「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

北アイルランドがんセンター

2017-12-04 | ベルファストのスポット
今日は北アイルランドがんセンターにお邪魔してきました。
英国でもトップクラスの放射線治療施設を揃えており、色々と見学までさせてもらいました。日本の最高峰の施設と比べるとすこし見劣りするというのが正直な印象ですが、やはり福島と比較するとかなり設備は充実しているという感じでした(北アイルランドは福島県とほぼ人口、面積が同じ)。おそらく東北大学よりも放射線治療施設の充実については上を行くのではないかと思います。重粒子線や陽子線治療設備はありませんが、放射線治療機器とスタッフはとても豊富でした。写真は比較的最新の放射線照射装置ですが、今回はご厚意で直接見せて頂いてきました。
2011年に福島を襲った多重災害(地震、津波、原発事故、そして風評被害を加えると4重災害)について、そして私の現在の研究内容についてすこしお話ししてきたのですが、私の拙い英語を一生懸命に聞いて下さって、有難く思いました。

明日からしばらく日本に滞在しますが、今年は親類に不幸があったこともあり、あちこち遊びまわるつもりはありません。生前はとても良くしてもらったのに、死に目に会えなかったことをやはり申し訳なく感じています。留学中だったとはいえ、はっきり言って、私は不孝者でしょう。

相田みつをさんの言葉に次のようなものがあります。

花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根は見えねんだなあ


私たちはいつも見えない根に支えられて生きています。まるでそこにあるのが当たり前であるようにさえ感じる目に見えない厚意を、しかし、決して忘れてはならないでしょう。何でもないようなことであっても、失われてから初めてその大切さに気付くものです。だからきっと、感謝の心をいつも抱くことが大切だと思います。