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Fate/stay night 第14話「理想の果て」

2006-04-23 | Fate鑑賞記
 エクスカリバーの時でさえため息をつかされているアニメ版Fateだが,今回だけは手放しでこう言いたい.「よくやった!」と.ってか,この14話目くらいの気合いを他の回でもやってほしかったくらいだ.

 序盤は,イリヤに捕まった士朗を救出するだけのシーンなんであまり大したことはなし.士朗救出もあっさり終わって,イリヤ城から抜け出そうとしたところに,イリヤとバーサーカーが現れたときの凛が逃げる時間を稼ぐために,アーチャー一人でバーサーカーの足止めを頼むときのやりとりに,既に涙を流す自分.中でも,

「時間を稼ぐのはいいが―別に,あれを倒してしまっても構わんのだろう?」

とアーチャー様が言ったときは,かっこよすぎだー,と卒倒しそうになってしまった.めっちゃキザな台詞なのに全然気にならない.原作の文字だけのときでもかっこよかったが,声になって聞くとよりかっこよさが増した感じだ.演技している中の人の器量や渋い声もかなり影響あるんだろうなぁ.最初はもっと若い感じの声の方がいいんじゃ? と思ったものだけど,ここにきて配役は間違ってなかったな,と思えたわ.

 アーチャー×バーサーカーの一騎打ちになってからは,これまでの戦闘シーンで不満であった動きや武器と武器がぶつかり合うときの効果音,また流れるBGMについて,嘘のように解消されていた.いや,もしかしたらアーチャー様のことをみんな好きで,ここだけ気合いを入れまくってるのかもしれんな.実際,今までと比べ物にならないくらい戦闘シーンに時間も割いていたし,この回だけ気合いが全然違うと見た!

 愛用の双剣で立ち合うアーチャーだが,バーサーカーの圧倒的な力の差に押され,傷だらけになりながらも諦めずに果敢に挑む姿は涙なしには見られないシーンだ.でも,一点だけイタイことやっちゃったなぁ,と思うとこが.屋外に出たときに,地盤が緩んで床の穴にバーサーカーを嵌めたシーンで,双剣出して呪文唱え出したと思ったら,なんか翼みたいなものに変わったシーンは,何か明らかにかっこよさというものを勘違いしていると思った.正直,そんなシーンは漢がやってもかっこよくないよー,と.どこかの腐女子向けと勘違いしないでくれ.

 そういえば,カラドボルクを投影してそれを矢に変えて放つシーンがあったが,まさかこれを見ることができるとは思ってなかったので嬉しかった.アニメ版では原作の1ルートしか扱ってないため,別ルートでしか見ることができなかったシーンだったために,サービスシーンかね.ってか,このアーチャー×バーサーカー自体,原作では結末だけが文章として語られるに留まっていたために,14話自体が全てサービスかもしれんか.

 バーサーカー相手に奮闘するも,力の差に追い詰められていくアーチャー.もう完全に倒れたとき,「もうダメなのかぁ」と流れるBGMもあって思ったのだが,しぶとく起き上がって戦おうとする姿なんか,もう輝かしい.そんなシーンで,伏線と思わせる台詞もチラホラと.イリヤスフィールをイリヤと呼ぶシーンなんか「それやっていいのかぁ?」と思ったわ.

 いよいよクライマックスというところ,最後まで戦おうとするアーチャーがバーサーカーに対して

「せいぜい手を抜け.その間に…あと2つは貰って行く!」

と言って持っていた双剣の一つを投げて明かりを消すシーンなんか,もはや鳥肌もの.台詞も皮肉めいていて,アーチャー様らしいし,そこから流れるBGMも原作で一番好きだった曲だし,少しアレンジ入ってるけどいい感じだったので余計に素晴らしすぎ!

「I am bone of my sword. (体は剣で出来ている)
Steelis my body, and fireis my blood. (血潮は鉄で、心は硝子)
I have created over a thousand blades. (幾たびの戦場を越えて不敗)
Unknown to Death. (ただ一度の敗走もなく)
Nor known to Life. (ただ一度の勝利もなし)
Have withstood pain to create many weapons. (彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う)
Yet, those hands will never hold anything. (故に、生涯に意味はなく)
So as I pray, unlimited blade works. (その体は、きっと剣で出来ていた)」


 出た! アンリミテッドブレイドワークス発動だよ! 固有結界によって周囲の景色が一変,剣が並ぶ丘へと変わっていくところなんか,興奮度が頂点に達してしまった.しかも,最後は「フッ」とニヤリと顔が笑うところなんかもかっこいい.もう見せ場だらけですがな.この盛り上がり方は異常じゃて.

「ご覧の通り,貴様が挑むのは無限の剣.剣戟の極地―恐れずして掛かって来い!」

と言って手近にあった剣を片手にとって,バーサーカーに突進していくシーンは,もう漢だ! としか言いようがない.もはや完全な死亡フラグ全開のため,かっこよさに酔いしれると同時に泣けてくる.って,さっきから泣ける泣ける言いすぎだな.でも,泣けるのだからしょーがなーい.

 場面がいきなり切り替わったかと思ったら,凛の手からついに令呪が消えてアーチャー様の死亡.このときも,突然カラスの群れが飛びさって羽が周囲に散らばるといった不吉さと,羽が凛についている令呪の箇所を一瞬かぶったかと思ったら令呪が消えているという演出.あざといと言っちゃあざといが,本当にすばらしい演出でした.

 エンディングも今回専用としか思えない,徹底したアーチャー様専用ぶり.徐々に光の粒子となって消えていくアーチャー様の服が完全に消えたと思ったら,凛が死にかけた士朗を助けたときに使った宝石が.もはや完全なネタバレですかいな.いや,こういう演出は大好きだ.もうこの14話でお腹いっぱいになったので,後はどんなにグダグダになっても,このアニメ化は神だったと思えるようになった気がするわ.

■今回一番の見所だと思ったところ:
 野暮なことは言わない.今回は全てがアーチャー様に捧げられた回なんだから,全部に決まってますがな.

■次回期待したいところ:
 バーサーカー編第2回目ってことで,セイバーの復活がどう描かれるのやら.原作ではエロエロシーンだっただけに,まんまなのか,何かしら表現を変えてくるのか…が気になりますな.

Fate/stay night(フェイト/ステイナイト) 公式サイト:
http://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/fate/

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