ブログ・オブ・タナザキ

空想地図 多奈崎市を作っている人らのブログです

藤沢の第三艦橋 - 藤沢へ行ってきた⑧

2020-09-07 16:22:39 | 藤沢へ行ってきた
先日の「月刊マニアブログフェスタ」でも取り上げていただきました(🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️)、長い長い藤沢シリーズの完結篇です。

駅を中心に放射状にとにかく歩き回ってきましたが、
最後に取り上げるのはこのへん

駅(とそれを中心とするエリア)からはやや離れた第三艦橋みたいな(?)一帯。
ホテル・商業施設・公園・文化施設がなんとなく集まっております。

このエリアも、シリーズで散々言及している南口の再開発でええ感じに整備されたようで、中核にあるイトーヨーカドー藤沢店は1974年ごろの開業です。ヨーカドー の中ではそこそこ古参みたい。


歩いてみましょう。
ヨーカドー の裏手とかそこらへんです。
駅からだいぶ離れているので、人人人〜〜でガヤガヤしてはおらず落ち着いた感じ。マンションも多く、周辺住民と思しき通行人が目立ちますね。

左がホテルで右がIY。
ホテル側も低層部にはお店が入っておりやす。物販店もあるけど飲食店が中心かな
正面奥には壁のように聳え立つ集合住宅が見えまして、こちらもおそらく70年代以後の物件。

表通りの国道からホテルを見ております。
建築には割と疎いのでアレですが、客室一つ一つにベランダがついている・・?と思って拡大したらベランダでも無いっぽいですね。室外機が1つ1つ律儀に据付けられてるようです。あんまり見たことない様式だ

低層部の商業部分もそれなりの数のお店があります。

↑の写真の左側を向くと壁のようなヨーカドーがあります。すごくデカい。百貨店みたい。
そして2階部分を取り囲むように後付けっぽくペデストリアンデッキ(歩行者空中用通路)が作られていますが、ヨーカドー の2階部分と近隣の「奥田公園」を結ぶ以外の役割が見当たらない・・わりにはかなり豪勢な造りに思えます、どちらかといえば駅前ターミナルにあるような雰囲気。どんな経緯で作られた設備なんでしょうか

バカか煙なので高いところに登ってみました。デッキの上です。
やはりというかあまり活発に利用されている様子ではなく長閑です。
写真奥の白い建物は藤沢市民会館。独特な形が目を引きますが、老朽化で建て替えられるそうな。
このテの施設、「〇〇市文化会館」「〇〇市民会館」「〇〇市民文化会館」みたく似た複数の接尾辞になりがちで名前を間違えそうになりますね


似たアングルで失礼しますが、右側のビルたくさん〜〜な市街地と道を一本挟んで敷地利用に余裕ありまくり公園施設が対峙しています。そこそこまちなかに広い憩いのスペースがある都市はよきです



デッキの上で落ち着きすぎてやたらたくさん撮影してたようです

これは国道467号の図ですが、道路のキャパが明らかに足りてないのがひと目でわかりますね😇😇 首都圏郊外の拠点都市にありがちなのですが、人口や都市規模の急拡大に都市インフラのリストラクチャリングが追いついておらず、バイパスなども整備できないとなると①都市内交通②都市⇔周辺都市の交通③周辺都市⇔周辺都市の交通の全部が市街地のほっそい道路を経由する事態になり、もれなく道路が死にます。
左がS29年、右が現在の地図
右側で「467」と表記がある道路の、左側では市役所(◎印)から南の真っ白なところを大胆にぶった切っている道路の写真です・・・道を通した当初はマジで何もなさそうな所だったのにね


ということで、みなさんも街を作る際の参考にしてください。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

関東有数の拠点都市・藤沢を歩いてきました。
東京都心から直線距離でおよそ45km(青梅・坂戸・久喜・佐倉・横須賀などぐらい)とそこそこの距離にありながら、同時に横浜都心から20km、鉄道の結節点ともあり、戦後のインフラ整備で駅を中心に急速に湘南随一の都会として発展した藤沢の街−−江戸時代には宿場町としての藤沢もありましたが、駅からかなり離れていて現在の市街地とはあまり重なりません−−。戦前から現代にかけてゆるゆると発展、成熟してきた北口と、1970年代の怒涛の勢いの区画整理・開発のころの形を現代に残す南口、の対比も面白いところでした。

