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日本の新聞の見方

時事問題の視点ー今の新聞テレビの情報には満足できない人のために

死ななきゃ治らない役人の天下り願望

2009-07-21 07:50:19 | 政治
以下FACTA8月号の記事から要約

 今の農林水産省事務次官を井出道雄という。彼の振る舞いを見ると役人の性向がよくわかる。
 農林中央金庫理事長は長らく同省次官経験者の指定席であった。今年3月上野理事長が退任すると井出さんは後任に同じく次官経験者の小林芳雄氏を押し込もうとした。だが農林中金は今期巨額赤字に転落し1兆円の資本増強で何とか破綻を免れた。それも代々金融のド素人の農林省次官経験者がトップを務めたからであるというのが同社内外の一致した認識であった。
 そうした中で再び次官経験者を理事長に据えようとする井出さんの目論見が挫折したのは当然であった。次いで副理事長に押し込もうとしてこれもダメ。
 それでも井出さんは諦めず、定款にない農林中金総合研究所理事長ポストを要求した。農中はわざわざ定款を変更して理事長ポストを新設し小林さんを据えることでほぼ話がまとまった。ところがこれがマスコミの嗅ぎつけるところとなり首相官邸がストップをかけた。この件に関する限り麻生さんはいいことをした。
 関係者によると「農中を見下した井出氏の態度は恫喝まがいだった」。

 去年の暮WTOドーハラウンドが山場に差し掛かり外務省や経済産業省が対策に大わらわであった時期、彼は自らの次官就任祝賀会を催し、日付が変わるまで酔いしれていた。石破農水大臣がめざした減反緩和を葬り去ったのも彼。

 民主党政権が誕生すれば霞が関改革のシンボルとして真っ先に粛清の対象となりそうなのが彼。   
以上 FACTAの記事から要約

 ところで現職官僚はなぜOBの就職の世話にあれだけ熱心なのだろう?
それはこの例で言えば、一つは農林中金理事長ポストが農林水産省事務次官経験者の指定席であるという既得権を維持したいという組織エゴであり、もう一つは井出さんがOBの小林さんに貸しを作っておけば退任する時、後任に自分を推薦してくれるだろうという期待である。情けは他人(ひと)の為ならず。

話変わって今日午後衆議院が解散される。
 麻生さんは「経済が大変な時、政治空白を作ってはいけない」と言ってずるずると解散を先延ばしした。そうであればなぜ投票日を来月30日に設定し40日も政治空白を作るのかな? 麻生さん、総選挙も惜敗を期すつもり?
前の総選挙をやった人は「自民党をぶっ壊す」と言った。麻生さんのためにいいコピーを思いついた。「自民党を葬送する」はどうだろうか。
 麻生さんは挨拶の最後で涙ぐんでいた。彼のあんな顔は初めて見た。

 尚全衆議院議員は今日身分を失うが首相を含む全閣僚は総選挙後の最初の国会で内閣総理大臣が指名され新首相が組閣するまでその地位を保つ。
  首相官邸で麻生さんを中心に全閣僚がそろってテレビカメラに写される。実はあの部屋は閣議室ではなくて控室。隣接する閣議室では一つの丸テーブルを全閣僚が囲んで着席する。閣議室は公開されない。

 それにしても自民党はあれだけ大げんかをやっても血の一滴も流れない。みなさん平和憲法の申し子だから?

河野洋平氏引退
 彼の最大の罪は新自由クラブを作って自民党の延命に手を貸したことと小選挙区制を導入したことであると思う。功は思い浮かばない。
 議員歴は父一郎より長かったが政治家としては父にはるかに及ばなかったというのが私の評価である。父一郎は鳩山一郎を担いで自由党を結成し、その後吉田内閣を打倒して鳩山内閣を作り日ソ国交回復を果たした。日ソ国交回復の目的は四つあった。シベリア抑留者帰還国連加盟(常任理事国のソ連が反対すれば加盟できない)、北方漁業の安全北方領土問題である。最後の北方領土問題はその時棚上げしたまま今に至っている。
 父一郎は一農林大臣でありながら執権(将軍代行職)と謂われるほどの権勢をふるった。吉田茂は彼を蛇蠍の如く嫌った。

