よもの海みなはらからと思ふ世に

2023-08-05 11:20:33 | よのなか

国家存亡の危機に直面して、

誰も彼も、ほんとうに無責任なんですね。

右も左も不忠の臣(しん)ばかり、

哀れというもなかなか愚かなり、

というわけです。

 

この文章、

アベノマスクや、

マイナンバーの政府の対応のことをコメントした

現在へのことばではなく、

半藤一利著 『昭和史 1926-1945』

(第十一章 四つの御前会議、かくして戦争に決断された 

 P365  平凡社ライブラリー)から

 

日米決戦を決める際の大臣たちの会話を受けての

故半藤一利さんの感想です。

国民主権のいまなら、

不忠の臣は、国民にとっての不忠の大臣ですよ。

 

いい加減の奴らが、

政府が決めたから、見切り発車でも、

国民の生命、血税を無責任に進める様子は、

まったく当時と現在と変わっていません。

自分のこと、いや、自分のことすら考えていない

こんなに哀れで愚かな(大)臣たちのことです。

 

是非、一読を。

不変のニッポンをご確認ください。

 

 

という、馬鹿なオレ、も、

同様に会社命令、

上司に言われたからと部下に

領収書の数字の改竄をやらせていた。

 

哀れで愚かなのです。

変わっていないのです。

 

あの社会人時代の、馬鹿なオレ。もうひとつのクリエイティブのほう、の。(そのもうひとつの5)

 

あの社会人時代の、馬鹿なオレ。もうひとつのクリエイティブのほう、の。(そのもうひとつの6)

 

 

愚かなり頃の

哀れな、馬鹿なオレ、です。

上記、『馬鹿なオレ』シリーズをご参照ください。

 

ところで、

愚かな会社の社長、副社長の責任者は、

いま、どうしているのか?

見事にハラをめされた!?

わけねぇ、な。

図々しく〝ねちょねちょ” ①活きとるね。

相変わらず、〝無責任” ②でニッポンにいるでしょ?

小〝悪いほど奴ほどよく眠” ③れているんだろう。

ハイ、それまで〜ヨ!

 

馬鹿なオレ、も、あい変わらず、也だ。

 

 

 

 

 

よもの海

みなはらからと思ふ世に

など波風(なみかぜ)の

立ちさわぐらむ

 

世界が平和であれと

願っているというのに、

どうしても波風が

立ちさわぐでのであろう

 

日米との戦争を決める御前会議で、

昭和天皇が朗々と詠みあげた

明治天皇の御製(ぎょせい)、和歌です。

 

当時の閣僚、軍部に向けた歌です。

 

 

 

 

 

①『893愚連隊』中島貞夫監督・脚本

松方弘樹の「ネチョネチョ生きとるこっちゃ」と

いう名台詞が有名。

この台詞に出会うために観る価値あり。

②『ニッポン無責任』シリーズ 古沢憲吾監督

主題歌『無責任一代男』『ハイそれまでヨ』

この両歌詞、作詞青島幸男で秀逸である。

③『悪い奴ほどよく眠る』 黒澤明監督

『モンテ・クリスト伯』『ハムレット』の参考も指摘。

脚本:黒澤明、小國英夫、久坂英二郎、菊島隆三、

   橋本忍

さすが、黒澤映画、脚本陣も超豪華揃いです。

 

 

 

 

 


あの社会人時代の、馬鹿なオレ。子守するほう、の。( 摸摸具和の4 )

2023-08-05 05:46:12 | 馬鹿なオレ

雪が降ってきた。

準備でかいた汗が、冷え、

ドカジャンを通して、

骨まで、寒さが、じんじん、響いてくる。



旭川の夜を、実感できずに、甘くみていた。

作業時は、上着を脱ぎ、

汗を拭って、上着を着るべきだったんだ。

基本的なことを全く忘れてしまっていた。




劇的瞬間の決定的な責任の

カメラの1台のスイッチボタンは、

オレが握っている。

 

一点 の「うろ」を、凝視し続けると、

「うろ」が、「うろ」に見えなくなる。

デジャブ(既視感)の反対、ジャメビュ(未視感)、

精神の分裂、統合の失調が、馬鹿なオレを、襲う。

 

