長与千種とダンプ松本 それぞれの人生の苦悩 1/3
長与千種とダンプ松本 それぞれの人生の苦悩 2/3
有吉 「ダンプ松本のザ・ノンフィクションは悲しくて見れない」
ダンプ松本,長与千種さん-二人に幸あらんことを!
ザ・ノンフィクション・敵はリングの外にいた
『ザ・ノンフィクション』の,『敵はリングの外にいた(10/26放送)』。
長与千種とダンプ松本ともに,涙を隠さない。赤裸々に想いを語り,泣きじゃくる。この状況に心うたれ,思わず動揺するカメラマン。
クラッシュギャルズの長与千種はリングの上で戦い,歌っていた。観客席ではファンの女性たちが黄色い声援をおくっていた。アイドルそのものだ。当時を知らない人からすれば,この光景は,まるで冗談そのものであろう。
9年前に引退の彼女は,千葉県船橋市でカラオケバーを営む。それ以来,プロレスとは一切関わりを持たなかった。一人,愛犬と夜食のカップラーメンを食べ,「体に悪 い」とは分かっていながらもコタツで寝てしまうという一人暮らし。
彼女がレスラーになったきっかけは,両親に捨てられ一人での生活を迫られたことにあったという。
埼玉県生まれで極悪同盟のダンプ松本。往年,彼女はチェーンや鞭,はては竹刀を振り回し,クラッシュギャルズを痛めつけた。いま独身で一人暮らしの彼女は整骨院に通い,50代の体のキツさを晒し「こう見えて薬飲んで寝てるんだから」 と独白する。時には,パーティのサプライズゲストをつとめ,出席者からの心付けに感謝する。今の夢は,「プロレスラーたちが集う老人ホームを作ること」という。「その為にお金を貯めている」と語る。
ある日,ダンプ松本から長与千種に「プロレス界がこのままだとダメになる」と電話があった。復帰を決意した長与は体重を25キロも落とし,し合いに臨む。
試合後,長与は入院中の母親の元へと向かう。父の墓を東京に移し,一緒に生活をしないかと誘うためである。これに対し,母親は「千種はお父さんと私の宝物」と声を絞り出す。
エンデングでは,長与千種はダンプとは,共にリングに立っている。50歳になる彼女らは,実に楽しそう。二人の前途に幸あらんことを心から祈る。
『自分流。―へこんでもいい!迷ってもいい! 』(大和書房)