トムワトソンのこと

2009-07-20 13:02:47 | 政治
全英オープン最終日、10番ホールまで中継を見ていたが、彼が最後に負けるシーンを見たくなかったのでスイッチを切り寝た。18番ホールでさほど長くないパーパットを外してプレーオフの末敗れたと今朝知った。
 青木功が中継中泣いていたらしい。ほぼ同世代として完全に感情移入していたのだろう。青木の気持ちはよくわかる。最後のパット、許されるならパットの名手青木は代わってやりたかったことであろう。
 ショットは超一流、パットは二流といわれたワトソンらしさが最後に出た。タイガーウッヅが予選敗退した後、ゴルフの神様は粋な演出を用意していた。
 石川が予選敗退した後、日本の報道関係者はワトソン応援団と化した。

 ワトソンの頭の良さは有名で、プロゴルファー中、IQが最も高いとか、プロゴルファーから大統領が出るとすれば、彼だろうなどと言われたものである。正真正銘のスタンフォード大学卒で、大卒とは名ばかりの体育系ではない(日本では多い)。どこかの国の首相とは大分違う。
 彼にゴルフの才能がなければ他の分野で大成したことであろう。

 スポーツではしばしば敗者のほうが強い印象を残すことがある。1972年冬季札幌五輪フィギュアスケートで金銀を取った選手を覚えている人はごく少ないが、銅に終わったジャネットリンの名を覚えている人は多い。陸上短距離ではブロンズ(銅メダル)コレクターといわれたジャマイカのマリーンオッティなど。

解散時期

2009-07-19 14:45:01 | 政治

テレビを見ると麻生さんは解散時期を失したという論評が多い。解散のネーミングも甚だ冴えない。「万歳突撃解散」とか「馬鹿野郎解散(吉田内閣)」ならぬ「馬鹿太郎解散」とか。
 果たしてそうだろうか。今の衆議院議員の任期は9月10日であるから実質的には任期満了選挙に近い。従って解散に名前を付けるのはあまり意味がない。

 一番支持率が高かった就任直後に解散したとしても与党として三分の二の現有議席を割り込んだのは間違いない。そうすれば三分の二の多数による再可決という奥の手が使えなくなり重要法案提出を断念するか民主党との妥協を強いられたことであろう。従って自民党にとって最善の選択は任期満了選挙ということになる。議席を減らすに決まっている選挙をあわててやることはない。

 故に間違えたとすれば自民党にあっては取り敢えず選挙の顔として安易に麻生さんを選んだこと、麻生さんにあっては解散権フェティシズムに囚われたことであろう。「解散は内閣総理大臣の専権事項」と言ったってよほど力のある首相でなければやみくもにその権力を行使できるものではない。麻生さんより力のあった三木武夫でさえ解散権を封じられたし、竹下派の傀儡に等しかった海部俊樹に至っては「重大な決意」と言って解散をほのめかした途端金丸信から「あんたには解散権はない」と引導をわたされた。麻生さんはこうした自民党の歴史を知っているだろうか。公明党の意向にも配慮しなければならない麻生さんの立場は三木や海部より弱いと言える。
 連休明けの21日にいよいよ解散される。なぜか議長が解散詔書「憲法第七条により衆議院を解散する」を読みあげると議場の議員は万歳することになっている(共産党を除く)。身分を失って万歳とはこれ如何に。再び議場に帰ってくる自民党議員は二人に一人か?
当ブログ3月2日号「黒い霧解散」をもう一度を参照していただきたい。

小選挙区制下で自民党の反麻生派が新党を結成する可能性はほとんどない。
津島雄二氏が議員引退を表明した。彼の夫人は作家太宰治(本名津島修治)の娘である。青森県で津島姓はブランドである。ついでに与謝野馨氏の祖母は歌人与謝野晶子。与謝野さんは先日の都議選で自分の選挙区と重なる長老議員が落選して大ショックを受けた。それで両院議員総会開催請求に署名するに至った。もう一人ついでに民主党の山岡賢次氏は作家山岡荘八の女婿(じょせい)。