辻堂など近隣のまちに大型ショッピングモールが建設され、商業面では最盛期と比べると少々落ち着いてしまった感も否めませんが、それでも業務機能や歓楽街なども集まった総合体としての「賑わい」を持つ街としてのポテンシャルはまだまだ感じられる街でした。



藤沢へ行ってきた⑦ - みんなで歩こう「ファミリー通り」、などなど

2020-08-07 08:59:26 | 藤沢へ行ってきた
藤沢です。
↑このように書くと名乗ってる感が出ますね。「藤沢」って苗字あるし。ヨドバシカメラの社長とかがそう。ちなみに藤沢にヨドバシはありません。

南口のロータリーから南に伸びるファミリー通りという通りがあります。

交差点名にもなっていて、名前を定着してるのか定着させようという気が強いかのいずれかであることが観測できるます。
「Family dori」

家族で仲良くおでかけが推奨されてそうな名前のこの通り、藤沢宿から江ノ島へ至る古い道筋が由来の通りで、ゆえに市街地を抜ける商店街であると同時に「歴史街道」的な側面も押し出されています。


※実線が「ファミリー通り」(モール化された範囲)、点線がかつての江ノ島道です。


中規模な雑居/オフィスビルが沿道に並びますが、雰囲気としてはわりと落ち着いております。電線地中化や舗装美化といった景観美化(「モール化」と称されています)も実施されていて、前回記事で取り上げた電線は地上だし歩道なんか無い区間すらある通りとは色々と対照的です。

この「ファミリー通り」、駅南口から伸びる通りの中ではおそらく街路や街路景観の整備に一番お金と労力がかかってそうな通りなんですが、一方で通り自体には求心力を持った「都市軸」らしさみたいなものはなく、むしろ面的に広がる市街地の中の通りのひとつ、といった風情があります。


ファミリー通りの雰囲気というのは、猥雑さ、ガヤガヤ感のような賑やかさというよりかは寧ろ歩行者のためのシンボリックな「メインストリート」らしさであり、前回記事の人ぎっしり通りとは対照的です。

通りの先に「オーケーストア」という集客装置があり、そこと駅を結ぶ造りの前記事のストリートと比べると、こちらは通りの先に何か目玉となる施設が無いというのもあります。(冒頭地図を参照すると市街地の南側にヨーカドーや市民会館が集まる一角があるにはありますが、「ファミリー通り」一本がアクセス路になる感じではありませんし。)


図解できてるか自信がないですが図解にしてみました。
駅とオーケーを結ぶ通り(つまり何度も出てきますが前回紹介した通り)は、両端に集客力ある施設あり、かつ駅すぐそばの一帯はかなりの居酒屋やバーなど集積のある「夜の街」が形成されてることもあり……なかなかに賑わいがありました。


図解だと緑の線で示したあたりもそこそこそういった集積はあります(↑画像)、が、駅から若干離れていて、"チェーン店中心の勢いある繁華街"というよりは個人店が多そうな雰囲気で、こぢんまりしてます。)


とはいえ、この画像のようなチェーン店や新しい雑居ビルには到底醸し出せないオーラを纏う一角がふらっと現れたりするので、こちらはこちらで「散策」やら「まちあるき」らしさを楽しめるかもしれません。
「センター飲食街」という響きがよいですね。飲食街。飲食店街じゃなくて飲食街。そしてセンターである。

余談ですが、実はこのあたり若干の起伏があって、(北)西から(南)東に向かって画像でもわかるようになだらかに下っております。


これは果てしなく雑に線を引いていますが、おおよそこんな感じで地形の変化があります(川に平行な形で斜面になっている)
ファミリー通りを筆頭とする「古い」商店街/繁華街は標高の高いほうに位置していて、逆にこの斜面を降りきったあたり(国道467沿い:ヨーカドーやホテル法華クラブ、市役所などがある南北の道)なんかは、都市化の波は再開発まで訪れません。

