算額(その773)
宮城県白石市小原字馬頭山 三瀧神社奉納算額(萬蔵稲荷神社所蔵) 明治8年
徳竹亜紀子,谷垣美保:宮城県白石市小原地区の算額調査,仙台高等専門学校名取キャンパス研究紀要,第57号,2021.
https://www.sendai-nct.ac.jp/natori-library/wp/wp-content/uploads/2021/04/No57_2.pdf
平面上に直径 6 寸の乙球 3 個が互いに接して載っている。更にその中央部に甲球が載っており,甲球のてっぺんまでの高さが 12 寸である。
甲球の直径はいかほどか。
甲球の半径と中心座標を r1, (0, 0, 12 - r1)
乙球の半径と中心座標を r2, (r2, -r2/√3, r2), (0, 2r2/√3, r2)とおく。
上方(z軸方向)から見下ろしたとき,乙球の中心は正三角形を構成している。z 軸から y 軸方向にある球の中心の水平距離は 2r2√3 である。
次に y z 平面において,甲球と乙球の中心間の距離についてピタゴラスの定理を適用する。
以下の方程式を解けば,甲球の半径を求めることができる。
using SymPy
@syms r1, r2
r2 = 6//2
eq = (12 - r1 - r2)^2 + (2r2/√Sym(3))^2 - (r1 + r2)^2;
solve(eq, r1)#[1] |> println
1-element Vector{Sym{PyCall.PyObject}}:
r2^2/18 - r2 + 6
甲球の半径は,乙球の半径を二乗し 18 で割り,乙球の半径を引き 6 を加えると求まる。
乙球の半径が 6/2 寸ならば,甲球の直径は 2((6/2)^2/18 - 6/2 + 6) = 7 寸である。
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