ブログ・オブ・タナザキ

空想地図 多奈崎市を作っている人らのブログです

藤沢に行ってきた③ - 北口のデパートたち

2020-06-30 22:06:26 | 藤沢へ行ってきた
(続きです)

無事(?)藤沢駅に到着、
北口➡︎南口➡︎昔の宿場町、の順で散策しようと決め、まずは北口へ脱出。


2階のコンコースを出るとそのままペデストリアンデッキへ繋がる構造。
首都圏近郊のターミナル駅の多くに見られる造りをしていて、初っ端から首都圏民を安心させます。
私の出身の松戸、高校があった柏駅前も、いま住んでいる八王子にもデッキあるし

立派な駅前広場、それを左右に2つの巨大デパートが挟んでおり、
人通りも賑やかで活気があります。すばらC



写真左側の建物はJR藤沢駅。
1日あたり20万ほどの人が乗り降りする駅にしては華奢?

右側は87年にできたルミネ。
駅前に構える築30年以上選手のデパート群と比べると曲線を多用したり、
何かと時代が進んでからの建物だなあという感じです

駅前に大型商業施設が集中しているので、この調子で全部見ていきます
(館内ではほとんど撮影禁止なので撮っていませんが、全部入店もしている)

ちなみに「ルミネ」ときいて想起するのは新宿やら横浜やらの大都会にあるハイパービッグでJRを代表する大きなファッションビルかと思われますが(一般的に)、この藤沢ルミネは名だたる新宿・横浜・大宮・立川などの店舗と比べると小ぶりで、地域密着店舗といった雰囲気があります。服飾テナントの割合もそれらの基幹店と比べるとそこまで多くないです。

とはいえ駅直結で、駅ビル開発がもはや本業みたいなところがあるJR東日本の運営とだけあって、特に改札と同じフロアの2Fは賑わいがすげえかったです シウマイでおなじみ崎陽軒もある (というか藤沢には崎陽軒が3軒ある さすが)
南口のファッションビル・OPAにあったユニクロも最近ごっそりこちらに移転してきたようで、上層フロアがユニクロで占拠されていました。




百貨店の「さいか屋」は神奈川県の地場百貨店。ルミネと比べるとカクカクしている1978年の物件。ルミネと同様に展望エレベーターもある。

「さいか屋」の「さいか」は「雑賀衆」の「雑賀」らしくめっちゃ由緒正しい名前ですやん。さすが老舗百貨店。すごい。ところで和歌山市に雑賀町って地名があった気がします・こんなところで和歌山へ行ったことをを思い出してちょっと懐かしくなる。 と思ったら和歌山の中世の地侍集団の雑賀衆の末裔が開いた百貨店らしく、普通に関係ありました。

点と点がこんなふうに繋がる感覚が好きなのです
これだから旅行はやめられませんね(???????)


で、デパートという業態一般が非常〜〜〜〜に厳Cことはニュースでよく言われていますが、
この「さいか屋」においても例外でなく、デパートというよりショッピングモールのイメージがある廉価家具店や輸入食品の店など専門店比率を増やし、集客施設としての立ち位置を維持しているようです。

建物の内装は最近あまり手が入ってないのか、それなりに昭和末期〜平成初期レトロ(?)な雰囲気。エスカレーターの色がカラフルで目を引きます。
上層階のレストランフロア、床がレンガ調のタイル張りで、最近あまり見ないテイストなのでいった方がいいです(?)

