前回の記事では北口の路地路地した商店街を歩きましたが、今回は南口へ。
南口の駅舎。
1日20万そこらの人を捌く駅ですが、駅舎はミニマムかつシステマチック。
小田急は1F、JR線は2Fてな2層構造になっており、ちょっと珍しい形です
んで、地図のおさらいです
南口はこの地図で言うところの駅から見て下側
商業施設(山吹色の四角)がロータリーを包囲しているのが見て取れたり、右下(つまり南東)はそっちはそっちで市民会館&公園&商業施設&ホテルの4点セット、で小拠点っぽくなってて、市街地も南東の方にじんわり伸びている感があります。
さてさて、この一帯をどう回ろうか。
基本的に駅前と一本道の銀座通りが中心の北口と違って、街がそれなりに面状に広がってるようです(というのをここに来る途中の電車で地図と睨めっこしながら把握していました)。
昼食がてらカフェに入って作戦を考えます。
と言いつつ、「「「全部見る」」」が基本方針なので、どう回れば効率よく市街地全体を眺められるかに重点を置いてなんとなくコースを描きます。
この際の条件は
・主要な商店街すべて
・大型商業施設
・繁華街、歓楽街、オフィス街
をなるべく全て回る、ということ。
地図上で眺めていても掴めない街の位置関係であるとか、スケール感とか、あとは街並みと地図がどうリンクしているのか、みたいなことを確かめにいくような感じですかね😌😌
アイスコーヒーが空になるころにルートも決まったので喫茶店をあとに〜〜
藤沢の場合、わかりやすく駅前が市街の核の一つになってるようなので、ひとまず駅前を見ていきましょう。
写真の大部分を占めている二棟の大きな建物、両方ともショッピングビルです。手前の広場がバスターミナル。ターミナル駅に横付けされた大きなロータリーと歩行者デッキ、それを取り囲む大型商業施設・・のセット、とても首都圏的光景。柏とか津田沼とかもこんな感じです。
左側、小さい窓がお行儀よくずらっと並んでいるのがODAKYU湘南GATE、右側の淡いツートーンのビルがファッションビルのOPAですね。どちらも1970年代初頭にできております(このバスターミナルもそう)
開業当初はどちらも今とは違うデパート、つまりは百貨店だったそうで、四十数年あまり中身を変えながら変わりゆく藤沢の街並みを見続けておられます
昔の写真とかを見ると、人の格好とか街行く自動車の形、軒先の看板とかがまるっきり変わってるのに特徴的な建物の形だけが今と変わらず残ってることあるじゃないですか、そういうのいいですよね!!!!!!!!!
産まれてもない頃の接点の無い「昔」と、自分が生きてる「今」の間の感覚的な断絶の間に、双方に要素を差し込むと不思議と今と昔が少しつながったような心持ちになるものです
あとあと、ロータリーの方にも目を向けましょう。ぞろぞろ現れては消えるバスとかタクシーとか車の流れ、ずっと見てられますよね、見てられませんか????
人は途切れない水の流れを見てると落ち着くらしいですが(とてもわかる)、まあバスに関してもそういうことですね。たぶん。
親切にもロータリーの外周をほとんど歩行者デッキが囲ってくれているので、存分に駅前観察ができます。景色もひらけてていい感じ。あんまりアングル変わってないけど
12時の方向にあたる駅舎をでて、ロータリーを時計回りに回ってここが大体5時ぐらいです。
生えてる樹の南国感がすごい。湘南だから?