 自民党は今頃マニフェスト作りを急いでいる。こういうのを「泥棒を見て縄をなう」という。

 今日は土用丑の日。だが私はウナギはめったに食べない。養殖ものは脂っこくて好きではないし、天然ものは手に入らない。この日にウナギを食べるようになったのは平賀源内のキャッチコピー以来という説があるが真偽のほどは不明。

 22日は日本で観察できる46年ぶりの皆既日食。そして来月30日自民党は1955年の結党以来54年にして初めて比較第一党の地位を失う。実は細川連立内閣によって政権を失った時でも自民党は比較第一党であり続けた。


国民不在とは? 全英オープン他

2009-07-18 05:32:26 | 政治

国民不在とは? 
 自民党のドタバタ劇もどうやら大した山場もなく終息したかのようだ。その間のテレビ報道を見ると、「国民不在」と顔をしかめて歎じて見せるのが紳士淑女のたしなみらしい。だが私にとって永田町のごたごたは他人事(ひとごと)だから大いに楽しませてもらった。国民不在は今に始まった話ではない。欲を言えば、両院議員総会で最後のスリリングなバトルを見せてほしかった。その時は木戸銭を払ってもいいと思っていた。執行部が公認と金の面で締め付けたのだろう。それにしても自民党は役者がいない。中川秀直さんなんてどうみても田舎の町会議員って顔だ。去年の9月自民党が恒例の総裁選挙キャラバン隊を繰り出していた頃、小池百合子さんが登壇したら「なんだ小池栄子じゃないのか」と言って帰った聴衆もいた。そのまんま東より小池栄子のほうがよっぽどましじゃないのか。

 「マニフェスト、マニフェスト」と言われて考え込んでいる自民党議員も情けない。自民党には党是もあれば首相の施政方針演説だってあるじゃないか。もっとも党是で「自主憲法制定」を謳っていることも知らない自民党議員も多かろう。

全英オープン
 全英オープン石川遼は予選落ち。テレビ朝日と石川をCMキャラクターに使っている企業はがっかりだろう。途中までテレビを見ていたが石川以外はどうでもいいといわんばかりのテレビ中継はいただけない。なんでゴルフを知らない松岡修造がリポーターなの? 「石川は予選通過できるでしょうか」と聞かれて「そんなレベルじゃなくて優勝争いにからむでしょう」なんて言っていたプロもいた。こういう人を「空気が読める」というのかな。周りの大人はみな彼が打つ前から褒めるボキャビュラリを懸命に探しているように感じた。メディアはスターがほしくてしようがない。「そのまんま東」騒動も根は同じ。
 58歳のトムワトソンが予選を上位で通過した。石川が後できることは、さっさと帰国することではなく最終日まで予選通過選手のプレーを見ることだ。

低体温症
 大雪山遭難事件の報道で「低体温症」なんて聞きなれない言葉を言っている。業界ではそんな用語もあるかもしれないが一般には「凍死」だろう。

青春18日切符
 7月20日から9月10日まで「青春18日切符」が使える。この夏会津、仙台、伊勢神宮、富山に行く予定。
 伊勢神宮で思い出したが、昭和天皇は戦争末期、伊勢神宮が米軍に占拠され神器の八咫鏡が奪われることを心配した。これも原爆投下と並んで降伏を決意する動機となった。

