「ほれ明、説明書。見るのここだけでええしな」
恐らくこのゲームの物であろう箱から薄い取り扱い説明書を取り出し、
あるページを開いて俺に差し出す明日香。
「どうも」
それを受け取り、ここだけでいいらしいそのページを見てみる。
ページのタイトルは操作方法。って、そりゃまあこれさえ解れば大丈夫なんだろうけど……
「ほなギターは引き続きうちでええかな?」
「…他にできるやつが居ないからな」
「初心者は初心者同士で組ませてもらうわ」
とのことなので、寛はギターをやったことがなく、岩白も初心者らしい。なんとなく、ほっ。
で、クロを抱いてるあいつは……論外だな。
「はぅあぅあ~……なんだか、あったかすぎて眠くなってきましたぁ~……」
クロを腕に抱いたまま、極楽とでも言わんばかりの表情なセン。
心音でクロを寝かせてみるとか言ってなかったっけ。何故お前が寝る。
「というわけで、私にも見せてよ日永君。後でやらせてもらいましょ」
「ん、ああ。けど、ドラムとギター、どっちがいい?」
説明書を見る限りは、ギターのほうが楽そうだ。ボタン少ないし。俺、ギターがいいな……
「私、ドラムがいいな」
おや、すんなり別れたな。これはちょうどいい。
「じゃあ俺がギターだな。……ん。なんだこれ? ウェアリングプレー?」
「ああ、それはやな」
耳慣れない単語に、誰にともなく疑問文を発すると、明日香が説明を開始した。
「こういうんや」
説明終了。言葉だけだと意味不明だが、明日香はギター型コントローラを縦向けにしていた。
つまり、パフォーマンスみたいなものか?
「私、あれがちょっと恥ずかしくてね。それでドラムにしたんだけど」
つまりこの、ウェアなんちゃらが嫌ってことか。うん、俺も嫌だ。
思い返せば、明日香があんな感じのポーズを取るたびに画面からワーワー聞こえてたような。
「明日香、これでええかな?」
「ロングか。まあ二人説明書見てるし、ちょうどええかな」
また何かよく解らん単語が。
「ロングってなんだ?」
「…長い曲だ」
どうも。
「ほんじゃ行くで?」
「オッケイ!」
「恥ずかしいし、歌わんとってな?」
「保障はできへんな! にゃっはっは!」
二曲目、ロード中……コーラをコップに注ぐ。
「…俺にも注いでくれ」
「あいよ」
「あ、私にも」
「どうぞ」
こういうのは一番最初に手をつけたやつが注ぐ係りになるという……多分。
「…センさんは」
思いがけず呼ばれたセンが、ビクリと体を震わせ反応した。本気で寝かかってたなこいつ。
まあ、ホントに寝てたら呼ばれたくらいじゃ起きてくれないけど。
「はわぁっ。あ、わたしは結構です。……あれ、クロちゃん?」
目が覚めると同時に、何やら異常を察知したらしい。
視線を胸元のクロに落として、腕を軽くゆする。
「どうしたの?」
「……クロちゃん、寝ちゃったみたいです」
おや、成功したのか。よかったじゃないか。
「か、可愛い……」
とセンの顔がだらしなくなったその時だった。
「みっぎってっはっそっらへー! ひだーりてっはっうっみっへっすてー!」
明日香が吼えた。可哀想に、その咆哮でクロがびっくりして目を覚ましてしまう。
さあ、可哀想なのは寝付いたクロを愛しそうに眺めた途端に起こされたセンか、
いつから寝てたかはしらんが気持ちいい安眠を妨げられたクロか、どっちでしょう?
どう考えてもクロだな。毎回毎回可哀想に。
「…そんなに大声で歌う曲でもないだろうに」
だそうだ。しかしそれ以前に、
俺にはテレビから聞こえてくる声が何を言ってるのかさっぱり解らない。
意味が解らないんじゃなくて、歌詞が聞き取れないのだ。
日本語だよなこれ?
