一部以前書いたものと重複するのは容赦されたし。
政治家の隠語
政局
倒閣のこと。野党幹部が「これを政局にするつもりはない」というふうに使う。
万全を期す
到底万全を期すことができない所で使う。例えば厚生大臣が「新型インフルエンザの国内感染を防ぐため万全を期す」など。内心の不安を表す。
慎重
やらないという意味。例えば「農産物の自由化は慎重に扱う」と言った場合やらないという意味。
遺憾
政治家が謝罪したと思わせるために使う。実は「遺憾」は単に残念という意味で謝罪の意味はない。日本では政治家しか使わないが中国語としては「残念」という意味の普通の言葉で子供でも使う。
人心一新
取り立てて内閣改造の口実がない時使う。内閣支持率の上昇を目的とすることが多い。佐藤栄作がよく使った。先月久しぶりに自民党の中川さんが言っていた。彼が「人心一新」と言ったのは「麻生さん、辞めなさい」という意味。
不徳の致すところ
政治家が選挙で落ちた時の決まり文句。「この結果は私の不徳の致すところ」など。内心は後援会や秘書或いはメディアのせいだと思っている。8月30日夜にはこのセリフが飛び交うことになる。
前向きに検討する
何もしないということ。
慎重審議
野党幹部が「この法案は慎重に審議する必要がある」などと言う場合、国会で簡単には通さないという意味。
審議に応じる
これももっぱら野党が使う。本案を通してやるという意味。
強行採決
野党が審議を拒否し、与党が単独で審議し採決することを野党側は自分達の審議拒否は棚に上げて「強行採決」と言って非難する。
行政用語
雇止め
日本語としては「雇用打切り」又は「更新拒否」が自然ではないか。
後期高齢者
昨年からすっかり知られるようになった。「長生きし過ぎた人々(政府にとって)」。
非居住者
税法等で使われる。一年を通じて一定期間日本に居住しない人。外国人日本人を問わない。
降水確率
天から水が降ってくるわけではない。降るのは雨、雪、みぞれ等である。なぜ降雨確率又は降雪確率と言わないのか。
企業内保蔵
社会的には企業内失業と言われている。
昨年の秋ごろ自民党の勢力図を論じる中で「財政再建派」と「上げ潮派」という区分けが聞かれた。前者は説明するまでもない。与謝野さんが代表。「上げ潮派」というのは経済が成長すれば税収も増えるのだから増税(特に消費税)の必要はないと一派。中川秀直氏が代表。最近こうした分類をとんと聞かなくなった。なぜだろう?自民党が野党に転落する可能性が高まったこともあるが、もう一つは「上げ潮派」と言ったって経済を成長させる何の目論見もないことがはっきりしたからである。そのくせ自民党は「民主党のマニフェストには成長戦略がない」などと難癖を付けている。