長嶋一茂のこと
 彼が野球以外の番組でコメンテーターとして出ていたのにはおどろいた。なんで元三流の野球選手が政治や経済の問題でコメントしなきゃいけないの?
 大学時代選手としての実績(通算打率2割2分前後)はプロ入りした他の選手に比べて甚だ見劣りしたにも関わらずドラフト上位で指名したヤクルト球団にもあきれた。彼に野球の才能がないことは誰よりも父茂雄が知っていたはずだ。なぜプロ入りを止めなかったのだろう。
 原辰徳が選手としての晩年、途中で引っ込められ一茂を代打に出されたことがある。原の屈辱感や思うべし。その後間もなく原は現役を去った。
 今長嶋家は茂雄の肖像権等を巡って茂雄+三奈対一茂という骨肉の争いの渦中にある。父が存命中から兄と妹が遺産争いというのでは父もやりきれない。
 だがテレビはお上品だから長嶋茂雄がらみのスキャンダルは決して取り上げない。
 巨人軍は彼に「球団代表補佐」という肩書を与えたけれど、何をやっているんだろう?
 阪神の星野シニアディレクターとかわけのわからない肩書で高級を食んでいる。その金を選手の補強に回したらいいのに。


鳩山代表の非核三原則発言が波紋

2009-07-16 23:55:47 | 政治
 民主党の鳩山代表が非核三原則の中「持ちこませず」を見直す必要があると発言した。 
 永年自民党政府は、アメリカの核の傘に依存しながら表面では核を「持ちこませず」と言い、裏面では米軍の核持ち込みを黙認するという偽善を貫いてきた。「事前協議」などこの欺瞞を隠すイチジクの葉に過ぎなかった。
 非核三原則を国是としたことを理由としてノーベル平和賞を受賞した鉄面皮の首相もいた。だがアメリカに日本防衛を依頼しながら、その手段方法に注文をつけるなどできることではない。そうした事情は理解できなくもない。

 鳩山さんがこうした戦後政治の暗部を清算しようとする意気込みは理解できる。だが仮に小沢さんがいうように日本の米軍基地をなくし、第七艦隊だけに依存するとしても「日本に寄港するときは核兵器を外して来い」と言えるのか。だからといって安保条約を破棄し、自ら核武装する道には党内の一部と社民党が強く反対する。いやそれ以前にアメリカが許さない。
 それとも日米安保条約に換えて日本を取り巻く核大国であるアメリカ、ロシア、中国との多国間条約を目指すのか。問題はとてつもなく大きい。

 日本は津軽海峡等五つの海峡で12カイリを設定できるのにあえて3カイリに留め(国際海峡とした)たのは核兵器を搭載した米軍が航行した時日本領海外であったとの逃げ口上のためであったことを外務次官経験者が認めた。こういう輩を売国奴と言う。 6月29日の当ブログから。

自民党はなぜ凋落したか

2009-07-15 19:36:19 | 政治

 自民党はなぜ凋落したか。このテーマを論じることは自民党の盛衰史を論じることでありほとんど戦後政治史を論じることに等しい。自由民主党の結成は1955年だが、前身は敗戦直後の自由党の結成に遡るからである。以下はほんのデッサン程度として読んでほしい。

 吉田、鳩山、岸、池田、佐藤までは経済は順調であり政治の仕事は減税等概ね正の分配であった。竹下内閣が「ふるさと創生事業」と称して3300市町村(当時)へ1億円ばらまいたのは最後の徒花であった。
 バブル崩壊後の税収減、高齢化による社会保障費の増大等に伴い平成以降の内閣の役割は本来負の分配(増税等負担の増大、公務員の削減等行政整理)となるはずであったが、国民に不人気なつまり選挙に不利な政策を実施するのはよほど強い権力でなければむずかしい。
 遺憾ながら最も強い権力を必要とする時期に短期の弱体政権が続いたことが日本の悲劇であった。派閥が事実上消滅してからの自民党総裁選挙は「誰が選挙の顔としてふさわしいか」という、まるで美人コンテストのようになってしまった。だから人気が落ちると、「じゃあ別の顔に換えよう」という話になる。その点吉田茂や佐藤栄作の支持率(当時は今のような世論調査はなかったので推定)は高くなかったが党内基盤は盤石であった。中選挙区制下で首相支持率と獲得議席数の間に相関関係はなかった。それが反主流派が疑似野党の役割を演じた派閥政治の効用(?)であった。