ところでめっちゃ晴れていました。

晴れていると「絵になる」街の姿が記録できて好きなのですよね・・
((いや写真撮る人は普通に晴れが好きな人多いのでは まあ☺️))


北口の大型商業施設、最後はビックカメラ。

ビーックビックビックビックカメラ、の旋律で首都圏高崎水戸札幌新潟浜松名古屋京都大阪岡山広島福岡鹿児島のみなさまにはおなじみの家電量販店。ローマ字の塔屋が赤というよりもはやピンク色をしていて時間の流れを感じます。

ここ・藤沢店のビルは、もともと冒頭で紹介した「さいか屋」の初代店舗があった建物。「7・8F ジュンク堂書店」とデカデカと書かれた出窓とか、その少し下にある出窓とか、まあ上層階にある出窓が特徴ですね(基本的に物販の低〜中層は窓が少なく、ファミレスやら飲食が入りがちな上層階だけ窓がある、みたいなパターンが商業建築だと見られがち)

さいか屋の移転後しばらくは赤いカードの丸井が店舗を構えていましたが、スクラップ&ビルドで藤沢店閉店。その後にビックカメラが入居して今に至ります。

ちなみにこの建物は元々6階建てで、後から上に2層建て増ししてるらしいです。
↑で言及した「出窓」が最上階だけでなくその下にもあるのは、建て増しする前は最上階だった名残でしょうか。ともかく、背景が見えるようで面白いですね!!!!!!!。

んで家電だけじゃなくちゃっかり大型書店も上層階に入れているし、家電屋部分でも酒を売ってたりして、ビックカメラ、家電だけじゃなく、普通にワンオブ大型商業施設in藤沢 です。

〜〜〜〜〜
現在営業中の北口の店舗をまとめると、

・1965年に出店した百貨店
・1987年に出店した駅ビル
・2006年に出店した家電量販店

この3つ。

第2回の記事でも書いた通り、ファッションビル2棟&ディスカウントストア2棟&大型スーパー1棟ある南口と比べるとそこまで数は多くありません。

藤沢駅北口の真骨頂は、戦前から続く銀座通り、それとそこから伸びる細い路地、それらが織りなす戦前〜戦後、昭和〜平成〜令和と続く時代がゆるやかに作り出してきた街並みにある、かもしれません。

次回、北口銀座商店街の周辺を歩きます。

藤沢に行ってきた② - 藤沢という街

2020-06-30 00:39:28 | 藤沢へ行ってきた
町田から小田急に揺られること数十分、藤沢です。


到着と同時にものごっつ量の人が降りていきます
出口の改札がホームの先端にあるので、みな一つの方向に向かって歩いております。
人の量がすごい。周辺地域から人を掻っ攫う湘南のダイナミックな拠点としての「藤沢」を感じ、さっそく気持ちよくなります(?????)


上野駅(とか梅田駅とか昔の東急渋谷駅とか類例多数)にも似た、
線路の車止めが改札とか駅の通路を向いている様子。
「「「ターミナル駅」」」っぽさが無限に醸し出されてますやん


利用者に比してそこまで駅が広くないので、
電車が来るたびに改札前が若干の密です

さて藤沢の街、
下調べはしましたがどう回ろうか決めていませんでした

南口を先に見るか北口を先に見るか、
脳内地図で構想をこねくり回しながらホームを歩いていました。

ついでにここで、読者のみなさんにも
藤沢の街の大まかな形についてご紹介しておきます・・



(Open Street Mapを元に作成、一部の道路は省略しています)

細かい作図をサボったら昔の宿場町部分が宙に浮いてしまったのはともかく、
街の作りとして、北口にも南口にもある程度の繁華街が形成され、
大型商業施設(画像だと山吹色の施設)もどちらにも点在しているようです。

ものすごくざっくり言うと、
街の形成は北口の方が古く、南口の方が新しいです。
("新しい"と言っても高度成長期ぐらいの新しさだし、
ところどころで南口の開発よりも後に大規模な再開発が行われている
北口にも「新しさ」を見出すこともできそうです)

北口は(1kmぐらい離れた)元々の中心だった宿場町に近い側で、
戦前から商店街や歓楽街が形成されていつつ、
戦後の東京近郊の人口急増や藤沢駅の利用拡大に合わせて
昭和期は百貨店を建てたりバスターミナルを作ってみたり、
平成になって遊郭跡を再開発してみたりと、
時代に合わせてなだらかにアップデートが続きます。

