四級猫       .      .

猫の目観察レポート、地球にて。(社会的地位、犬より下 ゴキブリよりは上)

「昭和30年代ヂャポン猟奇犯罪捜査どきゅめんと写真集」書評by どどいつ文庫

2011年08月30日 | リンク
昭和30年代ヂャポン猟奇犯罪捜査どきゅめんと写真集 『Watabe Yukichi写真集:ある犯罪捜査』

■■..湖畔で発見された手指とペニス、翌日に対岸で発見された硫酸で顔面をつぶされた男性の焼死体。昭和33年1月茨城県で発生した「茨城県下バラバラ事件」(千波湖畔ぢけん)の捜査員2人を主人公に、容疑者追跡開始から逮捕、取り調べまでのすべての過程を密着記録した異色の犯罪捜査きろく写真が50年以上ぶりにまさかの再浮上&まさかまさかの写真集に物質化されて21世紀のニポンに戻ってきたというこのフシギ。撮影したのは写真家・渡部雄吉(Watabe Yukichi 1924-1993)さんは、戦後から昭和30年代には雑誌「ぶんげーしゅんぢゅー」「ちゅーおーこおろん」などを舞台に社会探訪系(?)写真家として活躍し、安部公房島尾敏雄の所属する「現在の会」刊行の同人誌「現代」への参加をおねだりもされつつ、後年は海外旅行写真をとくいにして、日本写真家協会の「世界の写真家54人」に選ばれるほど戦後ニポン写真業界をめぐる少なくなくもなくない方々の記憶のどこかに陰画すたんぷペッタンコを留めていなくなくはない存在らしく、とわゆうてもワダグヂ(誰?)などはちょっとも知らないでいた写真撮影師のおひとりでわあるのですが、北島敬三、高梨豊さくひんとともにコノ、初出・雑誌「日本」(昭和33年6月号)掲載の渡部雄吉撮影「茨城県下バラバラ事件」シリーズを展示した今年2011年5月20日から8月21日までおフランス巴里の写真画廊「る・ばる」でヂャポン写真家3人展「トヲキヨヲえ(Tokyo-e)」の開催を記念しての、図録をかねたお写真集なのでありまする。この写真集、収録写真1枚ごとには説明文がついていないため、もっともらし毛な想像でおぎないつつ流れを誤あんないしていきます(以下、ねたばらし突入します)と、捜査本部の机にむかう「主役」の捜査員2人(以下、「2人」と略します)。顔写真とニラメッコで容疑者しぼり込みに首をヒネっている様子。と、次の頁では手回しよくすでに、実名いり人相写真つきの指名手配書の山ができていて、上司はどこかに電話をしているようす。電車(たぶん常磐線)の座席で打ち合わせをする2人、やる気満々なのかと思つたら、電車を降りた日暮里(たぶん)駅の周辺をいきなりブウラブラ。下御隠殿橋の上から線路を眺めたり、駅横に積み上げられている廃材の山に脚をのせてポーズをとってみたりタバコをふかしたり、蒸気機関車の煙をかぶりながら立入り禁止のはずの線路内をウロチョロしたりと不審な動きを連発。犯人の気持ちと一体化して足取りを追跡するための儀式なのかも知れないのですが、そうは見えないところも写真のヲモツロさ(?)。茨城から上京して都内の地理に不案内な2人は、下谷車坂町(=上野七丁目)の交番で道を教えてもらったりしながら、おもむろに下町ど真ん中の昭和30年代庶民生活に突入。コドモのおもちゃを取り上げて遊んだり、洗濯物チェックをしたり、下宿屋(?)のおばちゃんにタバコを1本すすめたり、一膳飯屋でお食事中のヒトをにらみつけたり、着実にそうさの輪をせばめていく様子のいちいちが、その場その場で写真にキロクされています。途中で1度、イバラギの本部に戻り、会議中の様子もパチリ。再び都内にもどると浅草・仲見世観光でかるく道草を食べたあと、いよいよ捜査の核心にある「革なめし」の作業場へ。張り込み。家宅捜査。うなだれる容疑者の後ろ姿。とどめは、連行後、捜査本部の建物内で撮影した容疑者との対話場面だけでなく、鉄格子のはまった窓の外から、中での取り調べを撮影した写真のあとに、暗いマックスが、ここぞとばかりの説明文で挿入。なな南都北斗なんと、指名手配書をたよりにして逮捕されたこの容疑者Nさん、真犯人とは無関係な別人だったことが判明したとゆうのです。なんだかビミョウな表情で操作室をあとにする2人。そして雨に濡れた夜の歩道のうえで2人が小さなマッチの(?)炎にほほ寄せをしているバッチリ決まった意味不明なロマンチック写真でヂ・エンド(その後ろに写真家・渡部雄吉についての紹介や、真犯人や事件の真相の解説文がでています)。まるで昭和30年代の下町路地裏現地ロケで撮影されたZ級ホラー探偵映画のような、がっくり力の抜けるこの展開。。そすて、この写真集のどこにも解説されていない最大のナゾ、みなみなさまもフシギーに感じておられるギモン。すなはち、東京のケ一サツがなんでまた写真家・渡部雄吉さんにこんな仕事を発注して、フツーなら撮影許可のでるはづのない捜査の現場をほとんどヤラセかとおもうような虚実スレスレ写真に残したのかについては、この誤あんない作成のためにネツト検索ぺこぽこ中に判明した事実がひとつありますて、実はこの事件、キョ一アク犯全国おーぷん捜査の対象とゆうものに指定された事件の元祖、第一号だつたそうなのです。初めてのキョーアク犯全国規模捜査がいきなりの誤認タイホだったなんて。。ネットり検索の結果をみる限り、誤認逮捕の件は割愛・省略・見落とされているようで、陽あたりの悪いほうの歴史の余白のそのまた裏側がたまたまポロリと飛び出してきた異物的存在感てば、一体全体なんでひょか?真夜中の蒸気機関車にのって潮干狩り海岸に行ってオミヤゲに鼻緒の切れたゲタを拾ってきた絶対菜食主義応援団のような趣味的正義感のヅッコケぶりのディープさが貴重とゆうのもキユウクツに思えるレトロお写真復刻集を、代替妄想エネレゲン資源のひとつとしてご賞味されてはどどでしよお?[記:2011.08.12:PM23時00分。]

■■
昭和30年代ヂャポン猟奇犯罪捜査どきゅめんと写真集『ある犯罪捜査』
by 写真=渡部雄吉
発行=2011年。from パリ。仏語+英語の2言語併用版。
大きさ:本体=ヨコ217xタテ294みりめいとる。
 重さ= 約840ぐらむ。
外見:布装はあどかば。シロクロ写真集。頁数=記載なし。
推定対象読者年齢:2才~120才
■ど特価:=¥7400
お問合せ先: dobunko@mail.goo.ne.jp
お問合せ番号::三丁目の夕飯110811

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。