CAVALIER WORD ~無頓着な言葉~

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相続税 基礎控除引き下げを検討

2010-11-12 22:53:20 | 税法
 政府税制調査会が2011年度税制改正において相続税の基礎控除額を引き下げる方向で調整に入りました。

 現在、相続税の基礎控除額は5,000万円+法定相続人の数×1,000万円となっています。したがって、最低でも相続時における財産評価額が5,000万円以上ないと相続税が課税されません。
 よくモデルケースとなる両親と子供2人の家庭の場合は、配偶者と子供2人が全て法定相続人に該当し、基礎控除額は5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円となります(このケースで子供2人にさらに子供(死亡者=被相続人からみて孫)がいても法定相続人は3人のままです。孫は法定相続人に該当しません。ただ、孫が法定相続人になる場合が必ずしもないわけではありませんので、個々の事情は詳しい方にお尋ねください)。
 この基礎控除額が大きいため、相続税の課税対象となる相続件数は全体の約4%(2008年は約4.2%)となっています。

 相続税の計算方法は、まず財産評価が行われます。
 この「財産」ですが、ぱっと思いつくものとしては、土地、建物、現金などがあげられるかと思います。その他にも有価証券(株、国債など)、被相続人が保険料を負担した受取保険金、絵画、骨董品なども該当します(生前贈与加算、相続時精算課税制度などもありますが、ここでは割愛します)。これらの財産については個々に評価額を計算します。基本的には評価額=時価ですが、納税者に有利なように時価よりも安く評価されるものもあります(例えば土地)。
 これらの評価額の合計から先程の基礎控除額が減額され、その金額に税率を適用して「相続税額の総額」が計算されます。したがって、評価額の合計が金額的にかなり大きい基礎控除額を超えなければ相続税は課税されません。
 そして、「相続税額の総額」を各相続人の相続割合に応じて配分し、そこから配偶者の税額軽減や障害者控除、未成年者控除などが控除されて納付する相続税額が計算されます。

 税収の増加を図る目的から、課税対象となる相続件数を6%程度に引き上げるのでは、との見方がされています。
 担税力のある資産家からの増税を図るという観点からは理にかなっていると思いますが、新たに課税対象となる人たちの公平感を考慮して、基礎控除額の引き下げと併せとともに最高税率の引き上げ等も検討してはどうかと思います。



<2010年11月16日追記>
 相続税の基礎控除額ですが、現在の5,000万円の部分を2,000万円引下げ、「3,000万円+1,000万円×法定相続人の数」の方向で調整が進んでいるようです。

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