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日本の新聞の見方

時事問題の視点ー今の新聞テレビの情報には満足できない人のために

言葉

2009-08-24 19:45:35 | 言葉

知っていて損しない日本語の知識

本来の語の読みが枕詞
(
まくらことば)の読みに転化した例

飛ぶ鳥の明日香(あすか)→飛鳥(あすか)

日の下の草加(くさか)→日下(くさか)

春の日の霞処(かすが)→春日(かすが)

外来語と知らずに使っている

バッテラ
ポルトガル語で小舟から

チョンガー
朝鮮語で独身

ピンからキリまで
ピンはオランダ語で一を意味するピンタから。キリは花札の最後の桐の絵札から。

ロートル
中国語の老頭(発音はラオトウ)から

ジャンケン
中国語の両拳(発音はリャンチェン)から

キセル
カンボジア語khsierが語源

口元部分と先だけが金属であることから無賃乗車の意味に使われた。但し今は乗車駅がすべて記録されるので不可能である。無賃乗車としてもう一つ使われたのが「薩摩守」。平家物語の平薩摩守忠度(たいらのさつまのかみただのり)から「忠度」「タダ乗り」というしゃれ。

合羽
ポルトガル語capaから。合羽は当て字。

カルタ
ポルトガル語carta

トタン
ポルトガル語tutanaga(亜鉛)から

金平糖
ポルトガル語confeitoから。金平糖は当て字

ピンぼけ
ピンはオランダ語で焦点を意味するブランドピュントから


政治家の隠語&気になる行政用語

2009-08-19 21:11:30 | 言葉

一部以前書いたものと重複するのは容赦されたし。

政治家の隠語

政局
倒閣のこと。野党幹部が「これを政局にするつもりはない」というふうに使う。

万全を期す
到底万全を期すことができない所で使う。例えば厚生大臣が「新型インフルエンザの国内感染を防ぐため万全を期す」など。内心の不安を表す。

慎重
やらないという意味。例えば「農産物の自由化は慎重に扱う」と言った場合やらないという意味。

遺憾
政治家が謝罪したと思わせるために使う。実は「遺憾」は単に残念という意味で謝罪の意味はない。日本では政治家しか使わないが中国語としては「残念」という意味の普通の言葉で子供でも使う。

人心一新
取り立てて内閣改造の口実がない時使う。内閣支持率の上昇を目的とすることが多い。佐藤栄作がよく使った。先月久しぶりに自民党の中川さんが言っていた。彼が「人心一新」と言ったのは「麻生さん、辞めなさい」という意味。

不徳の致すところ
政治家が選挙で落ちた時の決まり文句。「この結果は私の不徳の致すところ」など。内心は後援会や秘書或いはメディアのせいだと思っている。8月30日夜にはこのセリフが飛び交うことになる。

前向きに検討する
何もしないということ。

慎重審議
野党幹部が「この法案は慎重に審議する必要がある」などと言う場合、国会で簡単には通さないという意味。

審議に応じる
これももっぱら野党が使う。本案を通してやるという意味。

強行採決
野党が審議を拒否し、与党が単独で審議し採決することを野党側は自分達の審議拒否は棚に上げて「強行採決」と言って非難する。

行政用語

雇止め
日本語としては「雇用打切り」又は「更新拒否」が自然ではないか。

後期高齢者
昨年からすっかり知られるようになった。「長生きし過ぎた人々(政府にとって)」。

非居住者
税法等で使われる。一年を通じて一定期間日本に居住しない人。外国人日本人を問わない。

降水確率
天から水が降ってくるわけではない。降るのは雨、雪、みぞれ等である。なぜ降雨確率又は降雪確率と言わないのか。

企業内保蔵
社会的には企業内失業と言われている。

 昨年の秋ごろ自民党の勢力図を論じる中で「財政再建派」と「上げ潮派」という区分けが聞かれた。前者は説明するまでもない。与謝野さんが代表。「上げ潮派」というのは経済が成長すれば税収も増えるのだから増税(特に消費税)の必要はないと一派。中川秀直氏が代表。最近こうした分類をとんと聞かなくなった。なぜだろう?自民党が野党に転落する可能性が高まったこともあるが、もう一つは「上げ潮派」と言ったって経済を成長させる何の目論見もないことがはっきりしたからである。そのくせ自民党は「民主党のマニフェストには成長戦略がない」などと難癖を付けている。


