ここのところワクチン接種のドタキャンが続いた。以前から書いているように、薬液の封を切ったら24時間以内に使い切らないと捨てなければなりません。事前にキャンセルの電話でも入れてくれると急遽、他の順番待ちの人に電話をかけて、もしその方の都合さえつけばその人に回せるのになぁ~と思います。連絡がないとこちらはぎりぎりまでお待ちすることになり結局薬液が無駄になりかねません。どうやら他の医院さんにも予約(いわゆるダブルブッキング)をいれて接種が早いほうに行ってしまうようです。「重複予約だ」なんて怒りませんので「他でもう接種済みました」と一言電話くださると助かるのですが・・・(泣)。
ところが、ほどなくしてその老人だけがクリニックにもどってきた。「薬局で聞いたら予防的内服薬というのがあるというじゃないですか。それ、くださいよ!」と・・・。予防的の場合は自費ですがそれでもよろしいでしょうかと伺ったところ「あ~なんでもいいから・・・」と。ようやく処方箋をお渡ししてお帰りになった。帰った後、受付事務のスタッフから「カルテの住所ではあの方はお孫さんと住んでいるところは別のようです」と・・・。何だ~、ふだん一緒に暮らしているのではなさそうなのに随分、感染を気にされていたようである。ほとんど予防的内服も必要ないのに・・・。たぶんこちらの説明はほとんど聞いてなかったのだろう(疲)。これまたパニック現象でしょう。
普通なら、付き添いの人が「家庭での子供の療養上の注意はなんですか?」とかインフルエンザに罹患している子供の話をきいてくるのだが、このおじいさんは横で熱を出してウンウンいっている孫を尻目に「私はどーなるの? 私はこれからどーすればいいの?」と言う話に終始している。これは弱った。きちんと家に帰って療養担当者に申し送りができるだろうか心配である。子供の付き添いはやはり「猫のおつかい」では困るのである。不安ながらもきちんと説明してお帰りいただいた。
この前おじいさんとお孫さんが来ました。お孫さんが38.0℃の熱で検査をしたところインフルエンザA型が陽性でした。「たぶん今のA型は新型だと思いますよ・・」といったところ、おじいさんは「なに? 孫が新型? 実はワシは糖尿で薬を飲んでいる。感染したら大変だ。今すぐ新型のワクチンを打ってくれ!」と興奮気味に・・・。とりあえず優先接種対象者の証明書をもらってきてそれからこちらで予約して・・と大変な手間だからその治療を受けている病院にいくように告げた。
この前、若い女性の声で「新型ワクチンの接種はそちらでやっていますか?」と電話があった。「あっはい、やっていますよ・・」と答えたら、「あ~じゃあ私、予約入れてください。名前は・・・」と畳み掛けるよう予約をいれようとした。「まず、優先対象者の確認ですが?」との問いに「私は妊娠しているのよ!」と。 しかしながら妊婦さんは産科でのみ新型ワクチンの接種をすることになっていると告げたところ、「そんなこと知ってますよ。でも産科では順番待ちが長いからこうやってすぐ打てそうなところに電話してるんじゃない! ダメなら結構!」とブチッと電話を切られた。どうもパニックになっているようです。
通常、妊娠している場合はワクチン接種は禁忌である。しかし新型インフルエンザは妊娠している人がインフルエンザにかかると重症化しやすいといわれている。それで妊婦さんがこのような最優先接種対象者に指定された。ワクチンの添付文書からは接種禁忌者から妊婦が削除された旨が通知されてきた。しかし誤解してはいけないのは妊婦の接種が完全に安全になったのではないということです。妊婦接種における副反応の重大さよりも、接種しないでインフルエンザにかかる不利益のほうが上回っているため妊婦さんに接種することになったのですから。
その患者さんは「○○病院で3ヶ月に1度、薬をもらっている」と答えるので、「どのような病気で、薬は何ですか?」と再度聞いた。ところが「病気の名前は知らない、飲んでいる薬も知らない。薬局が知っているが自分はしらない」と・・・・。はぁ~これでは話がすすまないが、どうも大きな病気ではなさそうなので予防接種を行なった。ヤレヤレとおもったところ、「あれ?これは金をとるのか? 隣の区では全員ただだぞ」と。区によって補助内容は異なるとお話してもどうも納得されていないようである。予防接種とは本来任意なんですが・・・。でも自分の病名くらい覚えておいてほしいなぁ~(笑)。
せんだって高齢の男性がインフルエンザ予防接種の用紙をもって来院した。豊島区では高齢者には一律2200円の補助が出る。予防接種の前にはいろいろ問診があるのだが、「この用紙の内容はお読みになってきましたか?」と聞くと「あ 何? ぜんぜん読んどらん ワクチン打てと区がいうから来たんだ」と・・・。しかたがないので既往歴などをいろいろ質問した。「今、治療中の病気はありますか?」。 すると・・・。
早いものでもう12月です。今年は結局、通年して毎月インフルエンザ患者の発生を診ていたことになります。特に普段なら絶対ありえない8月にも後半には結構の人数を診たような気がします。しかし11月は季節性インフルエンザワクチンの接種だけでなく新型ワクチンの接種、またいつも通り介護認定会議の準備、そしてレセプト業務、はたまた個別保険指導まで入り、多忙で頭も混乱しました。しかしこんなに多忙ながら定期通院患者さんが増えているわけではないので実収入はあまり変化ありません。まだまだローンが厳しい毎日です。とほほほ・・・(泣)。