに加速して、どうも針がおかしいぞ。
あっというまに、30秒で赤信号が迫ってきた。
こわい、こわい。
アウトバーンが、よく、わかりました。
きょうのことは、記憶に残らないのが残念だ。
戻って、新しいタオルで車体を拭いておいた。
まんじゅうはホントにこわい。
2018.12/17
トランベールで高原のリゾートに
思いを馳せながら、3個食ス。
白松最中かたじけなし、
八女茶の里は、邪馬台国か。


室根の道の駅へ

2020年04月23日 | 


G君が十年ぶりに登場したので、優れた運転技倆を思いだし、
以前と同じ道を走って貰った。
車はすでに替っていたが、やっぱり満足のドライビングテクニックである。
しかし、人間の欲は、
一ヶ月ほどまえの、外車の凄さを知ってしまったので、
乗り心地の経験値が、邪魔をしている。
端的に外車は、G君の技倆を性能に組み込んでいたのである。
当方の腕組みを察した、G君。
ラス・フリーマンや原信夫A・列車で行こう、美空ひばりの「ユー・ビー・ソー」など
手を換え品を替え、ブンブン鳴らしてくださった。
---- こ、この、ケツを蹴り上げるような低音だが ・・・
「ふっふ、特別に座席の下にサブウーハーを増設したのです」
そのとき、颯爽と白バイが、あさっての方角がら風を切ってすれ違った。
---- 川崎に、有名な饅頭があったと思うけど、母屋のウサギの好物でね。
「いま、室根に道の駅ができまして、そこにおいてあると思います」
何でも適切な答えを返すG君である。
レストランで、昼食をすることにした。
数カ所で、ホットパンツの令嬢がゲームの射的のようにパッと現れるが、
G君は、微動だにしないのが、若いのにおかしい。
---- どうでもいいけど、アレを見て赤信号を突っ切ることは無い ?
G君は、これまでに無いほど笑ったので、ちゃんと笑える男なのだと安心した。
フロイトは「リビドー」を何でも「性」に還元したがるが、それがユングには疑問で、
もっと広大な意味に解釈しようではないかと言っている景色らしい。
そういえば練馬のBS氏からめずらしく電話をいただき、
「壁のH・ミラーの手紙はコピーだったね。こんど自分の持っている本物をあげるから」
H・ミラー氏も、けっこう手強い。
2018.7/28
オバーリン氏は「他家栄養的嫌気性細菌こそ最初の生命である」
と述べたが、人類を栄養にする不心得者が新登場か。
母屋で、ヒラメのおいしい夕餉があった。

ポルシェ

2019年11月14日 | 


にわかに、かまびすしい音がして、外を覗くと、
停っているのは馬のエンブレムを付けた車である。
路肩の段差を跨ぐとき、
2人乗りなのに、けっこう車体が重そうだな。
客人達は、道奥路を爆走し、ひらりと日常から遁走した。
ご自分たちの音響装置について遠慮がちに敷衍され、
「JとBとLの付く装置です」
と申されて、遊び心を、楽しんでいる。
源義経は、平泉に住んだとき、
藤原秀衡から『青海波』という名馬をもらった。
ポルシェで、北上川に添って、
あずま海道を走ってみたい。
おっと、テレビニュース、
史上初の「永世七冠」へあと1勝か。
2017.11/26
「平泉への道」刊行本を探しに水沢に行き、
新しい珈琲豆を手に入れた。
柵の瀬橋はほぼ解体されていた。

バイパス道

2019年04月06日 | 


伊達藩から、春の絵ハガキが届いた。
ひさし振りに走った343号線で、
町がひとつ消える異変を見た。
地図を調べると、これまで工事中のバイパス道が
新開通した記念の日であり、真新しい道路がすばらしい。
車がスイングしたついでに気がつけば、
ジャズのアドリブ一小節が飛んでいたのである。
迂回して街中を走ると、歴史の今泉街道になる。
2014.4/3


