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6/13は野際陽子さんの命日 ~6年前の今日,81歳で死去~

2022-06-13 18:30:46 | 女ぷり

 

 

 晩年は,「知的でユーモアがある」「80すぎてもあんなに元気できれい」と,脇役女優として存在感を示した際陽子さん。最後の出演となった昼ドラマ「やすらぎの郷」での,石坂浩二さんとのやりとり場面がいまでも眼に浮かびます。

 今日,6月13日は野際陽子さんの命日。野際陽子さんが逝って六年。元夫の千葉真一(享年82)さんは,新型コロナウイルスによる肺炎のため、昨年8月19日に急逝されました。

 いま,千葉さんの遺産相続問題で,野際さんとの間の娘で女優の真瀬樹里(47)さんを巻き込んで遺品をめぐりもめているということです。野際さん,あちらの世界でハラハラしながら事の成り行きを見守っておられることでしょう。

 

  千葉真一さんと離婚・野際陽子さんの場合-・

 

 1994年に千葉真一さんとの20年間の結婚生活にピリオドを打った故野際陽子さん。58歳であった。

 千葉さんと一緒に一緒に離婚記者会見に臨み、「私のわがままです。千葉真一の妻という感覚が希薄になりフッと忘れてしまうことが多くなった。けじめもつけたかったし,出会った『キイハンター』のころの友達に戻りたかった」と述べている。
 後に,〝千葉は映画監督をやりたい,ハリウッドに進出したいなどの夢を追いかけ,それに費やす金額は半端じゃなかった。借金もした。野際さんはその尻拭いをして,離婚したんだ。金でも女のことでもずいぶん泣かされたのに,それを口にすることは一切なかった。”との後日談も出た。
 (参考:https://www.excite.co.jp/news/article/Asajo_31490/)



 野際さんは富山県富山市生まれ。3歳から東京・杉並で育ち,立教大卒業後の58年には,NHKにアナウンサーとして入局した。60年から同局「おはようみなさん」の司会などで活躍したが,62年にNHKを退職。その後,フリーアナとしてTBS系「女性専科」の司会を務めた。
 
 63年にTBS系「悲(ひ)の器」で女優デビュー。大学時代に劇団に所属していたこともあって,以後は女優として活躍していく。66年にはあこがれだったフランスのソルボンヌ大学に留学し仏文学を学んだ。帰国後の68年,TBS系「キイハンター」で女優復帰した。同番組は5年間放送され,最盛期には視聴率30%を超える大ヒットとなり,野際さんの代表作ともなった。

 
 
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内気な老女

 信じてもらえないかもしれないが、私は幼少の頃から人見知りで気が弱く、とても内気だった。わがままで、思いどおりにならないと、ところ構わずひっくり返って泣いたりする困った子ではあったらしいが、それはほんの偶さかで、普段、特に人前では、むやみにはしゃだり、首を傾げて可愛らしくオシャマなことを言ったり、友達と派手に喧嘩したりすることの殆ど無い、ごく大人しい目立たない女の子が私の記憶の中の自分の姿だ。

 5歳ぐらいの頃、熟を測る時、誰に聞いたのかこれがカッコいい測り方だと思って口で測っていたら、体温計がポキンと折れてしまったことがあった。困惑と叱られるという思いで暫くの間誰にも言えずにそのままくわえていて、だいぶ経ってから「折れちゃった」と母に小声で告白した。その時の両親の仰天、慌てぶりはいまだに忘れられない。口の中のものを吐き出させ、私を抱えて近くの医院に走った。体温計には水銀が使われていて、それが毒だなどということは勿論知らないから、「飲んでないでしょうね!!」という母の悲鳴のような声に、自分の仕出かしたことの重大さを知り、只々怯えて黙って領いていた。全く、命に係わる気弱さだ。
 戦中戦後の小学生時代、自由を謳歌した中学、高校時代も地味な自分の姿しか恩い出せない。それなりに楽しい少女時代ではあったが、少女雑誌の表紙モデルになったような凄い美人、ピアノコンクールで入賞した人、後に東大に入るような成績優秀な人のいる同窓生の中で、私は何事にも全く自信がなかった。授業中に稀に手を挙げて発言する時など、今では自分でも信じ難いが、立ち上がる前からドキドキして声の震えを必死で抑えていたものだ。
 大学時代は初恋が失恋という悲劇的状況だったから、勿論自分に自信などあるはずはなく、「私は野暮で魅力のない女だ」と思って、〝いい女になるための十か条″を作り地味に努力していた。何時だったか古いノートに書かれたその十か条を実家の納戸で見つけた。そこには〝自分の本心をあからさまに見せず、ミステリアスな女になるべし″なんていうことが大真面目に書いてあり、既に人生の実態をほぼ知ってしまっていた私は、そのいじらしいほどの幼さに大笑いしてしまった。
 NHK時代だって控えめな大人しいアナウンサーだったと思う。様々な失敗をしながら、ひたすら真面目に仕事に取り組み、色恋沙汰もはかばかしく実らず、地味に退局した。

      出典: 70からはやけっぱち [ 野際陽子 ]     p110~111

 

 

 

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 本書は、「毎日が発見」誌(角川マガジンズ、直販シニア月刊誌)に掲載された野際さんの水彩画イラスト入りエッセイ連載と、本人実写「野際体操」などの記事から再編集。仕事や趣味の絵に、美と健康維持に、日々楽しみながら奮闘する、おちゃめで真面目な野際さん=70代から元気をもらえる。

 




   
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