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眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

好きなエッセイ本たちとその理由

2025-03-10 07:19:29 | 日々の雑記帳
3月9日(日)のあさ空。もう、随分と左に逸れて、桜島からの日の出とはならず、ちょっと寂しい気分です。でも、こんな風に毎日の日の出も日々動いていて同じものはないんだなと気がつくのも、晴耕雨読の暮らしをしている気分になります。え? あなたは畑では働かないだろうって? はい。その通りです。私の晴耕は料理作り。だって、作りたくないときだってあるけど(体調が今ひとつで)、がんばって日々、作ってますもの。勤勉なあたくし(笑)

今日も海と空が溶け合っています。


先日、「徹子の部屋」に作家の林真理子さんが出演していらしたので、拝見しました。私の好きな作家さんのおひとりなので、わくわく。昨年、古希を迎えたそうですが、50代前後くらいから印象が変わらないのは、やはりすてきだなあと感心してしまいます。日大の理事長として、マスコミから叩かれ、難しい局面も乗り越えて、とても多忙な日々を過ごしていらっしゃるようでした。

私はエッセイがとても好きで、好きなエッセイストの方がたくさんいらっしゃるのですが、林さんのエッセイはやはりとても魅力的で、女性誌の連載もよく拝見していました。林さんはご自身で描くイラストも添えていらっしゃって、それがかわいくて、楽しみのひとつに。林さんの努力を怠らず、楽しみを怠らず、欲望を隠しきらず、キラキラでドロドロの人生をうまいさじ加減で描くエッセイは魅せられます(どんな表現なんだ?)。

エッセイと言えば、NHKの大河ドラマ「光る君へ」を書かれた大石静さんのエッセイも好きだったし、檀一雄さんを父に持つ壇ふみさんと、阿川弘之さんを父に持つ阿川佐和子さんの往復エッセイ「ああ言えばこう食う」もとても印象的でおもしろかった。おふたりともさすがに作家のDNAを持つ巧みな文章を書かれていましたが、私は特に壇ふみさんのエッセイが好きで、「ありがとうございません」はよく覚えています。男性では中島らもさんのエッセイがうまい人だなあと感心して読んでいました。早くに亡くなったのは本当に残念で、おもしろいだけではない、なかなか書けない才能を感じていました。

好きな方はほかにもたくさんいますが、やはり、ダントツに好きなのは向田邦子さん。鹿児島にもゆかりのある作家さんで、大石静さんと同様に脚本家で、のちに小説家として活躍されたけれど、向田さんも早くに亡くなって、もっと作品を拝見したかったと思っています。エッセイも小説も人間関係の中でざっくりと人の愛憎や嫉妬を描き取る手腕は、向田さんならでは。

向田さんの作品はテレビでもよく拝見しましたが、1979年のNHKの土曜ドラマとして放送された「阿修羅のごとく」は特に印象的でした。加藤治子さん、八千草薫さん、いしだあゆみさん、風吹ジュンさんと、向田作品で活躍された女優さんの激突ぶりが印象的で、特にいしだあゆみさんの演技に心惹かれたことをよく覚えています。使われた音楽も本当に印象的でした。メヘテルハーネ「ジェッディン・デデン」に魅了された方も多かったと思います。どうしてトルコの軍楽を使おうと思われたのか、経緯は知りませんが、いまだに忘れられないドラマの重要なファクターだと思えます。

そういえば、今年、Netflix版ドラマ として「阿修羅のごとく」が再ドラマ化されて、宮沢りえさん、 尾野真千子さん、 蒼井優さん、広瀬すずさんが四姉妹を演じ、松坂慶子さんが母親役をなさったようですね。残念ながら拝見できないのですが、いい役者さんがそろっていて、見ごたえがありそうです。

ひる空。かすみつつも晴天。

ゆう空。夕日が海に溶け込む姿を見に行きたい。

私がエッセイやインタビュー番組が好きなのは、やはり、ライター業をしていたサガかなと思ってみたりします。もちろん、細かい策略で構築された虚構でしか描けない世界もありますが、取材ライターはうそが書けないという仕事だったからというのが好みの背景にあるのかと。取材で「こういうことを語らせたいな」と思ったとしても、ご本人が語っていなければ。絶対に書いてはいけない。憶測も書けないし、事実しか書けない。だから、事実が聞きたい。読みたい。インタビューはその人が語っている安心感があるし、エッセイもそう。その人が見えるのが好き。暮らしの手触りが好き。

