算額(その1109)
四十一 岩手県一関市牧沢 牧沢八幡神社 明治8年(1875)
山村善夫:現存 岩手の算額,昭和52年1月30日,熊谷印刷,盛岡市.
http://www.wasan.jp/yamamura/yamamura.html
キーワード:円5個,外円,弦
全円の中に弦を引き,その上下に 4 個の等円を容れる。等円の直径が 1 寸のとき,全円の直径はいかほどか。
注:弦の傾斜をどのようにしようとも,弦の上下(両側)は対称,すなわち弦は全円の直径であり,弦の傾斜はどのようにしても同じ図形になる(図を回転すれば弦は水平にできる)。弦を水平にすれば,4 個の等円はそれぞれが x 軸,y 軸に接する。
全円の半径と中心座標を R, (0, 0)
第一象限にある等円の半径と中心座標を r, (r1, r1)
とおき,以下の方程式を解く。
include("julia-source.txt")
using SymPy
@syms R::positive, r::positive
eq1 = 2r^2 - (R - r)^2
res = solve(eq1, R)[1]
res |> println
r*(1 + sqrt(2))
全円の半径 R は等円の半径 r の 1 + √2 倍である。
等円の直径が 1 寸のとき,全円の直径は 2.414213562373095 寸である。
「答」には「全円の径二寸六分一厘八毛有奇」とあり,「術」には「置一ケ二分5厘開平方余加一ケ五分乗等径得全円径」とある。
つまり,等円の径を √1.25 + 1.5 = 2.618033988749895 倍すれば全円径が得られるというのだが,山村もなんの疑問も呈していない。
山村とわたし,どちらが間違っているのか?
function draw(more=false)
pyplot(size=(500, 500), grid=false, aspectratio=1, label="", fontfamily="IPAMincho")
r = 1/2
R = r*(1 + √2)
@printf("等円の直径が %g のとき,全円の直径は %g である。\n", 2r, 2R)
plot()
circle(0, 0, R)
rotate(√2r*cosd(67.5), √2r*sind(67.5), r, :blue, angle=90)
segment(R*cosd(22.5), R*sind(22.5), R*cosd(202.5), R*sind(202.5), :green)
if more
delta = (fontheight = (ylims()[2]- ylims()[1]) / 500 * 10 * 2) /3 # size[2] * fontsize * 2
hline!([0], color=:gray80, lw=0.5)
vline!([0], color=:gray80, lw=0.5)
point(√2r*cosd(67.5), √2r*sind(67.5), "等円:r", :blue, :center, delta=-delta/2)
point(R, 0, " R", :red, :left, :bottom, delta=delta/2)
end
end;
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