想風亭日記

人里離れた「想風亭」にて、旧事(ふるごと)を読み、黒犬を友とする日々

肉体と精神 つづき

2008-03-03 21:39:20 | Weblog
~続きです)
その時点で、平均年齢はたしか~、37、8歳だかな~。
ねずみ師が引き上げるからね、ついでにあたいは真ん中あたりだかんね。
その時分はね。今? 今はだから、十二年経ったわけです。
足せばわかるが、若くはない、たしかに。
そうみんな歳をとりました。
それは、成熟でしょうか。それとも退化か、老化か。

数ヶ月かけて篠竹を刈り終わり、大木の根っこと闘って、夏でした。
みんなで木陰でご飯を食べたりして、ちょっと余裕出始めのころ
視界も開けてきたし・・・そうだ、木登りをしよう。
ねずみ師は、へらっと笑っています。
我先に、体育会系男子、腕に覚えありのABCDが挑戦し、
高校野球で鳴らした大食漢のEが、ではオレ様と木にとっつきました。
地面から1メートル、1.5メートル。う~ん、動きません。
手を伸ばそうにも、足をかけようにも、するすると行くはずが
固まったまま。そのまま、こっちを見ています。苦笑いでしょうか。
私たちは、そのサマをみつつ、食後のティーをゆっくりと飲んでいます。
「都会っこ、ダメだねえ」

ねずみ師は誰もいないときに、すでに挑戦していたのでした。
そして、肉体と精神の成熟はある時点から反比例するという常識を
実感されていたわけで。
何事も実践!実感!そして学ぶのアレです。
へらっとした不敵の笑いの訳が・・・。

その後も懲りないABCDEプラスウサギは木にしがみつき、フリーズしまくり
腕の力、腰のふんばり、筋力低下諸々を認めるところとなり
とうとう長い長いはしごを手作りし、悲願達成。アホです。
やっぱ、高いとこ、みんな好きだなあ。

明日も肉体と精神、続けようっと。



肉体と精神

2008-03-03 12:33:41 | Weblog
ビットバレーって、渋谷? ビター(渋い)バレー(谷)だと。
で、ここはウインズバレー、風の谷。ま、窪地って言いかたもあるにはある。
あるにはあるが、窪っていうより谷のほうが、いい(ちょっとこだわってみる)。

谷間の山林をどうやって切拓くか。
業者でもない我ら森に住みたい仲間たちが持参したのは、
鎌、スコップ、軍手である。
体育会系成人男子の背丈をゆうに超える篠竹が群生し、間伐などされていない
樹木がひょろひょろと上へ上へと伸びきっている。まず全体は見渡せない。

篠竹をかき分けてずんずんと中へ入っていった初日、薮で視界は遮られて
いるから、上を見た。
見上げると、曇り空から柔らかい光が射している。
その光が一瞬強くなって、雲を明るく照らし、目の中へ射し込んできた。
ざわざわと枯れた葉をつけたままの篠竹にほほを擦られながら、
「ここだ、ここにしよう。いいぞ、なんかしらんけど、ここはいいぞォ」
久しぶりにトキメキました。このときの感覚、今も覚えてる。
強烈だった。
~つづく~