はい!滝沢ロコです!

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アモ子物語・・・その7

2008年02月08日 | 今日のわんにゃん

皆が、それぞれに愛情ハツラツでいられたのは、

後になって思えば、本当に、本当に、しあわせな時間でした。



ロッキーおじいさんとらっちゃんおばあさんは、

アモと一緒にくっついていても大丈夫ということでしたから

同じ部屋に入れてあげると、普段一人でいるアモはとっても喜んで、

優しいロッキーには、べたべたに甘え、

気分屋のらっちゃんには、わざとちょっかいをかけたりして、遊んでいたようでした。

ガラス戸越しのミーヤとディーナは、アモがしきりに傍によって何か話していましたが、

次第にしぐさをまねるようになり、おじさんおばさんは、目を細めて見ていました。

ロッキーとらっちゃんとアモのお散歩は、続いていましたが、

アモはこの二人のこともよぉく見ていて

「もう少ししたら、足を上げておしっこするんじゃないの

なんて思うくらい、何でもまねする好奇心旺盛なお年頃になって行ったのです。


そんな中で、初めに変化が現れたのは、ロッキーおじいさんでした。

とうとう、後足がほとんど動かなくなり、わずか歩いて3分の広い野原にも

車に乗ってお散歩に行くようになっていきました。

もう、アモを一緒に連れて行くことは出来なくなり

らっちゃんおばあさんが、ロッキーを気遣いながら

連れ立って、広い野原で、ゆっくりと過ごすようになっていきました

おじさんたちは、交代交代で、体の大きなロッキーおじいさんの面倒を見ていました。

そしてほとんど動けなくなると、ロッキーおじいさんは2階で暮らすようになり

1階のアモの部屋に来ることはめったになくなって

アモと会う機会も、次第に減っていきました

オムツをして、たまに弱々しく首を上げるだけのロッキーは

それでも、アモにとっては、優しいおじいさんでした

久しぶりに会うと、アモは、小さな舌で、ロッキーおじいさんの大きな体をなめてあげました。

ロッキーは、寝たままで、嬉しそうにしっぽをぱさっと振りました。



そして、もう、車のお散歩も出来なくなって、1ヶ月・・・

アモともほとんどあえない日が続いたある日、

ロッキーおじいさんは、おじさんとおばさんに見守られて、大空へと旅立ったのです。

16歳でした。

ロッキーおじいさんのような大きなわんこは、10歳過ぎたらもう長生きなんだそうです。

9歳で癌が見つかり、手術して、放射線治療も受けて

それで16歳まで頑張ったロッキーおじいさんは、

人で言えば100歳は軽く超えたほどの、大往生だったということです。

おじさんとおばさんが、アモを初めて2階に連れて行きました

祭壇に眠るように横たわったロッキーおじいさんを見て

アモは、初めはいつものとおり傍に行って寄り添おうとしましたが

ビクッとして立ち止まり、じっとロッキーを見つめ、

そのあと、においを確かめるように嗅いでから、

一言、何か言いました。

それが、アモとロッキーのお別れの言葉だったのかどうかは、おじさんたちにはわかりません。

でも、アモは生まれながらにして知っていました。

天国に行くということは、今、目の前からいなくなる事なんだって・・・

そして、一度天国に行ったら、二度と戻ってくることは出来ないんだって言うことも・・・

それからも、アモは、しっかりと、おじさんたちが掴んで離さずにいたアモの命を謳歌し

元気で、お転婆で、甘ったれで、毎日を力いっぱい過ごしていくのです。

そして、おじさんたちが、次の大きな波が目の前まで押し寄せていることに気づくのは、

これからまもなくの事だったのです・・・

・・・つづく・・・