ご主人を亡くされたOさんの家に
百ケ日のお参りにいったときのこと。
七七日のお参りのときには 毎週のように顔を出してくれたお孫さんの
姿も、 その日は 平日なので 見えない。
ところが、仏間の隣の部屋に鳥かごがあり、その中にセキセイインコが
いた。
聞けば、四十九日が過ぎたころ、一人暮らしになったお祖母ちゃんが
寂しいだろから… お孫さんが 子犬を買ってきてくれたという。
だが、せっかくだけど、一人暮しだと 出掛けるときなどに 子犬の
世話ができないから 「ごめんね」 …と断られたという。
(その犬は そのまま 孫さん宅で 飼われている)
ということで 「これなら、大丈夫でしょ」 と持ってきてくれたのが
この 小鳥 というわけだ。
お祖父ちゃんを見送った お祖母ちゃんの寂しさを なんとか
紛らわしてあげたいと心配する孫さんの心遣いが 有難い。
この小鳥は 言葉を覚えて しゃべるんですって!
そうですか。 そういえば、小鳥は その家で一番 たくさん話される言葉 を
覚えるって聞いたことがありますよ。
「こらーっ」とか、 「おーい」とか…(^^ゞ
いや、ここでは、お仏壇のすぐ近くに置いてあるあら、
「なんまんだぶ。なんまんだぶ」 かもしれませんね。
そうですね。
なんまんだぶ。なんまんだぶ。… インコが お念仏するようになるために
私が お念仏を 届けなければいけませんね (^-^)
…と、二人で笑った。
今度 お参りするときが楽しみだ。
なんまんだぶ。なんまんだぶ。
さて、こんなふうに 僕の口から お念仏が 出るようになった のは、
だれが、届けて下さったのだろうか。
自分で 称えているつもりだったが、 こうやって お念仏を称えるように
お育てを いただいていたのだ。
この私の口に お念仏を届けんとして、
如来さまは、 どれほどの お手間をかけて下さったことだろうか。