算額(その1178)
九九 春日部市小渕 観音院 明治30年(1897)
一〇三 春日部市 東福寺 明治40年(1907)
埼玉県立図書館:埼玉県史料集 第二集『埼玉の算額』,昭和44年,誠美堂印刷所,埼玉県与野市.
キーワード:円,直角三角形,鈎股弦,面積
面積が 36579789.000457254 坪の直角三角形において,以下を求めよ。
注:「問」には明示されていないが,「術」中に「鈎股弦ノ法三四五」とあり,特に断りがない限り鈎股弦が 3:4:5 の直角三角形を意図している。
include("julia-source.txt");
using SymPy
@syms 面積::positive, 鈎::positive, 股::positive, 弦::positive
面積 = big"36579789000457254"/1000000000
3.657978900045725399999999999999999999999999999999999999999999999999999999999984e+07
eq1 = 鈎*股/2 - 面積
eq2 = 4鈎 - 3股;
res = solve([eq1, eq2], (鈎, 股))[1]
(7407.40734000000, 9876.54312000000)
10 間四方が 1 歩なのでそれぞれの数値は 10 倍する。
鈎 は 74074.0734 間,股は 98765.4312 間である。
「鈎股弦ノ法三四五」というのは,上のように連立方程式を立てて...というのではなく以下のようなことであろう。
面積/6 の平方根を取り,それを3, 4, 5 倍すると,鈎,股,弦の長さになる。
鈎 = 3√(面積/6)
股 = 4√(面積/6)
弦 = 5√(面積/6)
鈎 |> println
股 |> println
弦 |> println
7407.407340000000364500003316950021216178154848402297479746933257623008095095922
9876.543120000000486000004422600028288237539797869729972995911010164010793461277
12345.67890000000060750000552825003536029692474733716246624488876270501349182663
この算額の共通テーマとして,「答えが 123456789 になる」というのがある。
股は逆方向(降順)で,最後が 312 となり,「惜しい」と思ったが,弦はテーマに沿った解になっている。
弦,短弦,長弦,中鈎は連立して求めることができる。
弦がきれいな数になっているのは前述したが,短弦が 4 並びになっているのが興味深い。
@syms 短弦::positive, 長弦::positive, 中鈎::positive
eq3 = 短弦 + 長弦 - 弦
eq4 = 中鈎*弦/2 - 面積
eq5 = 短弦^2 + 中鈎^2 - 鈎^2
eq6 = 長弦^2 + 中鈎^2 - 股^2
solve([eq3, eq4, eq5, eq6], (弦, 中鈎, 短弦, 長弦))
1-element Vector{NTuple{4, Sym{PyCall.PyObject}}}:
(12345.6789000000, 5925.92587200000, 4444.44440400000, 7901.23449600000)
内接円には有名な公式がある。
円の直径 = 鈎 + 股 - 弦
4938.271560000000243000002211300014144118769898934864986497955505082005396730709
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