
装置やレコードの写真を見て、音が聴こえるでもないが、
自由に想像できるところが、華である。
雑誌をめくって、音量も自由自在。
そこに、仙台ナンバーの大型車が、停まった。
客人は、タンノイ・ヨークとチェビオットを鳴らしていると申され、
オープン・デッキを担いで録音に勤しまれた記憶を話してくださった。
ご自分に似合ったスピーカーが、世の中にあるのでは、
と、道奥の旅である。
「最後に、もういちど確認しますが、いままで鳴らした音は、
すべて中央のヨークなのですか」
これから、新しい人生に航海されるご様子で、
貫禄を滲ませつつ、目の前のタンノイの音に混乱がある。
トミー・フラナガンの背後で、
ニールス・ペデルセンが機関銃を撃っている秋である。