 唯一小泉政権は強力だったが方向が間違っていたしやり方も間違っていた。道路公団民営化によっても赤字路線建設に歯止めをかけることはできなかった。財政投融資の原資としての郵便貯金、簡保の民営化は実現したが特殊法人のため別枠国債を設けて資金源を温存した。郵便事業に至っては民営化する理由はなかった。いや民間の参入障壁を高く設定したので民営化ともいえない。

 憲法の建前は国会が国策を立案し、政府(官僚組織)が実施することになっている。だが実際の国会議員(特に自民党議員)の仕事は官僚組織と選挙区及び支持団体をつなぐロビー活動に過ぎなかった。国の財政逼迫とともに選挙区と支持団体を満足させるのはむずかしくなった。ここに自民党凋落の原因がある。そしてこの傾向は大企業がなく、建設業が基幹産業である地方に行くほど甚だしい。そうした地方の不満をはっきり表したのが2年前の参議院選挙の結果であった。
 前回自民党が郵政選挙で大勝したのは都市部の浮動票を一時的に引きつけた結果である。小泉改革が色褪せるとともにこうした浮動票は自民党を離れた。

 次の選挙で民主党が第一党になるのは確実だが、これからの政治は負の分配であることをどれだけ認識しているのか心もとない。 

話変わって最新の自民党情勢
 両院議員総会が開かれるかどうかが最大の焦点となった。もし開催されれば麻生さんを事実上解任することもできる。執行部としては公式の両院議員総会ではなく非公式の会合で反麻生派のガス抜きを図りたいところだ。
 
 もう一つ与謝野さんと石破さんが麻生さんと会談した。内容はまだ分らない。考えられるのは21日の解散の閣議書に署名しないと通告した、退陣勧告を行ったなど。


解散と総選挙日程が決まる

2009-07-13 13:16:27 | 政治

 都議選の投票率は前回より約10%あがった。上がった分はほとんど民主党に流れたと分析できる。民主党の候補者名も知らないで民主党候補に入れると決めていた人も多かった。
 自民党が極端に票を減らしたわけではない。増えた投票数の中で相対的に減らしただけ。東京都民は比較的恵まれている。その都民がこれだけ変化を求めたのだ。地方は推して知るべし。2年前の参議院選挙結果が示した地方の憤懣は一層高まっている。

 解散と総選挙の日程がやっと決まった。麻生さんは明日解散したかったが多分公明党の同意が得られなかったのだろう。かといって会期末ぎりぎりでは首相のリーダーシップが発揮できずおもしろくない。それに遅らせると「麻生降ろし」が強まる。来週21日解散という日程はその辺りの妥協の産物だろう。御名御璽も皇太子からではなく天皇から直接いただける。野党の内閣不信任案も空振りに終わる。

 来月30日投票というのは憲法が許す限界である(解散から40日以内)。解散から投票日まで最大日数あけるのはその間の景気や政治情勢の好転を期待しているのだろう。もう一つ、総選挙後の国会で新首相が選ばれるまで麻生さんが首相である。在任日数を少しでも延したいのかもしれない。
 だが8月選挙は過去例がない。8月末は台風もあり得る。台風による投票率の低下が狙いか? 暑い盛りのこの時期、ご老体の多い自民党にはきつい選挙となる。もう一つ前例がないのは解散予告という手法である。一週間後に解散しますと言って解散した例はない。解散する前に投票日が決まるのも前代未聞。
 
 鳩山弟や渡辺善美氏は第三極を模索しているようだが、小選挙区制の下で第三極などありえない。彼らの主観的意図がどうあれ自民党を利し、民主党の足を引っ張るのが落ちだろう。静岡県知事選挙がそうであったように。

 日程がはっきりしたので自民党の反麻生派も動きにくくなる。中選挙区制下では当然自民党を飛び出し新党結成に至ったであろう連中も小選挙区制下ではそうはいかない。まして300小選挙区のほとんどで候補者が決まった今となっては民主党に鞍替えすることはできない。だから自分の選挙に少しでも有利になるように選挙の顔を換えようという話がでる。 