江刺市の客

2019年02月25日 | 


江刺市の客人は、言う。
「わたしもむかし、東新宿の某オーディオ店で働いたことがありました」
輪郭の太いメガネをちょっとはずすと、正面のタンノイに照準をあわせるようにして、
しばらく耳を傾けておられたが、となりの御婦人に言っている。
「このスピーカーは、低音と高音が一つに重なっている。うちの音とくらべてどお?」
ご自宅では、JBLのランサー101を永年聴いているそうであった。
「そういわれても、違いが有るのかどうかもわからないの」
メガネの似合うご婦人は、春の日溜りのように柔かく、答えている。
ライカのケースのような小型カメラを見せてもらった。
「これは、フイルム入ってる?ときかれるけれど、
じつはデジタルカメラなんです」
カメラの好きな設計者が、銀塩フイルム時代に気分を合わせたセンスが郷愁をさそう。
前に駐車した車といい、日常がさまざま工夫されている人に違いないと思った。
2013.5/12

国道343号線の怪

2019年02月03日 | 


一関から高田、大船渡に走る道程について、
おそらく誰も二つのことを警戒している。
ひとつは、いうまでもなく雪道に乱高下する坂道で、
御椀のフチをなめているような凍ったカーブを走るとき、
ラズモフスキーの演奏にみる超絶の緊張感、
さえ感じるのは、当方ばかりではない。
非常時に役にたつj=1/u=Pというギヤの減速比であるが、
エンジンブレーキを有効に活用すると、なんなく車体の安定を保ったまま
コーナリングが可能であることを試してみた。
ふと左右の白い絶景に見とれていると、動物がいきなり薮から飛び出し、
左車輪の前を数メートルも競争していたのには呆れた。
これがF-1カーであったら、疾風の輪禍にまみれているところである。
まったくもって、お役所の道のりかたずけ班の手をわずらわせるところ。
343街道の途中にいくつか待避所があり、たまに車が停まっており、
2台がハの字に構えていたりするのを見ると、左右どちら方向でも
瞬時に出動できるように居るのか、港の見える丘公園と勘違いして
さまたげになってはならない。
昨日の夜、竹駒橋にさしかかったとき、パネルに黄色の給油ランプが
点灯したのを見てギョッとしたが、購入後初の車のみせた機能である。
それからは、夜分の給油所を探しながらひた走って、
大船渡の近道はアップダウンに燃料を消費するため、高田の無人夜道を抜け
『三陸道』を疾駆して、とうとう最後の一滴で大船渡の入口の給油所に着いていた。
ガソリンタンクの底には水が沈殿しているらしいが、水割りチェイサーで
ふらふら走っていたのかも。
それとはべつに、途中の小川の橋に大きな説明板が建っている。
きょうは、停めた車内からしばらく、カッパの昔話を読ませてもらった。
今泉街道にF-1カーが無理なら、4億円のブガッティで走ると風景はどう見える。
2012.2/12

