ブログ・オブ・タナザキ

空想地図 多奈崎市を作っている人らのブログです

「旅行記」を書いてみよう(空想地図作家的旅行⑧)

2020-09-19 00:44:59 | ある旅行の話
旅行記を書いていても、街に関することを記そうとするとどうしても(先日の熊谷の紹介記事のように)体系的にまとめてしまいたくなるが、それはまあ確かに自分のしたいことの一つではあるのだけど、私の目から見た"街"の姿であるとか、あるいは街の中で私がどう動いてどう感じたか、みたいな叙述に慣れていない。そして、「ブログ」っていう媒体はそういう"主観"をコンテンツにした方がなんとなくマッチするメディアのような気もする。よくわからなくなる。


ともかく、3月4日の朝、私は宮崎のど真ん中に放り出されている。



街と街外れの間みたいな場所にホテルがあった。

こんな普通の交差点を撮影しているのに、肝心なホテルの写真を撮影してなかった。なんてことはない街並みの写真は数百枚と撮影するのに、旅の記念みたいなそういう撮影をとんと忘れてしまっていることが多い。


バスで郊外に出る。

街という空間で、そう混んで無いバスほど快適で刺激的な移動空間はない。街中のどこかからまた違うどこかへ、誰かを乗せたり降ろしたりしながらゆっくり進む箱。


1973年の宮崎市郊外にできた宮交シティ。郊外だけど駅近でバスターミナル。郊外だけど公共交通の拠点。宮崎中心部から2キロ少し。
多奈崎市という地方都市を"創作"する身になってから、実在の地方都市を訪れる時は常に、心のどこかに"視察"のマインドが居座るようになった。これは旅行なのか視察なのか、旅行だとすると旅行とは娯楽なのか、勉強か。
あるいは、勉強も娯楽かもしれない。



レストラン街の愛称を考えましょう!となったときに「美味しんぼタウン」を思いつけるセンス。そういう人生を歩みたい。



例えば宮崎の街に住んでいて、今出発してるこのバスの路線で通学する人生だったら、とか考える。
学校帰りに1階のミスドで友人と無限に喋ったり、バス待ちの時間に売り場を見て時間を潰したり本を読んだりして、ブルーのバスで帰るんだろうか



郊外でロードサイド!な風景の奥と、商店街然とした屋根の手前が一枚に共存する、この大淀という街。



宮交シティから歩いて3分ほど、南宮崎駅前。
正面にどかんと開けたヤシの木の通りと、左右に控える3階建てのビル。「ここは駅前。街の玄関口」とでも言いたげな風景だと思う。


宮崎のバス=宮崎交通、そのカラーはトリコロール。南国は昔から彩が豊か。

さてね、一通り歩いたから、宮崎市街地に戻ることにするのです。



市街地の玄関口に駅があると、散策のスタートにしやすい。駅はやっぱり拠点になる。


日本で県庁が置かれるようになる街は、明治に「県庁」という仕組みが出来てそれが設置される頃には、おおかた城下町とか湊町とか門前町とかいろいろな形で都市として存在していたところが多いが、宮崎の場合は県庁が先で、街になったのはその後から。郊外のニュータウンとかと比べてしまってはアレだが、相対的に"新しい街"と言える。

そういうこともあってか、駅から真っ直ぐ西に大通りが伸び、800mほど進むと南北の大通り(橘通り)とクロスして、その交点がちょうど街で一番目立つ交差点になり、デパートや放送局が角やその近くに建物を構えるという、比較的シンプルな造り。街に行きたければ、駅から正面に伸びる大通りを、そのままひたすら真っ直ぐ歩けば良い。


「高千穂通り」と名付けられた東西の大通り。その名前は正面に高千穂峡が見渡せたことから、らしい。

街中や市内の地名、施設名からではなく、宮崎市のこの辺りの「街」そのものができる前からある外のシンボルから名前が採られている。


歩道も道路も街路樹も沿道の建物も、全てが大きい。


そんな宮崎の中心市街地、通る道のほとんどに「〇〇通り」と名前が付けられている。京都のように。

松戸の郊外に住んでいる頃、「〇〇通り」のように名前がついている街路は、市内にそういう道路があまり無かったこともあって(「さくら通り」とか「けやき通り」とかはあったのだが、固有の地名や施設名ではなくて街路樹の名前は何か違う気がする。何かね)、なんだかそれだけで都会の道のような気がして、そういう道路に憧れていたのを思い出す。


駅と市街地の間には、その両方への利便性からなのか大手企業のオフィスが固まっている。ここまで一つの街路沿いに固まっていると、なかなか画になる。



立派な大通りをさらにずいずい進むと、次第にコンビニとか商店の類が現れ始めて、中心部に近づいている予感。

「落ち着いた駅前から大通りを歩くにつれ店が徐々に増えて中心市街地へ突っ込む」この構造は歩いてて前橋を思い出すな、とか考える。映画をたくさん観た人が新たに見る映画から昔見た作品を思い出すように、新たに街を訪れると些細な要素ひとつひとつから過去に訪れた街の風景を思い出すのだ。

まあ、私はそこまで映画観ないので、この例えが適切かどうかは実はわからない



芸術的な外階段。奥は建て増しだろうか




デパートが現れる。山形じゃないけど山形屋、ちなみに本店は鹿児島。銀座にあるスーツのお店とも別。

二枚目の本館は相当年季が入っていそうな外観。1階に花屋、宝くじ売場、スタバがあり客の出入りはかなりのもの。このご時世「百貨店」が街の賑わいの真ん中にある姿は、その対極にある首都圏郊外住民の目からしてみれば、不思議でもあり、逞しくもある。


そして大通りのクロスする「橘通3丁目」交差点へ。
なかなか賑わいが見えてきた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