右奥に見切れてるのはいくつか前の記事で紹介した北口の駅ビルですね
1枚前の写真で見えてる、妙に豪勢な屋根付き通路の中はこんな。
JR・小田急の駅とODAKYUゲートを結んでいて、かつ後者の中にはなんと江ノ電の駅がインストールされているのでやけに人通りが多かったりします。
暖色の床のタイル、ちょっとくすんだ乳白色の屋根に時代を感じつつ、植え込みの角が丸く処理されてるあたりに丁寧さと優しさを感じます。ありがとう。視界の色温度が全体的に高い
駅から南西(7〜8時ぐらいの方角)には立派な並木を携えた大通りがあったり、このOPAの裏手がちょっとした飲み屋街になってたりするらしいので、ルートに従うようにまずはそちらへ・・
だいたいオーパの裏手です。裏路地って感じです。
ここは区画整理区域内ゆえ、道幅は広いし街路もまっすぐ。札幌みたいなお行儀のよい街路ですね。
ししししかしこの辺り、ちょっと油断するとすぐ区画整理区域外に飛び出したりして、そうすると途端に平米あたりの風景の情報量が過多になる傾向があります。
道幅は半減どころじゃない減り方をし、建物は中層ビルから戸建てと見紛う大きさになり、軽しか通れなさそうな道沿いに真新しいコインパーキングがあり、とびだし注意の看板はまあそれはそうだよなあという感じで、右奥には行列が発生しています。
まちのいわば外縁部ですが、新進気鋭のお店はやっぱりこういうところに出たりするんですよね。前回の繰り返しになりますけども。
広い区画と狭い区画を行ったり来たりしています。
南国風の木(木はわからないのでアブラヤシもナツメヤシもココヤシもヤシじゃ無い木も全部ヤシの木と認識しそうになってしまう)だったり、テンションがアメリカンな看板だったりが心なしか多い気がしますが、これが湘南の風ってやつでしょうか
道幅の割に歩道の概念が存在しないので、歩こうとするとかなり車道にはみ出しが発生してしまうのですが、交通量が少ないので問題になりません。むしろ段差レスでヨシ???
少しところ変わって、駅から7時ぐらいの方角にのびる道路、「橘通り」です。
宮崎に同じ名前の通りが存在するのですが、ちょうど宮崎の旅行記もつづくと称して書き溜めてる最中なのでそれはそっちでお話しします。
藤沢駅前における橘通は、ちょうど駅前の時に紹介したオーパの目の前から南西に進んで「鵠沼橘」エリアの住宅街に続く道になります。
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藤沢の繁華街はおおよそ南東にベクトルが向いているのですが、南西側もこの橘通り沿道に限って言えばお店がそこそこ連なっとりまして、一般にイメージする「商店街」ほどの集積はないにせよ落ち着いたストリートに仕上がっています。
どうも昔の地図を眺めてみると、この橘通りのあたりは南口界隈では発展が早かったようで、戦後すぐ(S29年)の地図で見ると地形図の塗りの色が橘通りのあたりが濃くなっております
(今昔マップ on the webより作成。橘通りの部分に赤丸を付した)
とまれかうまれ、この歴史ある通りを歩いてみましょう
冒頭の写真のような居酒屋ガヤガヤな雰囲気は駅からすぐのエリアだけで、南下すると生活感のある商店ちょいちょい、個人経営っぽい服飾雑貨のお店ちょいちょい、同じく個人経営の飲食店ちょいちょい、といった風情です。
昼下がりにまちあるきのお散歩、の際にはコースに組み込むと楽しくなれそうです。
こういった「観光地」とまでは言い切れないんだけどそういう香りのする一角?があります。
なかなか小洒落た良い(えい)雰囲気です。
とまあ商店・ストリートなのは駅から300mぐらいまでで、そこを過ぎると堰をきったかのように怒涛の新築マンション・ラッシュ・ゾーンに突入する訳です(上の写真でも奥の方に見切れていたですよね)。
人口43万、現在なおも人口増加中、藤沢のそんな勢いはこの辺りを歩くとちょっと割と感じられます。
マンションゾーンをも突き抜けると、もうすっかり住宅街です。
道路の境目とかによく置いてある赤白市松模様のあしらわれた黄色い樽(これ「クッションドラム」という名前らしいですね)が井戸端会議級の数並べられており、この一角の土地利用のよくわからなさを感じて最高な風景です。
都市計画道路なんかを作りかけてる土地だとよくこういう光景に出会えるのですが、郊外住宅街で育った私にとっては、開発の過渡期的なこうした風景こそが原風景なわけで、「兎追いし かの山」ではなく「建設中の道路途切れし かの買収中用地」なわけです。
そんなこんなで市街地らしい市街地を脱出してしまったので、藤沢の駅に戻って繁華街を探しに行くこととします。次回。