北口の銀座通りまわりを徘徊します
藤沢駅周辺のなかでは、かなり古くから街になってたゾーン。
ピンクで囲ってあるところの目抜き通り、「藤沢銀座通り」と称しまして、戦前からあった商店街ようです。
商店会のサイトによるとここでは「世界一大きい金魚すくい」が行われてるらしい。知らなかった・・
駅北口から北西を眺めた写真。右側の巨大な建物は前回紹介したデパートの「さいか屋」。
写真正面の建物の切れ目が歩道になってまして、この先に銀座通りがあるようです。駅からの視点となると少々気づきにくい方角かも。
デッキを降りた先はこんな感じ。さいか屋ビルの脇が通路になっとります。
長さ100mほどの短い道ですが、広々とした歩行者専用区間は歩きやすく、街路灯や舗装も洒落っ気が演出されていて、駅から銀座通りへの人の流れが意識されているようです。
南口が事実上の「表口」然としているなか、人通りもそれなりにあります。賑やか。
で、100mを歩くと右後方から車道(柳通り)と合流して交差点になります。
駅正面から続く歩道の動線と、駅北側を東西に走る自動車の動線が合わさり、ここから先の「銀座通り」を形成。
Y字路のような形になるのですが、土地を持て余しがちな鋭角部分は街路樹とベンチが整備されてますね……意匠が北口のデッキと似ているので最近の開発でしょうか。
炎天下の街歩きをしてるとこうしたベンチには助けられたりするものです。
普通に一休みできるし、休みがてらこれから歩くエリアを調べたりできるし、少し座りながら歩く人や過ぎる車をボーっと観察することもできるので・・
私は学生の身分でありつつ週に数度都心へ通勤しているのですが、最近は会社帰りに降りたことのない駅で降り、徘徊して街の様子を一通り知ったあとに手ごろな公園のベンチで30分ぐらいボーッとしていることがよくあります。
夜の公園で何もせず時に時間を任せていると、次第に自分がその空間に馴染んで(?)いって、自分はこの街の住人で、これから歩いてそう遠くない家に帰る……みたいな姿を容易に想像できるような心持ちになるものです
この先が銀座通りと呼ばれるゾーン。
駅からほど近い交差点の周りこそ5階建とかそれ以上の建物に囲まれてますが、基本的に低層ビルが並んでおります。沿道には藤沢が広域商業の拠点になる前からあったであろうこぢんまりとした商店とか飲食店、コンビニ、ファストフード店などが渾然一体に存在。
南口と比べると新しい店を出しやすいのか、明らかにここ十年以内にできたような雰囲気のお店も散見されます(写真右側に見えてる「484 Cafe」とか。)
街というもの(👈巨大な主語)、
①あるエリアAに商店や飲食店が集まり出して発展する
⬇︎
②時代の流れとともに別のエリアBが発展し始める
⬇︎
③エリアAの求心性が薄まる
⬇︎
④エリアAにある空き店舗や物件で新しいことを始める人が現れる
(エリアBは求心力が強いが地価/家賃が高くなかなか手が出せない)
みたいなサイクルが割とあるような気がしていて、まあそれだけじゃないんでしょうけども藤沢だと北口が①〜④の流れを経験したような香りがします。気がするだけですけども。つまり何が言いたいかというとですね、大きな街の中で何か新しい流れ(お店を出すとか活動を始めるとか)というのは、往々にして街の一等地ではなくその周り、そうした活動をする"余白"が存在する環境、空間においてなんですよね。
表通りに大資本のデカいビルとかチェーン店しかないようなイメージの街でも、少し裏に入れば思いのほか個人が始めた、その街固有の新しい何かを発見できたりします。街の新しい風は、中心ではなく辺縁から吹くという感じで……(?)
(と言いつつ、大資本が展開するチェーン店とかも実はチェーンごとや出店店舗ごとに特徴があったりしてそちらもなかなか奥が深いものではあるのですが。)
とか考えつつ銀座通りを北上。テンションの高い街路灯のデザインとか、色の淡い車道の舗装とかにどことなく""平成""を感じます。
どうやら平成元年に「モール化」が行われたらしいというのと、この通りの通称が「サム・ジュ・モール」らしいということを、記事を書きながら見ていた商店会のサイトで初めて知りました。ワオ
歩道の幅は人一人同士すれ違うのがやっとぐらいの幅、車道もちょうど対面通行できるぐらいの狭さ、地形に沿う形かゆる〜く蛇行する線形、どれをとってもこの道路の歴史の深さとか、区画整理の不在みたいなものを感じることができます。
なだらかなカーブで先を見通しきれない感じ、割と賑わいを感じられて好きではあります
沿道の電気設備の箱?(よくわからない)には昔の様子が掲示されていたり。
そういえば今の銀座通りは電線が地中化されてもいました。いずれにせよ今の景色と比べると「昭和の商店街」感がすっごい。
アーケードが取り外されたのも時代を感じます
銀座通りの沿道の面白さはもう一つ、迷路のような路地が沢山伸びていることで、こちらも緩やかな地形の起伏に呼応するように緩いカーブを描きながら、すっごく狭い道幅で縦横無尽に伸びております。かつては遊郭も近くに存在したらしい歴史があるゾーン。
現在は市街地としてというよりは住宅街然としてますが、それでもチラホラお店があって(今回は時間がなくて行けなかったけど)なかなかこちらも探索し甲斐がありそう。
目がアンチョビになってしまった人物画が掲げられているイタリア料理店があったりします。隠れ家風。
よく見るとこんな狭い路地まで石畳風の舗装をされてたりして、芸が細かいぞ藤沢。
どの路地もそれぞれいろんな表情があり、こちらは鳥居がデンと正面に聳えております。住宅と緑に囲まれた稲荷神社だそうで、ミニマムな敷地にいくつかの鳥居と狐像を携えておりました。
藤沢駅の北西側は、1本軸となる「銀座通り」に商店街が形成され、その周りは広く詰まった住宅街の中に個人店が点在する迷路のようなエリアでした。
昔の宿場から見れば南の外れ、駅から見れば北にあるこのゾーン、長い時間軸での街の変化に思いを馳せるとなかなか面白そうな地域です。もちろん、赴くままに歩いて路地の迷路っぽさやワクワク感を浴びながら歩くもよし。
ふところの広い藤沢銀座通り周辺でした。
この後は・・・南口を徘徊します。
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