トヨタの不正車検の記事がありました。その記事を読むと、日本のいけないところが浮き彫りになっていたので、皆さんに警鐘を鳴らしたいと考えて、取り上げてみました。
記事は、ベストカーwebの10月11日付けの「なぜ天下のトヨタが?元営業マンだけが知る不正車検の実態と原因」というものです。この記事では、トヨタなど、大部分のメーカーの車検では、SQ車検という通常数日間かかる車検を90分間という「短時間車検」の手順により整備スケジュールを組んでいるそうです。しかし、自動車整備にはイレギュラーが多く、時間内に処理したいと考えて不正を働いたというものです。
つまり、使用年数が長く、走行距離の多い車ほど、イレギュラーが発生する確率が高いことから、スケジュールどおりには処理できないことがあるにもかかわらず、トヨタの発表では、「決められた時間内に車検を終わらせることも目的となっていた。」そうです。
私は、それより、この記事へのコメントの中で、実際の整備士が指摘していたことが正解であると思いました。それは、車の生産について、コロナの影響で配車されず車両販売では利益が出ないので、サービスで利益を出せとか、整備単価を上げろとか、整備の効率をもっと上げろとか、上司などから指示されることが問題だと言っています。また、まともに昼休みもとれないとも言っていました。私の使っている車の販売店でも、秋に遠出のための点検を格安で行いますとか、案内が来ましたから、これだったのかと思いました。
それと、日本あるあるですが、記事の中では、営業社員と整備員との関係で、営業社員が整備員を下に見ているというのもありました。つまり、良好な連携がとれていないのですよね。公務員にしろ、会社員にしろ、対外的に活動する職員が会計などの事務職員を馬鹿にする傾向があります。本当は、会計をきちんと処理し、かつ、営業職員が働きやすいように、資金の裏付けをきちんとして対応することが会社を円滑に運営するポイントでもあると思うのですが、特に、男性職員では、そのような傾向が強いですね。この傾向は、日本では治らないのではないかと思います。上司が配慮して、常々、事務職員の気持ちをカバーするようにしないと、うまくいかないと思います。
今日は、トヨタの不正車検に日本の職場の縮図を見た気がして、その問題点である、誤った目的意識、業務運営についてのイレギュラーを考えない、効率を進めてしまうずさんな計画、事務職員を馬鹿にする風潮の3点を指摘したいと思います。
日本の会社などは、右肩上がりの営業成績ばかりを求めますし、最悪でも、赤字を回避しようとします。そのようなことがあるわけないでしょう。私からすれば、愚かとしか言い様がありません。そのための内部留保ではないのでしょうか。特に、製造業では、不具合が発生しますし、賠償などの金額が大きくなることもあるでしょ。それに備えて、安心して働けるということが主眼となるべきです。人を中心に考えるべきですよね。
そして、私のブログに訪れた人が、誤った行動をとらないように祈っています。