伝わるかどうかわからないですが、「高」の方(昔から市街があった方)は区画整理をしても複雑な形の道が残ってたり、街区の大きさが小さかったりする一方、70年代の開発以降に都市化する低地側は、整然とした道路で街区の形もやや大振り、みたいな対比があります。

ちなみに低地側を縦貫する国道467号。
都市化が進んだ今では街の中の道路の一つ、ぐらいにしか見えないかもしれませんが、冒頭で紹介したファミリー通り…すなわちかつての江ノ島道の「バイパス」として作られた道路で、ゆえに昔から続く商店街みたいなものは形成されておらず、歩行者の集まる動線でもないので、割と新しめなビルが建ち並ぶ落ち着いたオフィス街みたいな雰囲気があります。

・・・

という訳で、藤沢の南側一帯をざっくり面的に紹介しました。
前回記事の界隈と合わせて南口で「繁華街」らしいエリアがこの一帯になります。
次回は、南東側にあるホテル・公園・文化会館など集積するあたりを歩きます。



藤沢へ行ってきた⑥ - 人、人、人!な通り

2020-08-02 21:57:37 | 藤沢へ行ってきた
藤沢続編です。あと3回ぐらいで完結が予想されます。
今回はとにかく通行人量の多い繁華ストリート(繁華街っぽくなってるストリートのこと👈今考えた)を歩きます。
どうぞお付き合いください。


歩く前に。
駅南再開発で真っ先にできた、今日じゃもはや風情がある昭和ビル「フジサワ名店ビル」の垂れ幕。建物のレトロさをプロモーションにも振っておられます。

では歩きましょう。。
今日歩く、このあたりです。

駅ロータリーから3時15分ぐらいの方向に伸びる方角の通りです。前回から用いてますが、方角を時刻で指せるのは放射状の街の特権ですね。
通りに名前はついていないようです。

どどん。
歩道もあるまあまあ(普通車がすれ違える感じ)の道ですが、道路よりも人、人が歩道からかなりオーバーフローしているのが写真中央から見て取れます。
駅前からディスカウントストア(だけじゃなく100均とかも入ってるけど)まで一直線に向かうこの通り、とにかく歩行者の通行量と、それに呼応するように賑やかな沿道の雑居ビルの看板たち、そしてたまにそこを縫うように抜けていく自動車、の3者が都市景観を織り成している通りであります。

上の写真とは反対側です。つまりこの通りから9時の方向を向いています(ロータリーを向いているとも言う)。FUJISAWA駅前でも、この通りともう一本南側の通りが突出して人がワンサカワンサカしていました(主観)。

雑居ビルも各々自分のテナント自分の店をこれでもかと主張すべく、看板貼り出し合戦や幟立て合戦を行っております。全国チェーン店多めなゆえか原色強めな景観、藤沢駅前で最も"ガヤガヤ感"が感じられる界隈に個人的には思えます。

唐突ですが柏(首都圏郊外でデパートや商業施設が数件立ち並ぶ藤沢駅前みたいな駅前のまち)で例えるならばハウディモール…に似てるけどあそこはロータリーと表通りを結ぶ車の重要な通りなのでもう少し車に人権が与えられています。

(夜景になりますが柏の「ハウディモール」 こうしてみるとこちらは舗装や街路灯の整備に手が入ってて「表通り」感の演出に勤められていますね)



藤沢のこの通りがそれなりに道幅あるし歩道もある、けど自動車は少なくてほとんど歩行者の独壇場になってる………のは、このみちが割とすぐにその幅を半分ぐらい(体感)に絞ってしまうのもあります(つまり多くの車にとってしてみればそこまで主要道路じゃない……まあここを通る車もいるにはいるんですけどね)。

道がひしめいております。


この通りの先にあるディスカウントストア(OK)がこちら。6階とか7階建てのすごく巨大(ゆえフレームに入りきらない)タイプの建物です。とにかく巨大。で、ここに結構な数の人が吸い込まれたり吐き出されたりしてます。おそらく藤沢のこの通りの人の多さのうち数割はここに用があったりなかったりする人でしょう。

