
今回ご紹介するのは、TFGOよりプレダコン兵士、“爆速鬼 バクドーラ”。
当ブログではプレダコンのレビューは順番がバラバラですが大目に見てください。さてバクドーラですが、背中の大きな
翼に尻尾と、鬼よりも西洋の悪魔的なデザインが特徴。

横から見ると、腰から伸びた太くて長い尻尾が最大の特徴。それらの記号は普通にカッコよく、海外版ではグリーン系
だったカラーリングも、鮮やかなレッド&メタリックブルー&ブラックに変更されますますかっこよくなりました。かつデラッ
クスクラスだけに価格も比較的安く、ビーストモードも最もオーソドックスなドラゴン的姿だった為に好評だった模様。
今は亡き我が郷里のトイザラスで、最初に完売したプレダコンは彼でした。他の店は知らん。

ご尊顔拝見…よく見ると片目の塗装が剥げてる。それ以外の造形は相変わらずカッチリしていて高クオリティ、そして
全プレダコンで最もイケメンなのがこのバクドーラ。頭の角は4本ですが、角よりも発電用コイルに見えますね。
玩具設定では、ブドーラ率いるプレダコン四鬼衆では最も地位の低いTFだとか。スピード自慢であると同時に、パラライズ効果やドレイン能力のある尻尾の先端にある武器“サイフォン・クロウ”でソードボットに襲い掛かるとか。アニメ本編では、第一話で同じプレダコン兵士“ジュドーラ”と組んで行動し、ゲキソウマルを初めとした忍チームと戦っています。しかし…カマキャラのジュドーラと違いバクドーラの持ち味は荒々しい口調だけなので、イマイチ印象に残りませんこいつ。
さて毎回恒例の四鬼衆の前世…こと海外版ではどんな設定だったか?について。名称は“リップクロー”と言いまして、上記の通りカラーリングはグリーン地にレッド。尻尾の武器サイフォン・クロウの名称はそのままに、ドレイン能力が無い代わりに機能停止に追い込む猛毒を注入するとか。で、これに一度バルクヘッドもやられているそうで。そして最大の特徴は、なんと女兵士である事。余談ですが、プレダコンって多かれ少なかれ仕様変更品が作られているんですが、このリップクローだけは海外市場に置いてバリエーションが存在せず、リップクローが元に作られた仕様変更品はこのバクドーラのみ。

そして今回のTFGOから、デラックスクラスのブリスターパック(透明部分)の梱包方法が変更されました。従来は端を
折り曲げてバックカード(台紙)の裏側にセロハンテープで張り付けていましたが、今回からバックカードに直接接着剤
で貼りつけています。前者はバックカード表面を剥がさない様にテープを剥がせば綺麗な状態を維持出来ますが、この
接着方式だとブリスターを剥がすと同時にバックカード表面も剥がれてしまいます。それが気になる人は、ブリスターの
側面にカッターで切り込みを入れて中の製品を引っ張り出す…所謂“マニア開け”をした方が無難かと。

では可動について。首ボールジョイント、肩ボールジョイント及び胴体側にも脇関節あり、肘ピン打ち関節、肘下ロール軸、手首が内側に
のみ曲げ可、変形ギミックの副産物で上半身のみ反り可、腰360度回転、尻尾が根元から上下にのみ可動、股関節ボールジョイント、膝
ピン打ち関節、足首ボールジョイントとなっています。腕ロール軸が肘下なのでやや扱いにくい、そして膝関節が妙に緩い所を除けば、
可動部は割と多い方に入ります。

ここで、発売当時に話題になった組み間違いについて。これはバクドーラの肘部分のアップ画像ですが、赤矢印で
示しているグレーの肘関節パーツの四角い部分、これが前側に向いているものは組み間違いです。

こちらが、タカラトミーに相談して交換して貰った正しいもの。ご覧の通り、ひじ関節パーツの四角い部分が後ろ側に
来ています。尚、ここはピン打ち関節なので、自分で分解して直すのはかなり困難と思われます。