ベートーヴェン『皇帝』

2019年01月29日 | 


ベートーヴェンのピアノ協奏曲『EMPEROR』は、
『5』を背番号に持って、生涯の1曲にめぐりあう者に、
五線譜から身を起こしオーケストラホールのステージに起つ。
なかでもこれが一番というGULDA、VIEN・PHIL盤をわざわざ
重量盤で購入し聴いたところ、文句無く素晴らしく、
ほとんど疑問もわかずお蔵入りになった。
気になるのは、いぜん門馬氏だけが強く推薦していたゼルキンの
ピアノをバーンスタインの指揮で録った孤高の存在があって、
はたしてアダージョも含めどんなあんばいなのかまだ未聴である。
バーンスタイン氏もゼルキン氏も、タンノイで聴く当方に縁が遠かったのは、
聴いてみるとすぐにわかるレコード録音のなにがミスマッチか
原因がよくわからない盤で、高域がやかましい。
クラシック録音では、どちらかといえばフィリップス盤やEMI盤が
当方の耳に触り善く、これが同じ五線譜からときおこされた曲とは、
どうなっているのだ。
最近になって、日本の若いピアニストが『EMPEROR』に新境地をひらいた。
たまたまラジオで聴いて、急にゼルキン氏ならあの部分がどうであったのか?
倉庫からついにCBS盤を探し出して、いよいよ針をのせて聴いてみた。
やはり装置の変貌したROYCEに、バーンスタイン氏もゼルキン氏も、
いささか変貌を遂げている。
タンノイから聴こえるサウンドと旋律がジャズ風に圧倒的大暴れで慶祝、
しかも一瞬のめくるめくアダージョには予想外にぎょっとして、
最後まで針をあげることができなかった。
ピアノの音姿も、当方の部屋ではアップライト型のように砂かぶりの眼前に広がり、
とくにベーシストの弦の鳴りが、松ヤニをよその規格よりは三倍塗っている
鋸を挽くような音を起て、その結果、何人かの団体が
ニューヨークフィルの右手から圧倒的存在感を突然のようにくり出している。
たまたま奥の部屋で背を向けて聴いていて、思わず、
ダ!誰だ、と振り返ってしまうほどである。
そうこうしているとき、「ワインを一本、おねがいします」
と現れたのはシャコンヌ氏で、先日のダブルの上着の姿はそうとう似合っていたが、
夫人の前ではふれないでおいてあり
「こんど、拉げた川崎の代わりのホールに『FAURE』を聴きに行きます」
と申されるので、前祝いに、フルネ指揮のアーメリングとクリュイセンの盤を聴いてみた。
はたして『EMPEROR』の完全盤は、この時間の先にあるのか。
2011.11/11

炭焼藤太の伝説

2018年11月28日 | 



洛中、洛外に居宅をかまえていた『長者』の昔話は、
これまで多くの人々に楽しまれてきた。
当方が県境の自動車教習所にはじめてかよったのは、
車を運転するためであったが、彼の地の生活にまったく車を必要としなかった当方に、
教官たちは疑問符をつけ、一緒に車に乗ってそのあやしいハンドル捌きをたしかめると、
「やっぱり、初めてですねェ」
と失礼な一言をもらした。
彼等には、申し合わせや覚悟がいったのかもしれない。
車の運転は、義務であればうっとうしいが、坂道発進やペーパーテストを通過して、
いよいよ免許証が発行されたとき、ちょっと天気のよい休日に、
気に入った車が届いてエンジンを空ぶかしするのは、タンノイの調子をみるように楽しい。
他人様に乗せてもらうのと違い、フロントガラスに広がっているのは趣味の世界である。
そして、それまで気になっていた地理上のポイントに、国道四号線の、
教習コースで見た『炭焼藤太』という金の長者の遺跡標識があった。
炭焼藤太のことは、平安時代にこの地が京の都から見ていささか秘境であったころ、
木を切り出して炭焼きを生業としていた伝説の人物であるが、
沢のあちこちにごろごろ光っている金塊の値打ちを、
京からやってきた娘にはじめて教わって、
採掘と販路を確立し大金持ちになった長者の昔話である。
それからこの地には『金成』という、そのものずばりの地名が残って、
炭焼藤太や金売り吉次のイノベーションは平泉藤原三代の強力な資金源となり、
聖武天皇の御代に、奈良の大仏に鍍金する原資をはるばる馬をつらねて贈った。
最近の産出はまったくのように途絶えているが、いまも沢に入ると、
数時間でわずかな砂金を採ることができるため趣味の採掘マニアが出没する。
タンノイは、FRANK WESSの『OPUS DE BLUES』が鳴っている。
サイドでピアノを弾いているハンク・ジョーンズ氏はさきごろ、
川向うでライブを敢行し記念CDが黄金に鍍金され限定頒布されるとテレビコマーシャルに。
アルテックA-7でオーディオを楽しむ松島T氏がROYCEに現れて、
「満員のジャズ・トリオライブを眼の前に体感して、あのように素晴らしいものであったのか」
黄金のホーンのついたタンノイをうっとりながめつつ感想を申されたが、
当方は、右から左にそれを受け流した。
みちのくのジャズ世界に、車も黄金もさまざまの物語を彩って行くようだ。
2009.10/11