施設内を見れば、ディスカウントストアの他にデカい紳士服店とか100均とかファッションセンターとかが入っていてさながらショッピングセンターです。地価/賃料が高そうな駅前一等地の建物には入ら無そうなテナントが揃っております。

藤沢住宅街の日常使いの需要もあるのかな

そんなOKストアの前。ここまでくると(3分ぐらい歩く)沿道のお店もなんだか地域密着らしい色になってきます。通行人の大半がオーケーストアに吸い込まれるので人の波もひと段落して、雰囲気が急に「広域から人を集める商業拠点」から「近場の商店街」みたいな温度感になってまいります。道もしれっと一方通行から対面通行に変化しておりゃる。

ちなみにまだまだこんなに道幅が狭いのにここは結構バスが通るんですよね、道幅ただでさえ狭いのに通行人もまだそこそこいる中、縫うように進んでいくバス(しかも結構高頻度で来る)面白いです。

・・

大型ディスカウントモール?を目指して一路東へ進む、歩行者主体の真っ直ぐな通りを歩きました。通りの名前こそついていませんが、藤沢市街地の人々を吸い込み、確かな存在感を発揮する通りの一つに見え、この街の活気・勢いを強く感じられる通りだなあという印象です。


藤沢に行ってきた⑤ - 南口を彷徨う

2020-07-31 23:43:31 | 藤沢へ行ってきた
前回の記事では北口の路地路地した商店街を歩きましたが、今回は南口へ。

南口の駅舎。
1日20万そこらの人を捌く駅ですが、駅舎はミニマムかつシステマチック。
小田急は1F、JR線は2Fてな2層構造になっており、ちょっと珍しい形です


んで、地図のおさらいです
南口はこの地図で言うところの駅から見て下側
商業施設(山吹色の四角)がロータリーを包囲しているのが見て取れたり、右下(つまり南東)はそっちはそっちで市民会館&公園&商業施設&ホテルの4点セット、で小拠点っぽくなってて、市街地も南東の方にじんわり伸びている感があります。

さてさて、この一帯をどう回ろうか。
基本的に駅前と一本道の銀座通りが中心の北口と違って、街がそれなりに面状に広がってるようです(というのをここに来る途中の電車で地図と睨めっこしながら把握していました)。
昼食がてらカフェに入って作戦を考えます。
と言いつつ、「「「全部見る」」」が基本方針なので、どう回れば効率よく市街地全体を眺められるかに重点を置いてなんとなくコースを描きます。

この際の条件は
・主要な商店街すべて
・大型商業施設
・繁華街、歓楽街、オフィス街
をなるべく全て回る、ということ。
地図上で眺めていても掴めない街の位置関係であるとか、スケール感とか、あとは街並みと地図がどうリンクしているのか、みたいなことを確かめにいくような感じですかね😌😌

アイスコーヒーが空になるころにルートも決まったので喫茶店をあとに〜〜
藤沢の場合、わかりやすく駅前が市街の核の一つになってるようなので、ひとまず駅前を見ていきましょう。
写真の大部分を占めている二棟の大きな建物、両方ともショッピングビルです。手前の広場がバスターミナル。ターミナル駅に横付けされた大きなロータリーと歩行者デッキ、それを取り囲む大型商業施設・・のセット、とても首都圏的光景。柏とか津田沼とかもこんな感じです。

左側、小さい窓がお行儀よくずらっと並んでいるのがODAKYU湘南GATE、右側の淡いツートーンのビルがファッションビルのOPAですね。どちらも1970年代初頭にできております(このバスターミナルもそう)
開業当初はどちらも今とは違うデパート、つまりは百貨店だったそうで、四十数年あまり中身を変えながら変わりゆく藤沢の街並みを見続けておられます

昔の写真とかを見ると、人の格好とか街行く自動車の形、軒先の看板とかがまるっきり変わってるのに特徴的な建物の形だけが今と変わらず残ってることあるじゃないですか、そういうのいいですよね!!!!!!!!!
産まれてもない頃の接点の無い「昔」と、自分が生きてる「今」の間の感覚的な断絶の間に、双方に要素を差し込むと不思議と今と昔が少しつながったような心持ちになるものです

