先日、ご門徒の葬儀が 3件重なりました。
それも、北九州市(福岡県)と福山市(広島県)と大東市(大阪府)から すべて地元を離れて遠隔地に在住のご門徒からのご案内。
都会地の葬儀は、会場の都合が優先らしく、葬儀日程が先に決まってからお寺にご案内があることが多いので、慌ててしまいます。(地元・島根では考えられないことですが…)
折しも西楽寺の永代経・春彼岸法座の直前でしたから、時間的にも距離的にも 対応不可能なまさに同時多発葬儀で、僕の頭の中は完全パニック状態でした。
結局、
① 最初に連絡のあった北九州市の葬儀は僕がお参りさせていただき、 ② 福山市は地元のご寺院様に代行を依頼し、③ 大東市の葬儀は京都にいる春休み中の長男・次男にお参りさせるという対応策をたてました。
大東市の葬儀にお参りする、息子たちは、今までに僕といっしょに葬儀にお参りしたことはありますが、自分が通夜のご法話や葬儀を導師で仕切る機会はありませんでした。
そこで、喪主に無理をお願いして、「2人で1人前」という気持ちで、兄弟そろってお参りさせていただきました。
僕の役目は法名や袈裟を会場に送ったり、葬儀社との打ち合わせ方をメールやラインを使っての「遠隔操作」です。
葬儀後、息子たちの「初舞台」の様子が気になりましたので、喪主にお礼の電話をしたところ、
正直に言いますと、、最初にお会いした時、あまりにお若いので 「大丈夫かな?」と不安になりました。でも、お経もお話もキチンとして下さり、とても有難かったですよ。
と、何とも親バカになりそうな嬉しい言葉をいただきました。
本人たちも、ご親戚方とのお話をさせていただき様々な出合いいただいて
「本当に よい勉強をさせてもらいました。」と口をそろえて言っていました。
父親(僕)より、経験を重ねていくペースが少し早そうですが、こうして少しずつお育ていただいて 一人前になっていくんですね。
有難うございました。
最近、携帯電話が普及していまい後継者の育ちが悪くなっているような気がします。
リアルタイムで指示を受けることができてしまい、指示を出す方も受ける方も諦めて腹を据えて仕事ができませんよね。
以前、三重県の寺の報恩講にお参りしたとき、住職から
「今日はわしはいおらんけど、息子二人がやってくれるから、よろしく」と言われたことがあります。任せる住職も不安だったようですが、あまり上手でない勤行を
新鮮な気持ちで一緒に勤めさせていただきました。
育つ時に先の携帯電話のように親が邪魔になることがあるような気がします。
かくいう僕も、若僧のときからたくさんのお育ていただき、ようやく今日に至っています。
少しずつ、任せながら任せ方を学んでいきます。