烏鷺鳩(うろく)

切手・鉱物・文学。好きな事楽しい事についてのブログ

使用済み切手を楽しむ:分類篇

2019-05-12 | 切手


ツバメの歌声が聞こえる。
青葉は目にまぶしく、乾いた風が爽やかに吹き抜ける。
五月。


「さあ、使用済み切手の森へ探検だ」


というわけで、今年もこの季節、どうしても心躍ってしまうのが、「切手剥がし」である。
なぜこの時期に、という方も大勢いらっしゃるだろう。
「スタンプショウ」が終わって、各ブースで手に入れた切手をひとまず整理し終える。すると、そこで手に入れた「使用済み切手どっさりパック」(個人的に命名)に手を付けたくなるのが、この時期、5月の休日というわけなのである。




今年、私が手に入れたのは、「スタンプショウ」の主催者ブースで行っている「使用済み切手つかみ取り」の切手ではない。このつかみ取り、スタンプショウの公式ガイドブックを購入すると参加できる特典イベントなのだが、今回、「おそまつさん」効果と「改元」効果が相まって来場者が激増。その為ガイドブックは初日早々の売り切れだったと聞く。
「使用済み切手つかみ取り」のできなかった私はしょんぼりしながら5階会場をめぐっていたのだが、その時に目に入ったのがケネディ・スタンプ・クラブさんの「使用済み切手どっさりパック」だったのである。

計量の結果、台紙・ビニール袋も含めて504グラムであった!
「これは大分切手剥がしが楽しめるぞ」
と、わくわくで袋を眺め、いつ始めようかとうきうきしていたのだ。
が、ここで焦ってはいけない。
なんせ、この量である。闇雲に剥がし始めたら、おそらく収拾が付かなくなる。
というわけで、冷静に今後の計画を考える。
そう、まずは大まかに分類するところから。




みたところ、ほとんどが普通切手のようである。それならば、発行年代ごとにまずはざっくりと分類してみよう。



「さくら日本切手カタログ2019」を片手に仕分けする。
平成切手の1994年シリーズが圧倒的に多そうだ。あと、わかりやすいのは2007年から2009年に発行された、日本郵政公社時代の切手である。
それから私の好きな1989年シリーズの「ヒオウギガイ・41円」と「オオイトカケガイ・62円」も結構見つかった。

袋から少しずつ取り出して、山を切り崩すように分類を続ける。
意外に多いのが1976年シリーズの「はにわの兵士」である。日本郵政公社時代にも「はにわの兵士」が同じ額面200円で発行されているのだが、「200」の字体が微妙に異なるのだ。そして、じっくり観察した結果、やはり1976年のはにわの兵士である。面白いことに、1994年の平成切手シリーズを併せて貼ってあるケースが結構多い。



1時間経過したところで、なぜか、「クウェート」の切手を発見!!



約2時間後には「カナダ」の切手が出てきたりする。




約2時間半後にようやく年代ごとの分類が終わる。
写真左下の山が、全て「1994年の平成切手シリーズ」である。相当な量だ。
割と色々な種類が見つかったのが「年賀切手」。年代も様々である。
実は、その他にも
「こりゃお宝じゃないか!!」
と、私が大喜びした切手が数枚見つかった。後日の続編にて是非ご紹介したいと思う!




年代ごとに分類した結果、1994年シリーズがものすごい数になった。
他の年代のものをチャック付きビニール袋に入れて、1994年シリーズを再度分類することにした。



図案ごと、つまりは額面別に分類するわけだが、ヤマセミが他を圧倒。
シオカラトンボ(8円)やミカドアゲハ(15円)、テントウムシ(18円)が発見されるも、極めて少数なので、コアオハナムグリ(10円)を別として「昆虫」でまとめる。
サギソウ(190円)やカタクリ(350円)など草花もちらほら見つかるが、こちらはカワラナデシコ(270円)と共に「花」で分類する。

1994年シリーズだけで1時間半を分類に費やした。
それにしても、ヤマセミの大群!!
ヤマセミは他の年代の切手と併用されるパターンも多かったので、実際にはこれよりもまだ増えることになる。



分類だけで合計4時間かかった。
1994年シリーズだけでご覧の量である



他の年代の分類がそれを若干下回る量。
大小併せて合計13袋に分類した。


普通切手を分類していて改めて分かるのが、デザインが良く考えられているということである。
当たり前といえば当たり前なのだが、今回の分類でそのデザイン性と機能性の絶妙な両立を、身をもって実感することができたのだ。
特に平成の1994年シリーズは、図案の昆虫、鳥、植物と、その背景にある斜めの色分けによって、ものすごく短時間で仕分けすることが可能であった。
つまり、色味によって直感的に、切手の額面を見分けられる仕組みになっているのだ。
なるほど、普通切手のデザインは良くできているのだなあ。


さて、今後少しずつではあるが、分類した切手を剥がすという作業をコツコツと続けていく予定である。
全て剥がし終わるのに、さていつまでかかるのか?!今後を乞うご期待!!