WE-16Aホーンの風聞

2018年11月12日 | 


当方が県境にある運転教習スクールを選んだのは、
たまたま家の前に募集の車が停まったからである。
彼が、好人物であった証に、実技試験のやり直しでカチンときたとき、
ヘッヘッとやってきては無料券をくれた。どこで見ているのか。
「これまで本当に?車免許を持たなかったのですか」
訝しげに当方を見たが、全員が車の所有を目指したら江戸の町は手狭でまずい。
そのために交通機関は発達し、車は乗せてもらうものになっている。
金成の路上教習は、森の新緑のつらなる田舎道が、ババリア街道のように風光明媚で、
フィトンチットの満ちた練習指定コースをしばらく堪能した。
ブレーキをかけるときクラッチも一緒に踏む当方に、
隣りに居て注視しているタダ券の教官は気が付いて、
「あれェ?ハハーン…」
というと公道から農道に車を入れ一直線に伸びる無人の道で彼は言った。
「さあ、アクセルを踏んでスピードを上げてみてください」
ビューンと車は飛んで行く。
「クラッチを踏んで!」
車は、一瞬ふわっとスピードがあがった。
「ほーら、どうです。クラッチを切るとかえってスピードが出るんですよ」
動力理論的に納得がいかなかったが、事実だからしかたがない。
午後になって家に戻るとマンガの轟先生そっくりの人を訪ね、
車の教習に宮城に行ったことを話した。
轟先生は、ウドンをどんぶりからチュルッと吸いこむと、
鼻の上までそれは跳ね上がったのを見た。
子供の時、高熱を出すとオートバイで往診に来て注射してくださった恐怖の人であるが、
こちらの話にふんふんと笑っている。
―― 金成というからには、むかし金が採掘されてその名が残ったのでしょうか?
「金なら磐井川でも採れて、磐井橋の下の高校のカーブのところにも砂金は溜まっているから昔は採る人がいたね」
そういえば磐井川に沿って、金ばかりでなくさまざまオーディオ装置がうなりを上げているが、
先日登場したお客が、おもしろいことを言った。
「れいの雑誌で、ウエスターンの16Aホーンがこのあいだ売りに出ましたが、
70万とあるので、誰かと見ると、厳美のあの御仁です」
磐井川上流に鎮座している怪鳥のようなWE-16Aホーンは、つとに高名でいるが、
思えばみょうに安い値段で、壊れてしまったのかと心配した。
「そうでしょう。花泉のK氏に電話を入れ確かめると、700万の誤植とのことでした」
それには一瞬、タンノイのサウンドも変調したように轟いたが、
どうやら売りに出すというよりは、存在を誇示したのか、と感想は一致したのである。
2009.5/22