 都議選は一人区(小選挙区)と複数区が混在しているが、それでも10%の投票率アップが決定的であった。まして小選挙区だけの衆議院ではわずか数%の有権者の帰趨が結果を左右する。

 「だれが当選したってどうせ何も変わらない」と言う人がいる。だがほっておけば「変わらない」どころか事態はどんどん悪くなることを知るべきだ。

 昨日はTBSドラマ「官僚達の夏」第二回だった。冒頭ちょっと見ただけですぐ都議選番組にチャンネルを変えた。

憲法第七条(天皇の国事行為)には明白な誤りがある。
第四項 国会議員の総選挙の施行を公示すること
参議院には総選挙はないので正しくは「衆議院議員の総選挙」。元のマッカーサー草案では一院制であったので国会=衆議院であった。憲法審議の過程で誰もこの誤りに気がつかなかったとは。

 この明白な誤りを正すにも憲法改正手続きを必要とする。護憲論者はそれにさえ反対するのだろうか。


首相、解散へ不退転の決意

2009-07-12 16:28:43 | 政治

 これが今朝の朝日新聞の一面トップである。一見すると朝日が麻生さんを激励しているかのようだ。「党内反麻生グループがあまり麻生さんを追い詰めると解散に打って出るぞ」と威嚇しているように読める。

 だが朝日新聞が麻生さんを買っているとは到底思えないのでこれには裏がありそうだ。この記事は麻生総理のまま選挙に突入してほしいという野党の願望を受けたものかもしれない。

 せっかくのサミットも各国首脳に相手にされず、みじめな思いをしただけだった。北方領土問題でも成果はゼロ。米露核軍縮でも日本がイニシアティブを取ったわけではない。そもそもアメリカの核の傘に依存しながら非核三原則を提唱するなど偽善的である。

 衆議院の解散は天皇の国事行為であり、その天皇は外遊中である。天皇外遊中は皇太子が臨時代行であるので解散はできるというのが政府の解釈である。但し臨時代行による解散は過去一度もない。

 解散決定に公明党の大臣が署名を拒否した時、麻生さんは解任できるだろうか。もしそうすれば創価学会との選挙協力に暗雲(自民党にとって)が立ち込める。

 創価学会は都議選のために住民票の移動を行っているので、衆議院選挙まで三ヶ月は間隔をおきたいところだ。だが衆議院議員の任期満了まで三ヶ月を切ったのでこれも今となっては不可能である。
 昔東京都民であった頃、何年も会っていなかった中学の同級生がわざわざ名古屋から都議選公明党候補への投票依頼に来た。私だけが目的ではなかったと思うが、それにしても創価学会の都議選に掛ける意気込みには感じ入ったものである。

 午後4時現在、推定投票率は32.16%。これでは最終的に50%に届くかどうか。

麻生さんが最近愛読している本が判明した。その書名は「鈍感力」。


民主党内閣不信任案提出か

2009-07-10 11:08:06 | 政治
 「民主党が麻生内閣不信任案提出を準備」のニュースに一番喜んでいるのは案外麻生さんではないか。
 もし自民党から裏切り者が出て同案が可決されれば麻生さんは待望の解散権を行使できる。逆に自民党が結束して否決すれば、「麻生降ろし」を封じこめることができる。「あなた方は不信任案に反対した、つまり私を信任したわけでしょう?」と。
 民主党の本音は麻生総理総裁相手に選挙をしたいので、間接的に麻生さんをバックアップするところにあるのだろう。
 ところで参議院は「内閣問責決議案」と云うのは衆議院の内閣不信任案と違って法的効力がないからである。つまり参議院で仮に可決されても(与党が過半数を割っている現状でその可能性は相当高い)麻生さんを辞めさせることはできない。内閣総理大臣の指名で衆議院の優越が認められていることの反面である。

