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Riezoの旅、映画、音楽等のBlog。

Temple de la Sagrada Familia(サグラダファミリア聖堂)

2005-08-28 01:25:44 | travel
長い1日はまだまだ続きます。歩いて探検をし続け、やっと見えた鐘楼を目指し、さらに歩く。地下鉄の駅にして5~6駅くらいの距離を歩きやっとたどり着いた。

 バルセロナといえば、これ。temple de la Sagrada Familia(サグラダ・ファミリア)。コーヒーのCMでおなじみの方も多いのでは?

 1882年に着工。そして1883年に前任者の辞任に伴い当時31歳だったガウディが引き継いだ。完成までに200年を要するといわれているこのサグラダファミリアは現在もまだ建築途中。そして、修復も同時に行われている。私のthis life timeでは、完成を見ることができなそうだ。写真には片側の鐘楼4本のみしか写っていないが、現在は8本完成。最終的には18本がそびえる予定らしい。キリストの誕生を描いた彫刻「御生誕の正面」、「御受難の正面」のみが完成していた。この彫刻の見事さと言ったら言葉では表現できない。圧倒され、ただただ言葉を失い、眺めているのが精一杯だった。

 中に足を踏み入れると、そこは聖堂というよりも工事現場のようだった。職人たちが働き、建築材料が山積みにされており、目の前に次の鐘楼のてっぺんにつけるもののような彫刻物が未完成の状態でおかれている。

 この聖堂の鐘楼には上ることができる。私たちもエレベーターに乗り込んだ。すると、係の人が、エレベーター代は通常と同じ200ペセタかかるが、下りてくるときは階段で下りてほしい。エレベーターの時間が終わるから、と言ってきた。私たちはそれを了承した。
 鐘楼と鐘楼の間に橋のようなものが見えると思う。そこを歩くとができるのだ。これ、ものすごく高いのです。鐘楼の高さ107メートル。そして、橋のような部分(歩けるところ)にはフェンスなどが張っていなく、手すりの高さは腰上5センチというところだろうか。バルセロナの街が一望できるすばらしい眺めと共に恐怖感が襲ってくる。幅も広くない。人がすれ違うときなんかはドキドキだ。この橋の上で恐怖のあまりしゃがみこんでしまう人もいた。人生の中でここまで足がすくむ経験を今までしたことがなかった。しかし、この橋って階段で下に下りなければならない。恐怖感と戦いながら、なんとか橋を渡りきった。そしてそこに待ち受けていた階段はなんとコレ!地上までの高さ数十メートルの螺旋階段。階段の幅は人が1人歩ける程度。手すりなし。階段を使う人がみんな壁に手をつくため、壁はピカピカ(テカテカの方がいいかな?)に光っていた。時々、階段を上ってくる人がいて、すれ違うために、ところどころにある溝のようなところでお互いに相手をまって移動し合った。
 地上にたどり着くまで私の足はすくみ続け、1階にたどり着いたときは、安堵感からなのかどっと疲れがでて、ぐったりしてしまった。足がガクガク震えて立っていられなく、浅リンにちょっと座って休もう、と言った。浅リンにも同じ症状が出ていたようだ。
 入り口のそばに置いてあったベンチに浅く腰掛け、だらしなく背もたれに寄りかかり鐘楼のてっぺんを見上げる。彫刻を1つ1つ眺め、上を見上げ、という行動を繰り返していた。出てくる言葉は「凄いね」だけ。歓喜に満ちた「凄いね」ではなく、ため息とともに出てくる「凄いね」だった。
 私はキリスト教徒ではないが、完成すらまだしていないこの聖堂でただならぬ何かを感じたことは確かだった。しばらくの間、動くことができなかった。

 日没が近くなってきたようだったため、私たちは重い腰を上げ、また歩き始めた。お土産屋さんでみつけたポストカードにはこんな絵が描かれていた。
 完成予想図だ。残念ながら、私がこの完成予想図のようになったサグラダファミリアを見る日は訪れることはないだろう。しかし、4年後、私がここを初めて訪れてから10年たった姿を見ることはできるかもしれない。120年ちょっとをかけて18本中の8本しか完成していない鐘楼。完成予想図には現在完成しているものよりもずっと大きい鐘楼が何本もたっている。
 サグラダファミリア聖堂が完成する日はいつやってくるのだろう・・・