Vol.5 クローン病患者の生活

ヒロが音楽事務所に通うようになり、今までのライブ活動は無くなりました。
ヒロは私に気を使っていましたが、私は寂しい気持ちなどはありませんでした。
ヒロのセンス・才能・努力を認めていたからです。ヒロは音楽だけでなく、人としてひきつけられる何かがありました。私はそれに乗っかっていただけです。
他力本願です。
私はアーティストではなく、プレイヤーを目指していたのです。もちろんヒロと一緒にプレイしたかったのですが。
徐々に私の音楽に対する情熱は消えていきました。同時にクローン病も増悪・緩和の頻度が増してきました。音楽のために摂生していたようなものですから、当然です。ほぼ毎日好きな食事をしてました。薬もエレンタール（水状の栄養剤）も飲まず、通院もしなくなりました。