そしてもう一つの組み間違い。これは太ももパーツを真横から撮影したものですが、聞いた話によるとこのパーツが
左右逆に組み付けられているとか。見た目はそんなに変わらないんですけど、赤矢印で示した部分が前後逆になっ
ていれば正しいそうです。尚、これは海外版のリップクローにもあった症状で、更に悪いことに全部がこうだとか。
そして、ここも膝がピン打ちなので分解不可。聞いた話によると、正しく組み立てても見た目も可動範囲もそんなに変
わらないらしいので、まぁこの事は忘れても良いでしょう。

肩を見てみましょう。ご覧の通り大きなアーマーが肩…いや上腕全体を覆っています。
しかしアーマーに胴体と繋がったフレームがあり、それが肩関節とは独立しているので、上腕を動かす際にアーマー
を逃がしてやれば、腕を動かす事が出来ます。多少は干渉しますけど、それでも見た目よりはずっと動きますよ。

続いて翼。昭和年代に展開された“TFビクトリー”に“デスザラス”と言う背中に翼を持ったTFがいまして、何故かそれ
そっくりな翼。そしてその下に黒いガワがありますが、これはビーストモードで使うための物。ロボットモードでは背後
に展開し、二枚羽から四枚羽に見せているわけです。

バクドーラ最大の特徴にして、最大の問題点がこの尻尾。軟質樹脂製の芯に黒いABS製外装パーツを通しています。
左右にブンブン振りたい所ですが、残念ながら上下可動のみ。そして外せません。5ミリジョイントで接続していれば、
手持ち武器にもなるしプレイバリューも上がったのに。

ここでもう一度パッケージを見てみましょう。尻尾を見ると、根元から左側に曲がっているのがお分かりでしょうか?
上記の通り尻尾は芯が軟質樹脂製、つまり梱包され開封されるまでは常に左側に曲がっているわけです。こんな状態
で長い間置いていたら、当然ながら軟質樹脂製の尻尾にクセが付き、開封しても根元から左側に曲がったままです。
海外版ではビーストモードで梱包されていたのに、何故国内版ではこんな愚を犯したのか…。しかも分解出来ないから、
鍋に入れたお湯で煮て柔らかくしてクセを取る事も出来ないし。
ちなみにウチは、やかんでお湯を沸騰させ、上から熱湯を“曲がった部分だけに”かけて真っ直ぐにしました。

根元のロックパーツを下げると、外装パーツが隙間無くカッチリ嵌り、ご覧の状態になります。っつーか、設定上ではむしろこちらがデフォ。
しかしこの状態だと、常に尻尾の芯の根元に負荷が掛かりっぱなしになるので、最悪千切れる可能性は否定出来ません。ただでさえ軟質
樹脂は経年劣化に弱いのに、この状態をデフォにしておくなんて恐ろしいこと出来ません。
だから、ウチではロックを外し負荷を掛けない様にしています。

後ろから見るとこんな感じで、見た目だとこっちの方がしっかりしててかっこいいんですよねー。尚、どちらの状態でも
尻尾は床に接するので、多少膝が緩くてもしっかり自立します。

武器はサイフォン・クロウ、大型の三本爪。手に持たせると腕に一体化した様にも見えて、大きさもあり中々派手な武器。画像左の状態
ではロックがかかっており、中央の突起を押すとロックが外れクロー三本が連動して閉じます。

元々この武器は尻尾の先端に付けるものですが、手持ちでも可です。尻尾に付けるとこんな感じになりまして、ロック
を嵌めてピンと伸ばした状態の尻尾に付けると、サソリっぽくなってこれまたかっこいい。
でも欲を言うなら、さっきも書いたように尻尾の根元を5ミリジョイントにして、この状態で手に持たせたかったなー。

先ほどタカラトミーに交換品を送ってもらったと書きましたが、その際にタカラトミーに不良品を送り返すまでの間、
我が家にはバクドーラが二体あった事になります。せっかく二体あるのだから、返す前にサイフォン・クロウを両手
持ちさせてみました。