私などはしがない地方のライターでしたが、そんな私でも私が書いたものに対して、「私が言いたいことのすべてを書いてもらえていて感動しました。どうしてあの内容であそこまで書いてもらえたんでしょうか?(十分に語れなかったのに)」と言われることがあって、そういう瞬間は本当うれしかったなと。そこは虚構ではなく、その方の語りの裏側まで読み取る技術だと思いたい(笑) ちゃんとご本人さまに確認はしながらインタビューはしてましたよ(言い訳?) ちょっとしたお店の取材でも「Rさん(私のこと)に書いてもらうと、ほかの人と全く違う」なんて言われて舞い上がることも(もちろん、心の中でひそかに)。親から「おまえは頭が悪い」と罵られて育てられたので、ちょっと褒められると本当にうれしかったのでした(単純なあたくし)。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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むかし (シャイン)
2025-03-10 10:34:57
確か、ほんの数回ですが、
取材してもらって(内容は様々でしたが)
話したことが すごく簡潔に
良い文章になっていたっていう記憶があります
そのたびに、ライターってお仕事はスゴイなと思いました。
私は小さい時から、父が文章を書くことにちょっとうるさかったので
作文など文章を書くことを鍛えられたせいか
何文字以内にまとめようとか
感想文をかく とか
お知らせおねがいなど広告文を作る とか
文章を書くことが嫌いでなくなりました
reicobaさんのブログも読みやすくて楽しいです!
返信する
こんにちは。 (reicoba)
2025-03-10 14:37:53
>シャイン さんへ
>むかし... への返信
ライターさんも相性というか、意思疎通をしやすい方とそうではない方がいらっしゃる気がしますね。私も何度か取材されたこともあるんですが、「いや。こんなことは言っていないんだけどなあ」と、びっくりするほど、違う内容に書き換えられていて、驚いたこともあります(^_^;) シャインさんはライターさんとすてきな出会いをなさったようでよかった~(^^)/

シャインさんはお父様のご指導で文章を書くことを磨いて来られたんですねー。小さいときは大変な思いをなさったとしても、役立つことを身に付けさせてくださったこと、とってもすてきですね♪
返信する
Unknown (aska)
2025-03-10 15:47:53
アピールチャンスで拝見しました。
文章を書くのは難しいですね。
読書はほとんどしたことがないのですが、
7年ほど前にホームページのサイトが閉鎖されたので、
ブログを始めましたが、どんな書き方をすればよいのか悩んで、
下記のようなエッセー本を買って読んでいました。
 ・ 向田邦子著「父の詫び状」
 ・ 幸田文「父・こんなこと」
 ・ 森下典子「日日是好日」
 ・ 曽野綾子「夫の後始末」
 ・ 阿刀田高「日本語の冒険」
 ・ 又吉直樹「第2図書館補佐」
また読み直してみようかと思ってます。
文章書きにお奨めの本があればまた教えて下さい。

最近は、家内が買ってくる『週刊文春』で林真理子さんの連載エッセー
「夜ふけのなわとび」を読んで軽妙な文章やネタづくりを勉強してます。
また、「阿川佐和子のこの人に会いたい」の対談も楽しめて、佐和子さんの
最後の「一筆御礼」のまとめ方もうまいなと思ってほぼ毎週読んでます。
伊集院静さんの「悩むが花」もずばっとした切れ味の良い回答に教えられましたが、
今は、後任の上沼恵美子さんの「白黒つけましょ」も展開の妙に感嘆しています。

現役の時は週刊誌もほとんど読んだことがなかったのですが、
最近はほぼ毎週のように『週刊文春』の連載ものを読むようになりました。
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こんばんは。 (reicoba)
2025-03-10 18:06:44
>aska さんへ
>アピールチャンスで拝見しました。... への返信

ご訪問とコメントをいただきましてありがとうございます。ご紹介いただいたご本は私も好きな本ばかりで、現在、読んでいらっしゃる連載ものもよいものを読んでいらっしゃって、十分に勉強なさっていると思います。私は大学時代に夜間の専門学校で現役の小説家の方に指導をいただいたり、芥川賞の候補になった作家の方のもとで勉強したこともありますが、総じて、細かいところでの指摘を受けたことがなく、みなさんがおっしゃったのがとにかく、「書き続けなさい」ということでした。書き続けることで自分のスタイルや書きたい文章も磨かれるということなのかなと思います。

ブログをはじめてから20年近くになりますが(別ブログで)、昔は総数が少ないので、すぐに多くの反響があったものの(1日に2000人くらいの人が来ていました)、今はとにかく猫も杓子もなところがあるので(笑)、バズる内容を書かないと反響がないという面があるように感じます。ブログをどんな位置づけとして考えるかがありきかとは思いますが、私の個人的な好みで言えば、わかりやすい文章で、書き手の日々の暮らしの手触りが感じさせられるその人ならではの自由な文章が魅力的だなあと思っています。
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