届いた手紙”３月。

開封。
昨日届けられた3月の手紙、素敵な薄い青、春の色。
わくわくしながら朝一番に開封したら、暖かい温もりがこぼれ鼻を擽った春の匂い。
思わず青い便箋をぐしゃぐしゃにして抱きしめた。
伝わる温もり、心地よい風、嬉しい弥生からの手紙、
もう3月・・・
早いな、そう思いながら感じる、
新しい風、温もり、新芽の土臭い香り、苦味、
春が生まれる。

３月

新しい一枚を捲って
やあ・・・
声をかける

香りと苦味
それに鮮やかさが加わり
眩しい存在となって春が生まれる
ほろ苦い一杯

固い蕾の衣が少し剥れ
新芽が小さな手足を少し広げ
春の形を作り
産声を上げて
初めての動きをみせる
春の誕生日

一便
南から届く温められた風の手紙　　　
雨が封を開け
眩しい春の光がこぼれ　
春の陽射しに満たされるカフェの店先　
少し砂糖交じりの香り

仄かな香り淹れたて
口に含むと少しほろ苦い味が広がる
苦味の３月。