一方で南口、こちらは北口と比べると発展が急速です。
かつては北口よりパッとしない裏口とも言えそうな側でしたが、
「都市拠点として整備するべく、(中略)商業、業務地区及び駅直近の住宅地区としての基盤整備を図るため」(市のサイトより)に、
藤沢駅前南部地区土地区画整理事業が実施されることになり、湘南の中心拠点に恥じない都市に成長させるべく、主に70年代から猛スピードで都市基盤の整備が行われることになります。


画像:「藤沢駅前南部地区土地区画整理事業」の範囲

ピンクのラインは、この区画整理の事業範囲を示すもの。
計画の名称からもわかるように、本事業はその区域が全て南口になっていて、北口は含まれていません。

駅前ロータリーや街区をつくる道路を整備し、
またこの際に複数のデパートやファッションビルも建設されています。
その勢いはなかなか怒涛、見ものです。

藤沢駅前の大型商業施設(など)のできた年表を見てみますと・・
は北口・薄茶は南口の施設)



1965年ビックカメラ(開業当初はさいか屋➡︎移転で丸井に転換➡︎丸井の閉店でビックに)
1968年:391街区ビル群(フジサワ名店ビルなど)
1970年:オーケーストア
1973年:オーパ(当時はデパート「十字屋」)
1974年:ODAKYU湘南ゲート(当初は江ノ電百貨店、のちに小田急百貨店に転換)👈江ノ電の駅の移設と高架化もこの際に行われています)、ダイエー、イトーヨーカドードンキホーテ(当時は田原屋)
1976年:志澤(のちに西武に転換、1998年閉店。デパート)藤沢プラザビル(東急ハンズ1号店もあった、現在は閉店)
1978年さいか屋(サンパールビル)(65年にできた旧店舗から移転)
1987年ルミネ
1996年:リエール(駅ビル。かつて江ノ電藤沢駅があった場所




散発的にできている北口の施設群と比べると、南口の大型商業施設は、最近になってできた(そしてかなり小さい)駅ビルのリエールを除けば1966年〜76年の10年間にすべてが開業しています。
今では考えられない怒涛の開業ラッシュ。迫力があります・・・


部分部分での再開発はありながら、基本的には戦前から脈々と続く集積・発展に身を任せた北口と比べ、行政主導の「整理」事業の基に一気に基盤が作られた南口
成り立ちの背景には結構なコントラストがあり、道路の広さや北と比較すると整然とした街区の形にそれが現れています。



南と北の対比をざっくり表現するとすると、

【北口】
戦前からじわじわと繁華街が形成されつつ、ときどき再開発でデカい建物がドーンと誕生
  ➡︎街路は細く込み入っていて、建物や施設もかなり新旧入り混じってる

【南口】
60年代まで裏口っぽかったところを一気に開発
  ➡︎街路はそれなりに整然としてて、建ち並ぶ建物の年代も割と均質

って感じですね!
地図にも景観にもよく見ると違いが現れているのですが、
こうした背景を知っておくと飲み込みがスムーズになり咀嚼が可能になります。


さて、藤沢のまちのアウトラインを軽くご紹介しました。
(誤りなどがあればゴメンナサイ・・)

藤沢駅でいろいろ考えていたRano氏も、北口の駅前広場がリニューアルしていることを発見し、北口から先に見て回ろうと決断したようです
次回から、実際に街に繰り出していきます・・




藤沢に行ってきた その1

2020-06-29 22:21:21 | 藤沢へ行ってきた
天気が良く、街分(まちぶん)を摂取したくなったのでお出かけを実行しました。

※街分:街の成分。
自分のまだ知らない街であればあるほどよい。



目的地は、江ノ島があることでSUPER有名な藤沢
湘南海岸を筆頭に観光で著名ながら、
市の人口は40万を大きく超えている藤沢市(関東有数、神奈川だと4位)