あとあと、ロータリーの方にも目を向けましょう。ぞろぞろ現れては消えるバスとかタクシーとか車の流れ、ずっと見てられますよね、見てられませんか????
人は途切れない水の流れを見てると落ち着くらしいですが(とてもわかる)、まあバスに関してもそういうことですね。たぶん。

親切にもロータリーの外周をほとんど歩行者デッキが囲ってくれているので、存分に駅前観察ができます。景色もひらけてていい感じ。あんまりアングル変わってないけど

12時の方向にあたる駅舎をでて、ロータリーを時計回りに回ってここが大体5時ぐらいです。
生えてる樹の南国感がすごい。湘南だから?
右奥に見切れてるのはいくつか前の記事で紹介した北口の駅ビルですね


1枚前の写真で見えてる、妙に豪勢な屋根付き通路の中はこんな。
JR・小田急の駅とODAKYUゲートを結んでいて、かつ後者の中にはなんと江ノ電の駅がインストールされているのでやけに人通りが多かったりします。
暖色の床のタイル、ちょっとくすんだ乳白色の屋根に時代を感じつつ、植え込みの角が丸く処理されてるあたりに丁寧さと優しさを感じます。ありがとう。視界の色温度が全体的に高い

駅から南西(7〜8時ぐらいの方角)には立派な並木を携えた大通りがあったり、このOPAの裏手がちょっとした飲み屋街になってたりするらしいので、ルートに従うようにまずはそちらへ・・

だいたいオーパの裏手です。裏路地って感じです。
ここは区画整理区域内ゆえ、道幅は広いし街路もまっすぐ。札幌みたいなお行儀のよい街路ですね。

ししししかしこの辺り、ちょっと油断するとすぐ区画整理区域外に飛び出したりして、そうすると途端に平米あたりの風景の情報量が過多になる傾向があります。
道幅は半減どころじゃない減り方をし、建物は中層ビルから戸建てと見紛う大きさになり、軽しか通れなさそうな道沿いに真新しいコインパーキングがあり、とびだし注意の看板はまあそれはそうだよなあという感じで、右奥には行列が発生しています。

まちのいわば外縁部ですが、新進気鋭のお店はやっぱりこういうところに出たりするんですよね。前回の繰り返しになりますけども。

広い区画と狭い区画を行ったり来たりしています。
南国風の木(木はわからないのでアブラヤシもナツメヤシもココヤシもヤシじゃ無い木も全部ヤシの木と認識しそうになってしまう)だったり、テンションがアメリカンな看板だったりが心なしか多い気がしますが、これが湘南の風ってやつでしょうか

道幅の割に歩道の概念が存在しないので、歩こうとするとかなり車道にはみ出しが発生してしまうのですが、交通量が少ないので問題になりません。むしろ段差レスでヨシ???

少しところ変わって、駅から7時ぐらいの方角にのびる道路、「橘通り」です。
宮崎に同じ名前の通りが存在するのですが、ちょうど宮崎の旅行記もつづくと称して書き溜めてる最中なのでそれはそっちでお話しします。
藤沢駅前における橘通は、ちょうど駅前の時に紹介したオーパの目の前から南西に進んで「鵠沼橘」エリアの住宅街に続く道になります。
⬇︎⬇⬇︎⬇︎
藤沢の繁華街はおおよそ南東にベクトルが向いているのですが、南西側もこの橘通り沿道に限って言えばお店がそこそこ連なっとりまして、一般にイメージする「商店街」ほどの集積はないにせよ落ち着いたストリートに仕上がっています。

どうも昔の地図を眺めてみると、この橘通りのあたりは南口界隈では発展が早かったようで、戦後すぐ(S29年)の地図で見ると地形図の塗りの色が橘通りのあたりが濃くなっております
(今昔マップ on the webより作成。橘通りの部分に赤丸を付した)

