「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

冬至とクリスマス休暇

2016-12-21 | 2016年イベント
本日は冬至Winter solsticeでした。緯度の関係でしょうか、もともと日照時間はとても短いのですが、今日はとりわけ短かったように思いました。ただ、昼には明るい陽射しも見えて、すこしホッとする日になりました。

本学の公式なクリスマス休暇は23日からなのですが、今週からクリスマス休暇をとる人たちが多く、今日は研究センター内にも人があまりいませんでした。クリスマス前後は長期休暇をエンジョイする方々ばかりです。実験室はいつも混んでいるので、空いているのは快適ではありますが、やはり寂しい感じもしましたね。
私のような研究バカとしては「それでは世界に勝てません」「努力は無限大です」と叫びたいところですが、他人様のやり方に意見するのはとっくの昔に諦めており(その代わりに自分のやり方にも口を出させませんが)、ましてや異国の地では「郷に入っては郷に従え」と思っています。EU諸国の方々が夏のバカンス、冬のクリスマスを全力で楽しむ文化なのは知ってはいますので、まあ仕方がないとは感じているのです。それが世界のスタンダードなのだろうと。

しかしながら、英国の多くの研究者がこんな呑気な感じなのに、それでも勝てない日本は、ホント、どういうことなのか?

いや、量では英国には勝っているかもしれませんが(人口比を考えれば当たり前ですが)、質ではまだかなりの差を感じます。実際、研究論文の平均引用数など様々な指標で、日本の研究水準と影響力は、物理、化学はともかく、生命科学、医学では明らかに後塵を拝しています。近年になって、ノーベル賞など国際賞を受賞する日本人は増えてはいますが、それでも全体的な質としては劣るのです。むしろ途上国の追い上げもあって、近年、相対的には世界における日本の影響力はどんどん低下しています。
「日本は負けつつある」という危機感を抱くべきでしょう。

ここの研究センターの人たちを見ていると、9時5時でゆっくりしているように見えて、その実「帳尻合わせ」はとても巧みです。合理的と言うべきなのか、正直、いつの間にか論文発表するデータを上手く積み上げているような印象です。
要領が良いということなのか……
私もその点はよく見倣いたいと思っています。ダラダラやればいいというものではありませんから。研究の質も量も共に高水準であることが望ましいですが、自分の力量を鑑みて、せめて質だけは高くしていきたいものです。
なるほど、休むべきは休まんといかん。
ということで、私もしばらくクリスマス休暇を頂戴することにしました