バクドーラもドラゴンのビーストモードを持っているわけですが、腕=ビースト前足なので、腕だけビーストモードにすると
両手がクローになるので、これはこれでまた有りですね。

ビーストモードはドラゴンですが、バクドーラは全プレダコンで最もオーソドックスな、一般的なドラゴンに近い姿をしてます。
ただし尻尾以外は。この辺も、バクドーラがユーザーに好評だった一因と思われます。
でもブドーラやドラゴトロンに比べると、ファンタジーアニメに出てくる乗り物動物っぽくもあります。

ご尊顔拝見。こちらも一般的なイメージのドラゴン顔。ブドーラみたいなブサイク面って事も無く。しかし顎がしゃくれ
気味なのと、鼻のあたりがなんとなく犬っぽい。そして何故か上顎から額までが軟質パーツで、しかもウチのは噛み
あわせが悪いのか上顎が横に傾いてます。そして口を開ける際、下顎では無く上顎を顔全体ごと動かします。

可動はまぁ見たまんま。首ボールジョイント、上顎開閉、肩ボールジョイント、肘、肘下ロール軸、爪開閉、腰回転、股関節ボールジョイント、
尻尾が根元から上下可動、膝二重関節、足首ボールジョイントになります。四肢はそのまま使っていますが、足に限り膝関節が一個増えてますね。

ビーストモードではロックパーツで尻尾を固定しないと、尻尾が根元から捻じれご覧の状態になってしまいます。
これはこれでまた負荷が掛かるのが困りもの。見た目も悪いので、ビーストモードはロックを使いましょう。

では変形シークエンスを。まず股関節を軸に、本体を真上に90度向けます。

まずは足の変形から。真っ直ぐ上に伸ばし曲げていた関節を伸ばしつつ、黒いアーマーパーツを移動させてジョイントで固定します。
プレダコンはただ四つん這いが立ち上がるだけで無く、細かいパーツを動かす所が面白いです。

で、今がこんな感じになってます。なんか元気玉みたいだなこのポーズ。

次は胴体の変形を。肩を奥側に動かし(画像左と画像中央で比較して下さい)、胴体の黒いガワを展開します。
先に肩を動かしておかないと、ガワが干渉して動かないんです。

その状態にしてから上半身を前に倒し、腕も肩から下に下げます。

真正面から見てみましょう。喉パーツを左右に開き、フレームに沿って上腕に被せ、ビーストヘッドを背中に折り畳みます。

最後に腕の変形を。爪を肘側に180度倒し、肘下ロール軸から内側に90度回します。
こうして見ると、ビーストモードの下側クローはロボットモードの指先なんですね。

尻尾先端からサイフォン・クロウを手に持たせます。尻尾のロックパーツは外さなくても変形出来ますが…。

破損対策の為に、ロックパーツは常に外しておいた方が安全でしょう。サイフォン・クロウを尻尾に付けた状態で
ロックを外しておくと、それの重さで左右のどちらかに捻じれてしまうので止めましょう。

総評としては、プレダコンの中じゃかなりいい線行ってると思いますバクドーラ。
可動部も多いし、デザイン及びカラーリングもストレートなかっこよさだし、尻尾+サイフォン・クロウもインパクト抜群だし、何より最もクセの無いドラゴンになれるのが大きいです。
しかし、腕ロール軸が肘下なので融通が利かない、ピン打ち関節が多く調整が利かない(これはプライム全般がそうですが)、尻尾の扱いにくさと言った弱点も目立ちます。特に尻尾は本当に困りもので、破損対策で芯を軟質樹脂にしたのは分かるんですが、せめて根元を5ミリジョイント接続にしてくれればかなり扱いやすくなったろうに。そしてバクドーラ及びリップクロウに限り発生した修正不能な組み間違い、なんでこうも色々と恵まれないんだろうかこいつは。
もし低価格帯プレダコンで一つだけ欲しいのなら、このバクドーラ一択でしょう。ただ尻尾の扱いにくさは覚悟して下さい。
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