はい!滝沢ロコです!

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アモ子物語・・・その16

2008年02月23日 | 今日のわんにゃん

寒い季節から、少しずつ、暖かな季節へと、時は移り変わっていました

毎日、様々なことが起きる中で

このお家のおじさんおばさんも、気持ちが不安定になることも多くなり

容態の変化に、一喜一憂しながら

しだいに、心も体も疲れを感じるようになっていきました。

ディーナやらっちゃんの介護は、決していやではありませんでした。

寒い夜中に何度起きようと

部屋中に、うんちがべたべたに散らかろうと

急に、苦しそうな呼吸になり、夜中にコンビニで酸素ボンベを買いに走ろうと

とにかく、最後まで、苦痛を少なく、と願う気持ちに、

少しのブレもありませんでした

…それでも、ほとんど寝ないまま仕事に行くことが増えるに連れ、

愛情たっぷりのおじさんおばさんも、ふと、弱音を漏らすこともあったのは

後になって思うと、無理からぬことでは、ありましたが

しかし、特におばさんは、そう思うこと自体に、大きな悲しみを感じていたようでした。




初めは、ディーナのほうが、早く容態が悪くなりましたが、

にゃんこの方が強いのでしょうか・・・

結局は、らっちゃんが、いよいよ、ということになっていったのです



アモは、ほとんどずっと付きっ切りで、らっちゃんの傍に居ました

苦しそうに咳をすると、心配してじっと見ていました

薬を飲むと、すぐ戻してしまうので、薬が合わないのか・・・

注射だと、返ってショックになってしまい、すぐに逝ってしまうのでは・・・

今、してあげられることがなく、息が苦しそうでたまらないらっちゃんを見て、

正直、おじさんおばさんは途方にくれていました

とうとう、本当に息苦しくなって、全身ではぁはぁするようになった時、

おじさんたちは、また、決断しました

「先生に相談して、いよいよなら覚悟しよう」

ミーヤのときの思いが、よみがえります、

でも、もう、待ったなし、らっちゃんは、確実に呼吸困難です

酸素ボンベをあてたまま、おじさんとおばさんは、先生のところに駆けつけました

「先生、もし、この子が先生のお宅の子だったら、どんな選択をなさいますか・・・?」

おばさんは、長年信頼関係を築いてきたからこその質問を向けました。

「・・・はい、正直に言いますね。きっと、もう少し早く、楽にしてあげたと思います・・・」

先生は、らっちゃんが子犬のときから診てくれた人です。

おじさんおばさんは、二人で、目を見合わせて、決心しました

そして、らっちゃんは、おじさんおばさんに撫でられて、旅立ちました

静かになった診察室で、それまでのらっちゃんの呼吸の音の大きさが分かりました。

あの苦しさから開放されたらっちゃんの体は、

やわらかく、温かでした

おじさんおばさんの号泣と共に、先生の目の涙が、印象的でした

・・・つづく・・・

アモ子物語・・・その15

2008年02月23日 | 今日のわんにゃん

この頃、ディーナとらっちゃんは、交代に体調を崩していました

腎機能の低下が著しいにゃんこのディーナおばあさんは

食べられなくなったり、せっかく食べられても、戻してしまったりを繰り返し

わんこのらっちゃんおばあさんは、咳が出るようになり、元気が無くなったり…


そして、症状の改善が見られると、ほんのつかの間、ほっとするといった具合です

このお家のおじさんおばさんは、そのたびに、心配して心配して、様々な介護に手を尽くしました



かかりつけの獣医の先生も、それは良く診て下さいました

今までのお付き合いの中で

おじさんたちが、どのようにわんこにゃんこに接してきたかを

この獣医の先生方は、よく理解してくれていました

とにかく、苦痛が無く、お腹が一杯で居られること

これは、おじさんたちがずっと大切にしていたことです

言葉をしゃべらないわんこにゃんこは
人の勝手な思い込みで、翻弄されてしまうことも多いからです。


何とかして、少しでも心地よい状態にと思い

おじさんたちは、自然療法にも、積極的に取り組みました

おばさんは、長年ハーブのお勉強をしてきているので

咳が出たら、それを楽にしてあげる効果のあるハーブを使い

また、気持ちが悪そうなときには、胃腸を爽快にする効果のあるハーブを使い

肝臓に負担をかける薬物の投与を、何とか少なくする努力をしてみたりもしました

そんなおばさんの意見も、先生は良く聞いてくれました。

おじさんおばさんは、色々な獣医さんに出会ってきましたが

今の動物病院の先生達は、本当によく分かってくれて

薬を出す時には、必ず尋ねてくれていました

それは、取りも直さず、普通では考えられないくらい、どのわんこもにゃんこも長生きしてきた

このお家の今までのわんこにゃんこ達が、証明してくれていました


気が付けば、ディーナは19歳、らっちゃんは16歳になっていました。

老衰は、容赦なく小さな体を弱らせ、時にじわじわと、時に一気に具合を悪くしていきました

そんな一触即発の毎日を、まるで綱渡りのように過ごしながらも、

愛する家族達は、共にすごせる幸せを感謝しないではいられませんでした。

そんな中で、アモやデビュの天真爛漫なしぐさは、どれだけ救いだったか知れません。



ディーナもらっちゃんも、容態は不安定なままでしたが、何とか、症状を抑えてはおりました

それでも、時は、止まってはくれませんでした

坂道は、しだいにその斜度を増して

文字通り、坂道を転がるように、色々な出来事が起きてくるのに

もう、そう時間はかからなかったのです

・・・つづく・・・