(1)公地の税収の変化
人頭税から、土地税への変化
【班田収受の崩れ】
・荘園の増加で、公地そのものが減少した。
・戸籍制度が崩れ、税をかけるべき労働年齢の男子の数が把握できなくなった。
【公営田・勅旨田】
荘園の増加で、残った僅かな公田からの収入だけが、国司・朝廷の財源となった。
口分田からの税収が入らない為、823年に国の直営荘園が設置された。
それを公営田、官田という。
それとは別に、天皇家の荘園として勅旨田があり、
荒廃した土地を開墾し、国司が管理、経営していた。
【土地税への変換】
公地公民制では、男子への課税であったが、土地に課税することで、
老若男女全ての人から、徴収することができるようになった。
土地に税をかけるにあたって、「名」と「田堵」制度ができる。
・田堵(たと) -----土地にかけた税の負担責任者で、指導的立場の農民。
次第に、一族が世襲した口分田を集めて、農業経営をするようになる。
・名(みょう) -----土地税をかける田の単位
・大名田堵(だいみょうたと) ----大規模な「名」の代表田堵で、有力農民。
大規模荘園内にも、大名田堵はいた。
受領は、地元の有力農民である田堵(たと)に、受領が管理する土地の耕作を
請け負わせ、租庸調に匹敵する、独自の税を徴収した。
国司が、祖の税率を高めて徴収し、それで庸・調を買って調達し、
中央朝廷に、租庸調として収めていた。
税-----官物(かんもつ)または年貢(ねんぐ)
庸役---臨時雑役(りんじぞうやく)
しかし、僅かな口分田・直営田から、国の税を取ろうとする為、
国司からの厳しい税徴収に耐えかねた農民が、どんどんと荘園に逃げ込む
悪循環がおこった。
(2)荘園内の税制
荘園内にも、独自の税収制度が成立していく。
・名(みょう)--------土地区分の単位
・名田(みょうでん) -------荘園内の、農民自身の名前をつけた土地
・名主(みょうしゅ) -------名田を持つ農民
・大名主 -------農民である名主の中でも、大規模な土地経営する名主のこと
・「荘官」---------荘園内の名を管理、徴税する役人
藤原北家←荘園主←荘官←大名主(大規模小作人)←名主(小地主)←小作人(農民)
また、荘園内でも、荘民に対して租庸調に匹敵する、独自の税を徴収するようになる。
年貢(ねんぐ)・・・租と同じ、米を出す
公事(くじ)・・・・調と同じ、特産物を出す
夫役(ぶやく)・・・雑徭と同じ、労働力を出す
(3)王朝国家への変換
大化の改新以来、戸籍台帳を元に、男子に対して税を課していたのが、
国司の怠慢や荘園への逃げ込みで、戸籍の虚偽が横行し、役に立たなくなった。
農民の人数を把握して、税を課すこ人頭税に無理が生じた為、
平安中期には、土地面積に対して課税する土地課税体系に変わっていった。
こうした階級的な支配体制を、「律令国家」と区別して、王朝国家とよぶ。
(3)武装化する農民
国司が仕事をしなくなり、私腹の為の取り立てに耐えかねた農民が、
荘民になったり、盗賊になったりし、地方の治安が悪化していった。
治安が悪化すると、ますます中央貴族は、自分で赴任せずに、受領まかせと
なり、地方政治の乱れは加速していく。
荘園の奪い合いや、盗賊からの自衛の為、郡司や荘主が、一部の農民に
武器を持たせて自衛団をつくっていった。
それが、武士団となり、次第に由緒ある家に武力が集結していくようになる。
人頭税から、土地税への変化
【班田収受の崩れ】
・荘園の増加で、公地そのものが減少した。
・戸籍制度が崩れ、税をかけるべき労働年齢の男子の数が把握できなくなった。
【公営田・勅旨田】
荘園の増加で、残った僅かな公田からの収入だけが、国司・朝廷の財源となった。
口分田からの税収が入らない為、823年に国の直営荘園が設置された。
それを公営田、官田という。
それとは別に、天皇家の荘園として勅旨田があり、
荒廃した土地を開墾し、国司が管理、経営していた。
【土地税への変換】
公地公民制では、男子への課税であったが、土地に課税することで、
老若男女全ての人から、徴収することができるようになった。
土地に税をかけるにあたって、「名」と「田堵」制度ができる。
・田堵(たと) -----土地にかけた税の負担責任者で、指導的立場の農民。
次第に、一族が世襲した口分田を集めて、農業経営をするようになる。
・名(みょう) -----土地税をかける田の単位
・大名田堵(だいみょうたと) ----大規模な「名」の代表田堵で、有力農民。
大規模荘園内にも、大名田堵はいた。
受領は、地元の有力農民である田堵(たと)に、受領が管理する土地の耕作を
請け負わせ、租庸調に匹敵する、独自の税を徴収した。
国司が、祖の税率を高めて徴収し、それで庸・調を買って調達し、
中央朝廷に、租庸調として収めていた。
税-----官物(かんもつ)または年貢(ねんぐ)
庸役---臨時雑役(りんじぞうやく)
しかし、僅かな口分田・直営田から、国の税を取ろうとする為、
国司からの厳しい税徴収に耐えかねた農民が、どんどんと荘園に逃げ込む
悪循環がおこった。
(2)荘園内の税制
荘園内にも、独自の税収制度が成立していく。
・名(みょう)--------土地区分の単位
・名田(みょうでん) -------荘園内の、農民自身の名前をつけた土地
・名主(みょうしゅ) -------名田を持つ農民
・大名主 -------農民である名主の中でも、大規模な土地経営する名主のこと
・「荘官」---------荘園内の名を管理、徴税する役人
藤原北家←荘園主←荘官←大名主(大規模小作人)←名主(小地主)←小作人(農民)
また、荘園内でも、荘民に対して租庸調に匹敵する、独自の税を徴収するようになる。
年貢(ねんぐ)・・・租と同じ、米を出す
公事(くじ)・・・・調と同じ、特産物を出す
夫役(ぶやく)・・・雑徭と同じ、労働力を出す
(3)王朝国家への変換
大化の改新以来、戸籍台帳を元に、男子に対して税を課していたのが、
国司の怠慢や荘園への逃げ込みで、戸籍の虚偽が横行し、役に立たなくなった。
農民の人数を把握して、税を課すこ人頭税に無理が生じた為、
平安中期には、土地面積に対して課税する土地課税体系に変わっていった。
こうした階級的な支配体制を、「律令国家」と区別して、王朝国家とよぶ。
(3)武装化する農民
国司が仕事をしなくなり、私腹の為の取り立てに耐えかねた農民が、
荘民になったり、盗賊になったりし、地方の治安が悪化していった。
治安が悪化すると、ますます中央貴族は、自分で赴任せずに、受領まかせと
なり、地方政治の乱れは加速していく。
荘園の奪い合いや、盗賊からの自衛の為、郡司や荘主が、一部の農民に
武器を持たせて自衛団をつくっていった。
それが、武士団となり、次第に由緒ある家に武力が集結していくようになる。