「恥ずかしいからやめてって、いっ、とんのにー」
どっかどっかどっかどっかどっかどっか(以下暫らく繰り返し)
「おにっさんっ! こっちーらてーのなーるほーおへー!」
聞いちゃいねえ。
「あ、クロちゃんがあくびしましたよ! かか、可愛い~!」
お前も少しは懲りろ。
恐らくこのゲームの物であろう箱から薄い取り扱い説明書を取り出し、
あるページを開いて俺に差し出す明日香。
「どうも」
それを受け取り、ここだけでいいらしいそのページを見てみる。
ページのタイトルは操作方法。って、そりゃまあこれさえ解れば大丈夫なんだろうけど……
「ほなギターは引き続きうちでええかな?」
「…他にできるやつが居ないからな」
「初心者は初心者同士で組ませてもらうわ」
とのことなので、寛はギターをやったことがなく、岩白も初心者らしい。なんとなく、ほっ。
で、クロを抱いてるあいつは……論外だな。
「はぅあぅあ~……なんだか、あったかすぎて眠くなってきましたぁ~……」
クロを腕に抱いたまま、極楽とでも言わんばかりの表情なセン。
心音でクロを寝かせてみるとか言ってなかったっけ。何故お前が寝る。
「というわけで、私にも見せてよ日永君。後でやらせてもらいましょ」
「ん、ああ。けど、ドラムとギター、どっちがいい?」
説明書を見る限りは、ギターのほうが楽そうだ。ボタン少ないし。俺、ギターがいいな……
「私、ドラムがいいな」
おや、すんなり別れたな。これはちょうどいい。
「じゃあ俺がギターだな。……ん。なんだこれ? ウェアリングプレー?」
「ああ、それはやな」
耳慣れない単語に、誰にともなく疑問文を発すると、明日香が説明を開始した。
「こういうんや」
説明終了。言葉だけだと意味不明だが、明日香はギター型コントローラを縦向けにしていた。
つまり、パフォーマンスみたいなものか?
「私、あれがちょっと恥ずかしくてね。それでドラムにしたんだけど」
つまりこの、ウェアなんちゃらが嫌ってことか。うん、俺も嫌だ。
思い返せば、明日香があんな感じのポーズを取るたびに画面からワーワー聞こえてたような。
「明日香、これでええかな?」
「ロングか。まあ二人説明書見てるし、ちょうどええかな」
また何かよく解らん単語が。
「ロングってなんだ?」
「…長い曲だ」
どうも。
「ほんじゃ行くで?」
「オッケイ!」
「恥ずかしいし、歌わんとってな?」
「保障はできへんな! にゃっはっは!」
二曲目、ロード中……コーラをコップに注ぐ。
「…俺にも注いでくれ」
「あいよ」
「あ、私にも」
「どうぞ」
こういうのは一番最初に手をつけたやつが注ぐ係りになるという……多分。
「…センさんは」
思いがけず呼ばれたセンが、ビクリと体を震わせ反応した。本気で寝かかってたなこいつ。
まあ、ホントに寝てたら呼ばれたくらいじゃ起きてくれないけど。
「はわぁっ。あ、わたしは結構です。……あれ、クロちゃん?」
目が覚めると同時に、何やら異常を察知したらしい。
視線を胸元のクロに落として、腕を軽くゆする。
「どうしたの?」
「……クロちゃん、寝ちゃったみたいです」
おや、成功したのか。よかったじゃないか。
「か、可愛い……」
とセンの顔がだらしなくなったその時だった。
「みっぎってっはっそっらへー! ひだーりてっはっうっみっへっすてー!」
明日香が吼えた。可哀想に、その咆哮でクロがびっくりして目を覚ましてしまう。
さあ、可哀想なのは寝付いたクロを愛しそうに眺めた途端に起こされたセンか、
いつから寝てたかはしらんが気持ちいい安眠を妨げられたクロか、どっちでしょう?
どう考えてもクロだな。毎回毎回可哀想に。
「…そんなに大声で歌う曲でもないだろうに」
だそうだ。しかしそれ以前に、
俺にはテレビから聞こえてくる声が何を言ってるのかさっぱり解らない。
意味が解らないんじゃなくて、歌詞が聞き取れないのだ。
日本語だよなこれ?
「恥ずかしいからやめてって、いっ、とんのにー」
どっかどっかどっかどっかどっかどっか(以下暫らく繰り返し)
「おにっさんっ! こっちーらてーのなーるほーおへー!」
聞いちゃいねえ。
「あ、クロちゃんがあくびしましたよ! かか、可愛い~!」
お前も少しは懲りろ。
と言うことで、ブックマークに出演曲を追加してみました。
サインアップが必要な所で申し訳ないですが、
(確か必要な筈)
気になる方は覗いてみてください。