原題: LATE AUTUMN
監督: キム・テヨン
出演: ヒョンビン 、タン・ウェイ
鑑賞劇場: ヒューマントラストシネマ渋谷
2週間限定の公開だった本作、最終日の最終回にようやくキャッチできました。
タン・ウェイが好きなんでこれはどうしても外したくなかったし。
『晩秋』というタイトルで1970年に映画化されたイ・マニ監督の名作のリメイクです。 当然オリジナルは未見なのですが。
全編を通じて流れる晩秋の空気。 しかも舞台はシアトル。
シアトルの秋ってこんなにもひんやりと荒涼とした空気なんですね。
その中で、たったの3日間という短い時間の中で繰り広げられる「足かせのある」2人の恋。 短くも、はかなくも、お互いをしっかりと必要とする恋。
最初はおずおずと、しかしある瞬間から鮮烈な想いが表れて、しかしながら秘められたまま進みゆく・・・。
いつかは終わるとわかっている恋、ましてお互いが訳ありの身分なのだから。
それでもどこか名残惜しく、振り返ればあの人がいるような気がして。
この展開はたまらなくアジア的でもある。 そこにシアトルの乾いた感覚が背景として加わることによって、景色も感情も恐ろしくドライに変化していく。
この「クロスオーバー」の魅力をたっぷりと味わうところが本作の醍醐味ではないだろうか。
出自が違う人間が出会うのが運命であったとして、そのルーツにあるものや文化が掛け合わさっていく。 さらにはシアトルの美しい景色までもが、この物語をどこまでも美しく仕上げようと味方する。
ヒョンビンの演技は初めてなのですが、彼は英語が堪能であり、そこに韓国人特有の強引さというか、ぐいぐい押したり引っ張ったりする処世術が加わって、味のある役柄になった。
タン・ウェイは『ラスト、コーション』以来だが、今回はやつれきった中にも恋の花火に身を委ねたい女の、静かなる情熱を出した。
2人の持ち味、そして舞台となったシアトルの雄大な、それでいて繊細な晩秋の美が大いに味方した恋物語、秀逸です。
★★★★☆ 4.5/5点
ヒョンビンはこの作品の為に英語をマスターしたらしいですね。
流暢に話されていましたよね。
アジア人であっても国(母国語)の違う二人が英語で話すもどかしさと
ワケあり事情を背負いながら相手を見つめるもどかしさがリンクしているような気もしました。
呼び捨てにしてしまってすいません。m(_ _)m
ヒョンビンの努力は凄いものがあると思いますよ。
語学ってなかなかネイティブレベルには行かないもんです。
ハリウッド進出した某韓流スターよりも断然彼の方が語学力は上です! 笑