V-12の客

2018年11月11日 | 


ROYCEのまえに、『V-12』が駐まった。
ペーネミュンデ実験場で開発のロケットは、V-1号とV-2号であったが、
なんと二つ合わせたネーミングの銀色のロングノーズの車体は、
ベンツ最強の6気筒バルブが2列に並んだ豪勢さで、
007のアストン・マーチンV-12をこれは凌駕しているのだろうか。
さっそくドアを開けて内装を見せていただいたが、見るのじゃなかった…
というか、立派なセンスは、眼の毒である。
これで高速道をエンジンの唸りも軽やかに一走りしたら、どうかな。
昭和の昔、某社に宮仕えしていたころ、『シボレー・カマロ』を乗り回す人に、
社員通用門まで送ってもらった時、V-8のパワーで追い越しをみていると、
エンジンが唸るわけでもなく、加速の振動もなくシューッと左右の車が後方にさがって行く。
これまで難物に感じていた輩がニコニコ寄ってきて、
「カマロが停まったので誰が降りてくるのかと見ていたら、驚きましたヨ」
と言ったが、こちらが驚いたのはV-8のパワーではなく、
以後の接遇がコロリと変わってしまったのが笑えない。
先日、車検を終えて気分良く走っていた当方の方丈記な車の傍を、
名古屋ナンバーの白いロールス・ロイスが音もなくシュルルルと追い抜いた。
高速東北道の絶景を思い出したが、V-12気筒なら並んで太刀打ちもできたか。
「ありますよ。ロールス・ロイスのオープンカーも持っていますので、乗ってきましょう」
客人は、そういうと、お借りしていたMCカートリッジのお礼ですと言って、
紙包みの菓子を差し出してきた。
あのね、それもよいけど、2.30個、カートリッジを買って座席に並べておきなさい。
そうだ、ロールス・ロイスは明るいときにお願いします、銀塩フイルムをセットするので。
ローチの華麗なるドラミングでロリンズを楽しみつつ、
ロールスがロイスの前に韻を踏む日をゆっくり待とう。
2009.5/21


平泉の風

2018年09月30日 | 


余震の間隙を突いてスタスタと一人、女性客が現れた。
「平泉から来ました」
涼しい顔でタンノイのまえに居る。
幕藩時代の《一関の柵》の柱書きも、入り鉄砲に出女、である。
念のため亀甲占いをしたほうが良いのか。
十中八,九答えはなくてよいが、ころあいを見て漠然と尋ねた。
「ところで、ジャズの神様って…誰のことだって?」
「はい、それはチャーリー・パーカーでしょう。
わたしはC・アダレイのほうが好きですけれど」
あれ?おまえは何者だ。
C・アダレイが良いというなら、右と左、どっちがアダレイのサクスか、
ついでに『SO WHAT』を聴いてみよう。
平泉も、遺跡だけの街ではない。
2008.6/21


鉄馬

2018年03月17日 | 


突然のように梅雨空の晴れ上がった某日、ROYCEの前で、
ハーレー・ダビットソンは銀色に車体を輝かせて唸っている。
ダッダッダッ!!!
ヘルメットを脱いで、宇宙から帰還したしたような表情を和らげた御仁は、TMR氏であった。
BMWのオートバイのエンジン音と、ハーレーは鳴りが違う。
そこで、一緒にチームを組んでツーリングをしてわかるのは、どうもそりが合わない。
タンノイとJBLの話だろうか?
ヨーロッパのオートバイは乗った姿勢がまえがかり。
アメリカのオートバイは姿勢が反り返る。
ますます、タンノイとJBLの話ではないの?
JBLは前がかりに聞く人が多いし、タンノイはイスの背もたれにゆったりと。
「このハーレーは新しいので、『唸り』がいまいち硬いのですが、5年もすればそうとういけると思います」
いやー、それもタンノイとJBLの話なのかな。2人は笑った。
2006.7/28

映画『大脱走』は、トライアンフ

2018年02月02日 | 


ゴーカートでも一輪車でも、クルマは車である。
さすがに見かけなくなった3輪車だが、ROYCEに登場した二輪車で
秋田のさる人物が乗ってきたBMWのオートバイ。
昔、ワーグナーの本拠ノイシュバンシュタイン城に遠征したとき、本社のそばを通った。
ガイドが円筒形の建物を指し、あれはシリンダーのフォルムをモチーフデザインしたが、
設計したのは日本人だ、と教えてくれた。
映画『大脱走』でマックイーンが奪って遁走したバイクはBMWのはずが、トライアンフを使ったらしい。
「ドイツは工業製品が良いね、このカメラもドイツ製だよ」
と『コンタックス』を見せると、ガイドは、
「押せば写真が出てくるのか?」
顔が本気なので、その話は終わりにした。

仙台からお見えになるジャズ好きのお客が友人と2台のめずらしい車を記念に撮影。
2006.5/21

9回?

