路傍の露草 ~徒然なる儘、読書日記。時々、映画。~

“夏の朝の野に咲く、清廉な縹色の小花”
そう言うに値する小説や映画等の作品評。
及び生活の単なる備忘録。

行定勲監督・沢尻エリカ主演『Closed Note』

2007年09月04日 | Movie[映画]
『Closed Note(クローズド・ノート)』
監督:行定勲
出演:沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子、サエコ、永作博美 他
原作:雫井脩介
配給:東宝

【パンフレットより】
あなたは他人の秘密を覗いてしまったことがありますか?
前の住人が残した一冊のノート
読んでしまった「日記」
覗いてしまった他人の心
「日記」の恋に導かれるように彼女の恋が始まる
そして、伊吹先生の「日記」は彼女の心の親友になった
恋するときめきも、片思いの痛みも、いつもわかり合えた
でも、読んではいけなかった
決して他人に語れなかった沢山の秘密たちがあふれだす
破られた最後のページ
全ての秘密は、「日記」に隠されていた
この閉じられたノートの中に―

*******************************************************

今週は試写会ラッシュである。
「HERO」「Closed Note」「グッド・シェパード」
「アーサーとミニモイの不思議な国」…と、公開前の秋の映画試写が続々あるのだ。


ということで、まず「Closed Note」について。
この映画の全体の印象。
甘い…。
甘すぎる(sweetという意味で)。

これは少女マンガか?と思った(でも原作者はミステリー作家)。
それも、70年代の大島弓子のような。
甘くて、少し酸っぱくて…、という。

高校生や大学生など、とにかく学生さんが
デートで行くのに向いているのではないだろうか。
(現に、20代前半の後輩は「恋をしたくなった」と言っているし。)

もちろん、少女マンガとして世界がきちんと成立しているし、
性格の部分に悪評高い沢尻エリカも、可愛いらしく演じているし、
伊勢谷友介、竹内結子、永作博美など脇を固める俳優陣も文句なく巧い。
なので、作品としてはとても良いと思う。
ストーリーも破綻せず、まとまっている。
(サエコ演ずる親友のハナが結局どうなったのかがわからないままだが。)

つまり、こういう、ちょっと垢抜けない、70年代的ノスタルジックな
ラブストーリーが「好み」か否か、という好き嫌いの問題である。
私の場合、現実的な点にばかり目がいってしまうのでよくない。

ネタバレを避けて詳しくは書かないが、例えば、
「売り出し中のイラストレーターがあんなに広いスペースで個展が開けるのか?」
「大量に紙飛行機を飛ばして、後から拾いにいかないとゴミとして問題なのでは?」
など。本筋とは関係ないが、現実としてありえない点にばかり気が付いてしまう。

こういう映画を純粋に観られないのは、もう夢を見られない年齢ということなのかもしれないなぁ。
と、感動する後輩たちを横目に、少々の淋しさを感じたりして。


最新の画像もっと見る