想風亭日記

人里離れた「想風亭」にて、旧事(ふるごと)を読み、黒犬を友とする日々

ふきのとうを待って

2008-03-06 07:51:13 | 晴耕雨読
小川のそばにあるのは木製ベンチ。雷で打たれた赤松を
倒して二つに割って拵えたものです。あ、ねずみ師とその一派が、です。
私はな~んも、カレー皿とかをそこへ運ぶのみです。
今はすべてが雪にうもれていますが。

うららかな春は
きびしい冬の
  あとから来る
可愛い蕗のとうは
  霜の下で用意された
         作:宮本百合子

団子坂近くの仕事先へ所用で寄った折、来た方向へ
戻らず、坂道をぶらぶらと散歩。
途中で目に止まったのがこれ、行き過ぎたけど戻って
やっぱり撮りました。
文京区駒込、浄土宗榮松院の入口に掲げられて
いました。



『宮本百合子』
二十歳の頃、初めて自分で買った文学全集です。
湯浅芳子、野上弥生子なども、ここから知りました。
その後、貧乏生活の若き日、同じアパートにいた
某航空会社勤務の女友だちに借金の形に預けたまま
そのまま返ってこなかったような記憶が…
それはつまり、そう、そんなわけで、
よって私の本棚から消えて久しい。
情熱の人宮本(中条)百合子は、無知な青二才の視界を
照らし、行動する歓びを教えてくれた気がします。

思いがけない遭遇に、ちょっと嬉しかったのでパチリ。