2018年01月31日 | 


この車の主と『クール・ストラッテン』を聴いて、チェンバースのベースの背後で、
ソニー・クラークが指一本でポチン、ポチンとキーを何回叩くか?
数えていると、秋田からきた初めての客が、眼を丸くして驚いていた。
ジャズなので、たまには多く叩くときもあるだろう。
ブルー・ノートを繰り返し聴いていると、いまさらカタログなど必要としない人は、
ジャケットを見ただけで頭の中で曲がフラッシュしてしまうので、
それでレコードが鳴る前にジャケットを見るのはまずい。
関東の知人に電話したら「おーぅ、1ケ月ぶりで人と話した」だと。
「小判草」という妙な草、駐車場のブルド-ザーで整地されるところにまだ残っているそうだ。
2006.5/31

アルファロメオのジャズ・ストリート

2017年12月22日 | 


春めく連休前にアルファロメオを駆って久しぶりに登場された『N氏』は、ジャズLPの蒐集2万枚という剛の者。
毎日1枚ずつでは50年かかる分量の、世にも貴重な御仁に尋ねた。
あなたはそれを全部聴かれたのですか?
「全部聴きましたが、同じ盤を何度も聴くことはめったにないですよ、というよりあまり聴かないようにしています」
では、2万枚のうちで一番よく聴かれたディスクは何です?
「一番聴いたのは、ビル・エバンスかな。一日の仕上げに、睡眠導入剤的に丁度よいのではないでしょうか」
ちょっとタンノイの音を変えて『The Bill Evans Trio “Live”』を聴いてみた。
「おおーっ、これは非常に好きな盤です」
闘志と好奇心をむき出しにされて、窓際の席から中央に移られた。
「どうやって此の音を出しているのですか。プリの球の交換だけでこうなるのか、その球はどこで購入するのか。
なんでタンノイから此の音が出るのか、カートリッジは?
これはタンノイではないな。この音は、ジャズとしてまったく違和感ありません、ベースもあまり緊まった音よりもこのくらいが良い」
と、『FOUR & MORE』のトニー・ウイリアムスに目をぱちくりされて、2万枚の耳の人はこれまでとの音の違いに喜ばれている。
『5BIRDS AND A MONK』には、
「これはPEPPERではなくKLEMMERですね」
『JUST IN TIME LARRY WILLIS TRIO』について、
「やっぱりステイプル・チェイスは音がいいですね」
『Basie & Zoot』を、
「バルコの音は悪くありません」と、ブラインドテストではないが、ジャケットを見ず1回聴いただけの記憶ではないのでは。
『Waltz for Debby』が鳴り出すと、
「なぜか、どうしてか他のエバンスと此の盤だけまったく雰囲気が変わっているのが不思議ですね。ラファロも様子が違うのはなぜなのか。このディスクが一番気に入っています。明るい部屋でこの音なら、暗くなったらどうなりますか?」
「先日、ブルーノート・オリジナル20枚リスト出して探している東京の中古店に、そのうち9枚有る、と電話したところ、言葉使いが変わって、むこうから来て70万でした」
「オリジナルLPに若干のノイズはやむを得ず、シーシーいう音はジャズに隠れて、我々ジャズ聴きは、まず気になりません」
と、おもしろいお話が次々飛び出していつのまにか外は暗くなり、こんなに居ていいのかなと5時間ほど過ぎたらしい。
「これから2時間かけて帰ります」
ロメオのドアを開くと車中は一面赤いレザーシートであった。
「この音を聴いた後、家に帰ると、ちょっとしばらく聴く気がしません」
と優しい言葉を残し、ブルルン!!とエンジン音をたてて4号線に消えていった。
2006.5/2