とまれかうまれ、この歴史ある通りを歩いてみましょう

冒頭の写真のような居酒屋ガヤガヤな雰囲気は駅からすぐのエリアだけで、南下すると生活感のある商店ちょいちょい、個人経営っぽい服飾雑貨のお店ちょいちょい、同じく個人経営の飲食店ちょいちょい、といった風情です。
昼下がりにまちあるきのお散歩、の際にはコースに組み込むと楽しくなれそうです。

こういった「観光地」とまでは言い切れないんだけどそういう香りのする一角?があります。

なかなか小洒落た良い(えい)雰囲気です。


とまあ商店・ストリートなのは駅から300mぐらいまでで、そこを過ぎると堰をきったかのように怒涛の新築マンション・ラッシュ・ゾーンに突入する訳です(上の写真でも奥の方に見切れていたですよね)。
人口43万、現在なおも人口増加中、藤沢のそんな勢いはこの辺りを歩くとちょっと割と感じられます。

マンションゾーンをも突き抜けると、もうすっかり住宅街です。
道路の境目とかによく置いてある赤白市松模様のあしらわれた黄色い樽(これ「クッションドラム」という名前らしいですね)が井戸端会議級の数並べられており、この一角の土地利用のよくわからなさを感じて最高な風景です。
都市計画道路なんかを作りかけてる土地だとよくこういう光景に出会えるのですが、郊外住宅街で育った私にとっては、開発の過渡期的なこうした風景こそが原風景なわけで、「兎追いし かの山」ではなく「建設中の道路途切れし かの買収中用地」なわけです。

そんなこんなで市街地らしい市街地を脱出してしまったので、藤沢の駅に戻って繁華街を探しに行くこととします。次回。

藤沢へ行ってきた④ - 北口銀座

2020-07-23 22:14:19 | 藤沢へ行ってきた

北口の銀座通りまわりを徘徊します


藤沢駅周辺のなかでは、かなり古くから街になってたゾーン。
ピンクで囲ってあるところの目抜き通り、「藤沢銀座通り」と称しまして、戦前からあった商店街ようです。

商店会のサイトによるとここでは「世界一大きい金魚すくい」が行われてるらしい。知らなかった・・


駅北口から北西を眺めた写真。右側の巨大な建物は前回紹介したデパートの「さいか屋」。
写真正面の建物の切れ目が歩道になってまして、この先に銀座通りがあるようです。駅からの視点となると少々気づきにくい方角かも。


デッキを降りた先はこんな感じ。さいか屋ビルの脇が通路になっとります。

長さ100mほどの短い道ですが、広々とした歩行者専用区間は歩きやすく、街路灯や舗装も洒落っ気が演出されていて、駅から銀座通りへの人の流れが意識されているようです。
南口が事実上の「表口」然としているなか、人通りもそれなりにあります。賑やか。

で、100mを歩くと右後方から車道(柳通り)と合流して交差点になります。
駅正面から続く歩道の動線と、駅北側を東西に走る自動車の動線が合わさり、ここから先の「銀座通り」を形成。

Y字路のような形になるのですが、土地を持て余しがちな鋭角部分は街路樹とベンチが整備されてますね……意匠が北口のデッキと似ているので最近の開発でしょうか。
炎天下の街歩きをしてるとこうしたベンチには助けられたりするものです。
普通に一休みできるし、休みがてらこれから歩くエリアを調べたりできるし、少し座りながら歩く人や過ぎる車をボーっと観察することもできるので・・

私は学生の身分でありつつ週に数度都心へ通勤しているのですが、最近は会社帰りに降りたことのない駅で降り、徘徊して街の様子を一通り知ったあとに手ごろな公園のベンチで30分ぐらいボーッとしていることがよくあります。

夜の公園で何もせず時に時間を任せていると、次第に自分がその空間に馴染んで(?)いって、自分はこの街の住人で、これから歩いてそう遠くない家に帰る……みたいな姿を容易に想像できるような心持ちになるものです


この先が銀座通りと呼ばれるゾーン。
駅からほど近い交差点の周りこそ5階建とかそれ以上の建物に囲まれてますが、基本的に低層ビルが並んでおります。沿道には藤沢が広域商業の拠点になる前からあったであろうこぢんまりとした商店とか飲食店、コンビニ、ファストフード店などが渾然一体に存在。