まばたきの、瞬間に、

エゾモモンガが、

素早く、もう、すでに、

飛び立ってしまったんじゃないのか。



自分のことが、自分の眼が、

他の作業員が、いるのか、いないのか、

照明に照らされた、無音の、明るい闇の中に、

ゆっくり降る、その白い雪が、

正気を、幻影のなかに、誘い込み、

すべてを、失うように、

まぶたが、眠気とともに、重くなる。



睡魔との闘いの次に、

追い討ちをかけるように、

尿意が、波のように、畳み掛けてくる。



夜行性の野生のエゾモモンガは、

この昼間のような異常な明るい照明を、

当然、警戒をしているのであろう。



さらに、普段にはない、ニンゲンの臭いがしている。

そこに、さらに、ショウベンの臭いの追加は、

致命的だろうと、

このプロジェクトを、

初日で、台無しにする訳にはいかない。



ちっぽけな、自分と、ちっぽけな、息子の、

ちっぽけな、親子の、大袈裟な葛藤だ。



押し寄せる、周期的な波。



いっそ、今晩だけは、お仕舞いにして、

スイッチから手を放し、

現場を離れ、丘をくだる選択を、

何度、繰り返す波の中に、抑え込んだことか。



プロデューサーが、

「今晩は、ここまでッ」といったのは、

午前3時近かった。

尿意も、睡魔も、気も遠くなり、

何もかも、自分すらも、失いそうになっていた。



雪が積もり、

カタチだけの笠地蔵になったオレは、

我にかえり、

失禁を禁じて、丘を下り、

勢いのよい放物線が、重力を抑え込み、

直線的に、白い雪の中に、解放された。

 

 

「フィルムチェンジ!」と、

次のロールに、撮影はつづきます。

 

 

初出 17/10/15 04:10 再掲載 一部改訂


あの社会人時代の、馬鹿なオレ。子守するほう、の。( 摸摸具和の3 )

2023-08-05 05:40:34 | 馬鹿なオレ

もう、

企画の面白さと、現実の厳しさの

ギャップが、

馬鹿なオレにも、理解ができた。


カメラは、

予算上、十分な30ミリのフィルムが、買えないので、

16ミリのフィルムカメラを、札幌の撮影機材屋で、

ウィークリーレンタルで、割安に調達。

当然、16ミリフィルムも、本数は、限られていた。

そして、

ビデオカメラを2台、

2台とも、社内のベータカムの機材だ。

その有料フィルムカメラの1台は、

カメラマンが、エゾモモンガの飛翔を、

フォローする様に、

もう2台の会社所有の無料ビデオカメラは、

巣穴を狙う、据え置き用に。

スタッフは、

全員、社内作業員。

照明作業員、兼、プロデューサーに、

予算のことも、内実も、一切、知らされていない、

駆けだし、頼りにならない、なんでまやります、

プロダクションマネージャー(制作、雑用係)のオレ、

さらに、

下っ端、ペーペーの人足肉体作業用、新入社員の後輩、

そして、

アシスタントも、ひとりでこなす熟練カメラマン、

この4人の、へなちょこ精鋭撮影作業部隊だ。

無事に、エゾモモンガを、カメラに捉えるまでは、

いつ終わるか予想をも出来ないプロジェクトに、

外部スタッフは、使うことができなかったんだ。

早速、到着当日の夜から、

撮影作業、開始命令が、くだる。

一旦、旅館に、寄って、

旅館の女将に、帰宅時間、不明を、伝令す。


現場到着、17時(夕方、5時)、

もう、すでに、日の暮れた、

暗がりからのセッティング作業を、始めた。

業界では、深夜作業もあるので、

24時間で、時間を表現する。

24時を超えると、てっぺん越え、といって、

翌日1時を、25時っていう人もいたが、

疲労感が増すので、オレは、1時といっていた。

逆に、25時っていった方が、

早く終わろうとする心理がはたらく説もあるようだが。

そもそも、

その時間でなければ撮影できない状況じゃない限り、

てっぺん超えて、撮影してる方が、

詰め込み過ぎのスケジュールで、間違ってるはず。


今回は、
まったく、右も左も、上も下も、

下見もしていない、

はじめてのロケーションの現場なので、

エゾモモンガ、出没、そして飛翔するであろう

「うろ」巣穴を、捉えるために、

まずは、撮影用に雪道を作るため、

スコップで除雪するところから、作業は始まる。

それから、カメラ位置、照明の位置へと、

たった4人で、セッティングするのに、

随分と時間が掛かった。

20時と、30分に近づいた頃か、

やっと、3台のカメラ位置と、照明の位置も決まり、

腹ペコ作業員たちは、

旅館で、こしらえてもらった冷えきったおにぎりと、

ポットの温かいお茶で、腹ごしらえ、をした。

かくして、

決定的な瞬間を捉えられることが、出来るかどうか、

エゾモモンガと、

オレたち、へなちょこ精鋭撮影作業部隊との闘いが、

始まったのだ。

 

 

 

「フィルムチェンジ!」と、

次のロールに、撮影はつづきます。

 

 

初出 17/10/14 06:01 再掲載 一部改訂