 俗に「解散は内閣総理大臣の専権事項」と云われるので誤解している人もあると思うので念のため。
 衆議院解散は天皇の国事行為の一つである。国事行為を決めるのは内閣総理大臣ではなく内閣である。従って他の国務大臣の署名も必要である。だから首相一人で解散できるわけではない。もっとも署名を拒む大臣がいれば直ちに罷免し自ら兼務すればできないことはない。だが一人や二人ならともなく多くの大臣が反対しそれをみな罷免するのはよほど腕力のある首相でなければできることではない。情況はそうなりつつある。

ついでに「そのまんま東」とガダルカナルタカのこと
 東は「全国知事会の要望」に拘っているようだが、総務省の役人が書いたものが根本的な改革であるわけがない。
 直轄事業負担金について言えば、県は市町村に対し同じような付け回しをしていて搾取の連鎖という構図がある。
 地方自治の根本的な改革は中二階の都道府県をなくして国ー市町村という二層構造にすることだ。当然今の知事は失職することになる。但し現状の1800市町村は多すぎる。

 彼のために新しい芸名を思いついた。「やっぱり東(東京)」というのはどうだろう。彼は知事としての仕事に自信がもてないものだから、ボロがでない中に東京に逃げ出したいのだろう。
  芸名と言えば最近、といってもテレビを見るようになったのはごく最近だから私にとっては常に最近だが、ガダルカナルタカをよく見る。多数の日本兵が悲惨を死をとげた地名をお笑いタレントが芸名にするなんてどういうセンスだろう。
  知的レベルも低い。この前「キャスティングボート」と言うべきところを「ボーダーライン」と言っていた。まさか彼もどっかで選挙にでるつもりではないでしょうね。 

自民党のダブルスタンダード

2009-07-09 18:50:58 | 政治

 自民党は鳩山兄の献金問題にしゃかりきになっている。自民党にお尋ねしたい。あなた方は鳩山さんが説明責任を果たしていないとおっしゃる。では「そのまんま東」知事に未成年者淫行問題については説明を求めないのですか? これをダブルスタンダードというんです、自民党さん。

 先週土曜日劇団四季のミュージカル「異国の丘」を見た。初めて知る史実もあって楽しめた。近衛文麿の息子文隆が支那事変の和平を求めて軍部に睨まれ、懲罰的に関東軍に召集され、敗戦によってシベリアに抑留された。そして日ソ国交回復によって帰国直前異国で死去した。
 近衛文隆の悲劇的な運命には深く同情する。ただストーリーには相当無理がある。残酷な言い方だが文隆の和平工作など成功の可能性は万に一つもなかった。文隆の日中和平を願う善意は買うが政治的に幼すぎる。この当時の日本政府に支那事変を解決できるだけの力のある政治家はいなかった。そんな政治家がいれば日米戦争もなかった。およそ政治というものは世論に阿ってアクセルを踏む(好戦主義)のは容易だがブレーキを踏む(和平)のはすこぶるむずかしい。
 父親は内閣総理大臣と云っても、軍部特に陸軍を抑える力はなかった。近衛首相と蒋介石が書簡を交換したくらいでは和平達成にはほど遠い。殊に日本が南京に傀儡政府を作ってからは尚更そうであった。
 ところでこのミュージカルの役者の中、私が知っているのは日下武史だけだった。

 今日久しぶりに渋谷に行った。昨日は忠犬ハチ公の銅像を見にハリウッドスター・リチャードギアが来た。ブックオフで本を買った。買ったのは以下の通り。いずれも105円/冊。
   乱気流上下 高杉良  日経新聞を取り上げている
   沈まぬ太陽 アフリカ編上下 山崎豊子  10月に映画公開
   弟  石原慎太郎

 山崎さんの小説を読んだことがないのにこんなことを言うのは口はばったいが、彼女はテーマの捉え方がうまい。大不況下にある出版業界とって貴重な人材だろう。

 グーグルが来年秋無償OSを発表するとのこと。リナックスを元にしたもの。マイクロソフトの株価は下がるだろう。ブラウザーは既にグーグルも併用している。