南口と比べると新しい店を出しやすいのか、明らかにここ十年以内にできたような雰囲気のお店も散見されます(写真右側に見えてる「484 Cafe」とか。)

街というもの(👈巨大な主語)、
①あるエリアAに商店や飲食店が集まり出して発展する
⬇︎
②時代の流れとともに別のエリアBが発展し始める
⬇︎
③エリアAの求心性が薄まる
⬇︎
④エリアAにある空き店舗や物件で新しいことを始める人が現れる
(エリアBは求心力が強いが地価/家賃が高くなかなか手が出せない)

みたいなサイクルが割とあるような気がしていて、まあそれだけじゃないんでしょうけども藤沢だと北口が①〜④の流れを経験したような香りがします。気がするだけですけども。つまり何が言いたいかというとですね、大きな街の中で何か新しい流れ(お店を出すとか活動を始めるとか)というのは、往々にして街の一等地ではなくその周り、そうした活動をする"余白"が存在する環境、空間においてなんですよね。
表通りに大資本のデカいビルとかチェーン店しかないようなイメージの街でも、少し裏に入れば思いのほか個人が始めた、その街固有の新しい何かを発見できたりします。街の新しい風は、中心ではなく辺縁から吹くという感じで……(?)

(と言いつつ、大資本が展開するチェーン店とかも実はチェーンごとや出店店舗ごとに特徴があったりしてそちらもなかなか奥が深いものではあるのですが。)


とか考えつつ銀座通りを北上。テンションの高い街路灯のデザインとか、色の淡い車道の舗装とかにどことなく""平成""を感じます。
どうやら平成元年に「モール化」が行われたらしいというのと、この通りの通称が「サム・ジュ・モール」らしいということを、記事を書きながら見ていた商店会のサイトで初めて知りました。ワオ


歩道の幅は人一人同士すれ違うのがやっとぐらいの幅、車道もちょうど対面通行できるぐらいの狭さ、地形に沿う形かゆる〜く蛇行する線形、どれをとってもこの道路の歴史の深さとか、区画整理の不在みたいなものを感じることができます。
なだらかなカーブで先を見通しきれない感じ、割と賑わいを感じられて好きではあります


沿道の電気設備の箱?(よくわからない)には昔の様子が掲示されていたり。
そういえば今の銀座通りは電線が地中化されてもいました。いずれにせよ今の景色と比べると「昭和の商店街」感がすっごい。
アーケードが取り外されたのも時代を感じます


銀座通りの沿道の面白さはもう一つ、迷路のような路地が沢山伸びていることで、こちらも緩やかな地形の起伏に呼応するように緩いカーブを描きながら、すっごく狭い道幅で縦横無尽に伸びております。かつては遊郭も近くに存在したらしい歴史があるゾーン。
現在は市街地としてというよりは住宅街然としてますが、それでもチラホラお店があって(今回は時間がなくて行けなかったけど)なかなかこちらも探索し甲斐がありそう。


目がアンチョビになってしまった人物画が掲げられているイタリア料理店があったりします。隠れ家風。
よく見るとこんな狭い路地まで石畳風の舗装をされてたりして、芸が細かいぞ藤沢。


どの路地もそれぞれいろんな表情があり、こちらは鳥居がデンと正面に聳えております。住宅と緑に囲まれた稲荷神社だそうで、ミニマムな敷地にいくつかの鳥居と狐像を携えておりました。


藤沢駅の北西側は、1本軸となる「銀座通り」に商店街が形成され、その周りは広く詰まった住宅街の中に個人店が点在する迷路のようなエリアでした。
昔の宿場から見れば南の外れ、駅から見れば北にあるこのゾーン、長い時間軸での街の変化に思いを馳せるとなかなか面白そうな地域です。もちろん、赴くままに歩いて路地の迷路っぽさやワクワク感を浴びながら歩くもよし。
ふところの広い藤沢銀座通り周辺でした。


この後は・・・南口を徘徊します。