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親業のこと

事例紹介~相手の気持ちに寄り添い「聞く」ということ⑥~

2017年06月06日 | 親業のこと
   【事例紹介】
      長女T(5歳)は、ピアノの練習の途中で私のところに来て抱っこをせがみ、
      また、「ピアノに行きたくない」と言う。
      うまく指が動かなかった所が、練習して弾けるようになった後だったので、
      私は不思議に思う。


    子 : ピアノいやだ。行きたくない。Tちゃんバカだから上手に弾けないもん。
    母 : (弾けているのになぁと思いつつ)
         Tちゃんは上手じゃないと思ってるのね。
    子 : (いじけながら)そうだよ。だって指が違うでしょ。
    母 : うまく弾けないのが悔しいのね。
    子 : Tちゃん、バカだから指が動かないんだよ。
    母 : 指使いが難しいのね。
    子 : そう。指がこ~んなになったりするの(動かしてみる)難しい。
    母 : うんうん。この曲、難しいね。
    子 : そうでしょ。Tちゃんね、本当はこうしたらいいって分かってるんだけど、
        ママが「指が違う」とか言うでしょ。あれがイヤなの。
    母 : ママがあれこれ言うのがイヤなんだ。
    子 : そうだよ。だって、Tちゃん分かっているんだもん。
        全部分かってるの。あ、指間違えたとか、分かってるの。
        だからママには言って欲しくないの。
    母 : そうか、言わないで欲しいのね。Tちゃんは分かっているから。
    子 : そう。あと「次は~だよ」とか言うでしょ。あれもTちゃん分かってるから。
        自分でやるから。
    母 : じゃ、ママは何も言わなくていいのね。
    子 : いいよ。でもちゃんと弾いているのは聴いててね。
    母 : うん、分かった。


   【感想】
      ピアノを嫌がる原因が、まさか私の言葉にあったとは思ってもいなかったので、
     初めはショックでした。私が言わないと娘は分からないと思っていたのですが、
     いつの間にか成長していたのですね。
      私は基本的には何も言わないことにし、娘も間違いに気づかないときには、
     後からなら言ってもよい、と決めました。
      それからはレッスン中にいじけることもなくなりました。いじけるのは、
     自分がうまくできなかったからだと思っていましたが、本当は違ったんですね。
     初めはそうだったかもしれないけれど、いつしか、
     「分かっていても弾けない。それを言われるのはもっとやだ。」に変化していったのですね。
     気づかなかったらずっとヤイヤイ言い続けて、娘のやる気を削いでしまっていたことでしょう。
     あ~、よかったぁ~。

          HRN2010冬号より




                

 この5歳の女の子は、なんてしっかりとしたお子さんなんでしょう!
 こうやって自分で自分の演奏技術をしっかりとみつめながら日々のレッスンをしているなんて、
なかなかのお子さんだと思います。
 親は、つい自分の子どもを、「まだ小さいから」、
「そこまでの経験を積んでいないから」と
見くびってしまっているんでしょうね。
 親が思っている以上に、
子どもは、
成長しようとするパワーを備えているものだと感じる事例でした。

 


 








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