あの社会人時代の頃、
ネズミの映像制作会社の、
アタマの白いネズミの親分が、
まだ、若白髪の若頭だった頃の、
以前にいた、映像の制作会社での、
エゾモモンガの話だ。
コストカッターなど、まだいない、
牧歌的な、どんぶり勘定時代のお話だ。
いまから、30年近く前だろうか。
今は昔の、随分な、昔の話である。
動物カメラマンから、
目的のターゲットの棲み家を、
現地で、教えてもらった。
その時間から、さかのぼること、5時間前。
羽田から、千歳空港に到着し、
空港で、2トン・トラックと、ハイエースを、
レンタルし、
空港から恵庭の土建屋で、
ゼネレーターを2トン・トラックに載せ、
札幌郊外の撮影専門機材屋で、
フィルム用のムービーカメラ、
ライト、付属器具を、入手し、
ハイエースに、搭載した。
あれッ、機材は、レンタルしたけど、
撮影のアシスタントは、照明のスタッフは、
どうする、の ?
撮影現地で、合流する、の ?
そもそも、なんで、
オレたちが、照明機材を、レンタルしてる、の ?
普通、照明スタッフが、機材と共に、
現地に来るんじゃない、の ?
さあ、
現場での撮影用に、極寒の防寒対策にと、
衣類の調達に入ったのが、
札幌郊外の、土木作業専門の衣類用品の店だった。
あれッ、ここで、防寒用の衣類を買う、の ?
アウトドアショップじゃ、ない、の ?
ウインドブレーカーじゃ、ない、の ?
ダウンジャケットじゃ、ない、の ?
これじゃ、寒いんじゃ、ない、の ?
???、馬鹿なオレの頭の中から、?、
?、
??、
?、 ??、??、?、
? が、溢れだしてきた。
土木作業員の、オヤッサンたちに交じって、
ドカジャン、防寒パンツ、ももひき、長靴、軍手に、
スコップを、調達。
オレたちは、
クリエイティブな撮影スタッフじゃなくて、
撮影作業員に、なった。
別に、作業員を、悪く言ってるんじゃなくて、
その後、実際に、作業をするん、です、オレたちは。
エゾモモンガの、月明かりの下、
華麗な滑空シーンを映像で捉える。
そんな企画が、通ってのプロジェクトだったが、
無事、映像に収めることが出来るかどうか判らない、
不可実性の、終わりの見えないプロジェクトに、
それなりの潤沢な予算は、通らなかったんだ。
「フィルムチェンジ!」と、
次のロールに、撮影はつづきます。
初出 17/10/13 05:52 再掲載 一部改訂