
南日本新聞の夕刊廃刊(休刊)は,同社が理由にあげる「原材料費の高騰に加えて購読数の減少、広告収入の減少」が,問題の根源ではない。問題の本質は,時代変化にある。--その詳細をマーケティングの視点で考察します。(明日に続く)
鹿児島県を地盤とし,発行部数37万部の地方紙 南日本新聞が2月末で夕刊を廃止した。県内の世帯普及率5割に達する有力紙の夕刊撤退は業界に与えた衝撃は大きい。原材料費の高騰に加えて購読数の減少、広告収入の減少という三重苦を理由としており、新聞業界を取り巻く環境は厳しさを増している。
◇ ◇
福島県では福島民報と福島民友新聞が夕刊廃刊に踏み切っている。昨年夕刊を廃止した新聞社は、毎日新聞社が北海道内での夕刊を8月末に、東北地方で最も長い歴史を持つ秋田魁新報が9月一杯で、そして10月には創刊62年の夕刊紙、名古屋タイムズが休刊しており、夕刊の廃刊は全国的な動きとなっている。
さらに,地方紙でも経営状況が比較的よいと言われてきた南日本新聞までが2月末で夕刊廃止に踏み切るという状況である。南日本新聞は、休刊の理由として発行部数や広告収入の減少、用紙代など製作コストの増大などを挙げている。
▼鹿児島市内を中心としたエリアで夕刊を発行
南日本新聞は完全セット販売ではなく、鹿児島市内を中心としたエリアで夕刊を発行。発行部数は朝刊部数(40万部)の6%程度。料金はセット版が3567円(1カ月)で、朝刊のみが3007円なので単純計算をすると毎月560円で夕刊が宅配されていた。
◆出典
「週刊ダイヤモンド」08/12/06号
読売新聞- 都道府県別販売部数
◆ ◇ ◆ ◇南日本新聞の夕刊休刊に関する社告の要点( 08/12/1 付 )
読者の皆さまへ 夕刊を来年2月末で休刊します
南日本新聞社は2009年2月28日(土曜日)付で夕刊を休刊いたします。読者の皆さまに長年にわたり親しんでいただいてまいりましたが、夕刊を取り巻く環境は厳しさを増し、これ以上発行し続けることは困難と判断いたしました。まことに心苦しい限りですが、ご理解を賜り、引き続き南日本新聞朝刊をご愛読いただきますようお願い申し上げます。
ライフスタイルの変化、メディアの多様化などに伴い本紙夕刊の発行部数は漸減し約2万3000部となり、広告収入の減少も続いてまいりました。ここにきて、用紙代など新聞製作コストが上昇、内外の景気低迷で広告需要がさらに落ち込む様相をみせています。
夕刊の発行については地域に根ざす報道機関の使命として、これまで随時紙面改善を行い、社内の業務見直しや合理化、人件費や経費の削減などできる限りの経営努力を続けてまいりました。しかし、収支の改善に程遠く、休刊の決断にいたりました。
▼
地方紙の2006年6月と2008年6月の販売部数の増減比較によれば販売部数減少のベスト3が宮崎日日新聞(-5.81%),南日本新聞(-5.09%),熊本日日新聞(-4.45%)と宮崎県,鹿児島県,熊本県の南九州エリアの3県の地方紙です。
◆関連ブログ ケーススタディ 時代変化への対応
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/d/20090401
鹿児島県を地盤とし,発行部数37万部の地方紙 南日本新聞が2月末で夕刊を廃止した。県内の世帯普及率5割に達する有力紙の夕刊撤退は業界に与えた衝撃は大きい。原材料費の高騰に加えて購読数の減少、広告収入の減少という三重苦を理由としており、新聞業界を取り巻く環境は厳しさを増している。
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福島県では福島民報と福島民友新聞が夕刊廃刊に踏み切っている。昨年夕刊を廃止した新聞社は、毎日新聞社が北海道内での夕刊を8月末に、東北地方で最も長い歴史を持つ秋田魁新報が9月一杯で、そして10月には創刊62年の夕刊紙、名古屋タイムズが休刊しており、夕刊の廃刊は全国的な動きとなっている。
さらに,地方紙でも経営状況が比較的よいと言われてきた南日本新聞までが2月末で夕刊廃止に踏み切るという状況である。南日本新聞は、休刊の理由として発行部数や広告収入の減少、用紙代など製作コストの増大などを挙げている。
▼鹿児島市内を中心としたエリアで夕刊を発行
南日本新聞は完全セット販売ではなく、鹿児島市内を中心としたエリアで夕刊を発行。発行部数は朝刊部数(40万部)の6%程度。料金はセット版が3567円(1カ月)で、朝刊のみが3007円なので単純計算をすると毎月560円で夕刊が宅配されていた。
◆出典
「週刊ダイヤモンド」08/12/06号
読売新聞- 都道府県別販売部数
◆ ◇ ◆ ◇南日本新聞の夕刊休刊に関する社告の要点( 08/12/1 付 )
読者の皆さまへ 夕刊を来年2月末で休刊します
南日本新聞社は2009年2月28日(土曜日)付で夕刊を休刊いたします。読者の皆さまに長年にわたり親しんでいただいてまいりましたが、夕刊を取り巻く環境は厳しさを増し、これ以上発行し続けることは困難と判断いたしました。まことに心苦しい限りですが、ご理解を賜り、引き続き南日本新聞朝刊をご愛読いただきますようお願い申し上げます。
ライフスタイルの変化、メディアの多様化などに伴い本紙夕刊の発行部数は漸減し約2万3000部となり、広告収入の減少も続いてまいりました。ここにきて、用紙代など新聞製作コストが上昇、内外の景気低迷で広告需要がさらに落ち込む様相をみせています。
夕刊の発行については地域に根ざす報道機関の使命として、これまで随時紙面改善を行い、社内の業務見直しや合理化、人件費や経費の削減などできる限りの経営努力を続けてまいりました。しかし、収支の改善に程遠く、休刊の決断にいたりました。
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地方紙の2006年6月と2008年6月の販売部数の増減比較によれば販売部数減少のベスト3が宮崎日日新聞(-5.81%),南日本新聞(-5.09%),熊本日日新聞(-4.45%)と宮崎県,鹿児島県,熊本県の南九州エリアの3県の地方紙です。
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http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/d/20090401
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