中心市街地は関東有数の繁華街として発展。
見知らぬ大都会を全身で浴びたかったので、ここしかないと思い訪問。
その様子を書き残しておきたいと思います〜〜〜〜


※九州旅行の記事も未完だったと思いますが(アアアアアアアア)
あちらの続きもいずれ書いていきますので宜しくお願いします〜〜


1. 準備をした

自宅の最寄りステーションから藤沢までは電車で1時間とちょっと。
主にこの時間を使って、藤沢という街に関する最低限の下調べをしまし

中心市街地を一通りみて回るのを精神的な生業としているので、
ひとまず藤沢の市街地の性格を探ってみます。

歩く前にだいたいの街のアウトラインを知っていて、
散策の際の参考にするのが第一の目的なので、
図書館に行って市史を漁るとかそこまでのアレはしませんですが…
(だいたいの図書館は某VID-19で閉館していたというのもある)


どんな街かざっくり知りたい、みたいな時に
わたしがよく用いている便利ツールは以下です

①Wikipedia
②twitter検索
③今昔マップ on the web
④地図・空中写真閲覧サービス
⑤市のサイト


①Wikipedia
ご存知フリー百科事典、インターネットの集合知の象徴のようなサイト。
誰でも編集可能なので割と間違った情報も平気で載ってたりして、
大学生がここを参考文献にレポートを書いてくるやれやれみたいな大学教員の方のツイートを半年に1回ぐらいのペースで見ることでもお馴染み。

とはいえ、そこそこあらゆることが同じような体裁で書かれているので、
例えば下調べの下調べ的なフェーズだったり、
興味のフックを見つける手段としてはかなり使えます。

ここの記述を流し見しつつ、気になった項目は参考文献を参照したりするぐらいの使い方だと、いい感じに調べものが捗る気がします。


②twitter検索
街の名前を検索ボックスに入力して、
検索フィルターを「フォローしているアカウント」に設定。

普段いろいろ街や都市のことを呟いているアカウントを複数フォローしているので、
フォロイーの方の知識や知見、
これまでのまちあるきの記録などを吸収できます。

藤沢も何人かの方が訪れていたようで、
検索で街のマニア的な必訪ポイントを知るなどできました。
やったぜ。


③今昔マップ on the web
http://ktgis.net/kjmapw/
埼玉大の教授が開設しているサイト。

昔の地形図をいくつかの時代ごとに参照でき、
時代ごとの街の中心がどこにありそうだとか、
この施設がいつ頃ここにできたか、とか、
街の時代ごとの変化の様子を読み取ることができます。



藤沢駅周辺は1970年代ごろの再開発によって
その姿をかなり大きく変え、かつ現在の街の姿のもとが形成された街ですが、
そうした街のこれまでの発展の履歴が見られる
街の履歴書的な使い方ができます。

首都圏近郊の同じように見える街でも、
江戸時代の宿場町がそのまま発展してできた街なのか、
それとも近世までの街とは全く関係なく急速にできた街なのか、
探ってみると成り立ちが結構違ったりしていて、
ストーリーのように読み解くのが面白かったりしまする


④地図・空中写真閲覧サービス(国土地理院)

今昔マップは地形図ですが、
こちらは昔の航空写真を閲覧できるサイト。
いろいろなサイトがあるものですね!!!!!

地図ではわかりにくい変遷の様子などを
航空写真で直感的に吸収することができます!
便利!
今昔マップと併用するとかなり最強なインプットができます。


⑤市のサイト
自治体にもよりますが、少なくともほとんどの市町村のサイトで、
その街が押している観光地や
これまでの歴史などはかいつまんで説明してくれています

特に藤沢のように地域の中心的役割の街
(それでいて戦後急速に発達したような都市)だと、
昔の街並みの写真や発展の年表が見られたりして非常に有用です。

市の関連サイトとかも使えます。
たとえば
↑藤沢市文書館の「藤沢市歴史年表」
 市で起きた主な出来事などが年表になってる


↑のサイトなどを行ったり来たりしている中、
小田急の列車は順調に神奈川の中心部を南下するのでした。
現地に到着する前におおよその街の概観を掴んでおきます。

藤沢到着後の話は次回・・