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心を癒す、レム睡眠

2011-12-01 23:19:06 | 随想たち
”レム睡眠には、心を癒す効果がある”との研究成果が、最近発表された。
これについては誰しも、経験的に思い当たると思う。
体はもちろんのこと、心が疲れたり辛かったりしたとき、眠って回復しようとする。
たいがい、眠ると心の疲労が幾分軽減しているものだ。
しかし、辛かった体験の夢を見た場合、起きた後、さらに疲れが増しすことがある。
それでも、眠りにつけただけまだましなのかと、自分を慰めることもできる。

困るのが、あまりの疲労で眠れない場合なのだ。
眠れないから、レム睡眠での記憶の整理や統合が阻まれ、心の疲労が蓄積されてしまう。
それが度重なると、鬱に突入してしまうのだろうと、ヒヤリとしたことがある。
ただ本当に幸運なことに、そこには至らなかったが、本来持っている自己防衛本能、つまり”眠り”機能しなくなったら、どんなに辛いことか。

今、大人はもちろんのこと、子供たちも、睡眠を十分にとることが難しくなっている。
習い事や、塾に部活動・・・毎日過密スケジュール状態だ。
子供だって、一日のうちに好きなゲームをしたり、テレビなどを見て、気分転換がしたい。
そうすると、睡眠時間を削らないと、その時間を捻出できない有様なのだ。
また、少子化の影響で、学校の統合が進み、通学にかなりの時間を割く子供達がいる。
徒歩通学で、一時間弱かかる場合もあるが、子供同士での集団登下校ならば、その時間は無益ではない。
子供社会のコミュニケーションが生まれ、あるいは、通学路周囲にある自然や風物にふれたり、ぼんやりと考えることもできる、大切な時間でもある。
でも、スクールバスで長時間巡回するとき、親の自家用車での送迎はさらに、無益な時間になる危険性がある。
そこに追い討ちをかけるように、過密な予定。
最低6時間の睡眠時間を確保できている子は、どのくらいいるのだろうか。
6時間睡眠といっても、ベッドに入ってから起きるまでの間が6時間と思ってはいけない。
電源スイッチを切るかのごとく、瞬時に睡眠に突入できるとは限らないのだから。
ましてや、成長期なのだ、さらに1~2時間プラスが好ましいだろう。
理想の眠りは、するりと眠りに付き、ゆっくりと自ら目が覚めるものだと思う。
目覚ましや、目覚ましでも起きられずに親などによって強制的にたたき起こされては、よい睡眠を得られたとはいえないだろう。

体ばかりではなく、心を健やかに保つためにも、十分で質のよい睡眠が望まれる。
だから、心が疲れすぎないように、少し弱ってきていると感じたなら、気分転換と睡眠をとろう。
自分達を取り巻く環境が、なかなかそうさせてくれなくても、自分を守るためには、何かを切り捨て、眠るしかない。
もし、家族友人に、疲れている人がいたなら、ゆっくり眠れる環境を用意してあげよう。
まずは、備わっている自浄作用を活かすことだと思う。
眠れるうちは、大丈夫・・・ということで。