中国語と日本語

2009-08-14 09:10:40 | 言葉

 日本、中国、台湾、香港は同じ漢字圏だが戦後(中国は共産中国建国以後)それぞれ異なった道を歩んだ。台湾と香港は戦前から一貫して変わらず、日本と中国は異なる簡略字を採用することになった。大陸中国語が簡体字と称する略字を採用したのはご存じの方も多いと思う。だが実は日本も戦後日本流略字を採用したのである。台湾香港では今も使われているいわゆる繁体字が戦前日本でも使われていた。

 というわけでせっかく漢字という共通の文字がありながらその効用はかなり減殺されている。
 まったく中国語と中国語の発音を知らない日本人でも筆談である程度意思疎通できる。だが一つは上記の事情でもう一つは同じ字でも意味がまったく違うことが少なくないので多分互いに七割理解できたらいいほうではないか。
 ここでは日本語漢字と中国語で特に互いに意味を誤解しやすい言葉をいくつかあげてみることにするので中国語をまったく知らない人が中国に行く時参考にされたい。左が中国語右が日本語への翻訳。

合同ー契約
百姓ー庶民(農民という意味はない)
協議ー契約又は合意
文明ーマナーがいいこと(もちろん日本語と同じ意味もあるが街でよく見かける掲示ではほとんどこの意味)
文化ー教育(もちろん日本語と同じ意味もある。「文化大革命」など)。文化水平(レベル)といえば学歴を意味する。
愛人ー単に愛する人、普通は配偶者を指す。情人も同じ。バレンタイインデーは「情人節」。これを見た時何と無粋なネーミングだろうと思ったことであった。
ースープ
告訴ー伝える
質量ー品質
丈夫ー夫(「りっぱな漢」という本来の意味もあるが日本語の「じょうぶ」の意味はない)
汽車ー自動車
東西ー物
老婆ー家内、女房(年齢は関係ない。他人の奥さんには使えない)
大家ーみなさん
ー歩く
一定ー必ず
放心ー安心。毛沢東死後華国鋒が後継者となった。毛沢東の遺言「你办事,我放心(あなたがやってくれれば、私は安心だ)」がその根拠とされた。
礼拝ー日曜日(日本語と共通の意味もある)
ー母親、(親族の)おばさん
新聞ーニュース。中国語で新聞は「報」。人民日報など。
勉強ーやっとこさ、不承不承
ー豚(日本語が多少わかる中国人から「来年は豚年ですね」と言われて一瞬そんな干支があったかなと考えこんだことある)。私の憶測だがこの字を日本人が初めて知った時豚を知らず猪しか知らなかったことによるのではないか。未確認。
ー文字を書く
可憐ーかわいそう
情報ースパイ
ー歯
小心ー注意する。掲示によく見かけるので覚えておくと便利。
ー城壁、都市。日本人に「城」の字を見せれば大阪城や姫路城特に天守閣を連想するだろうが中国人はそうではない。中国で都市は常に城壁で囲まれていた。これを国土全体に広げたものが万里の長城である。
経理ーマネージャー、総経理はジェネラルマネージャー。総経理を社長と訳すのは必ずしも正確ではない。
輸入ー(コンピューター等)インプット
火車ー電車、列車。機関車が石炭をたいた時代の名残だろう。

この種の本でよく中国語で手紙はトイレットペーパーの意味と書いてある。間違いではないがトイレットペーパーの意味では「衛生紙」を使うことが多いのではないか。
主席」は本来日本語にない。英語ではchairman 又はpresident と訳す。首席とは違う。
日本国首相は正式には内閣総理大臣。中国では共和国であって大臣はない。中国首相は正式には国務院総理
 但し共産党独裁下で国務院総理は実質的なトップではない。中国の実質的トップは共産党主席若しくは総書記。共産党主席が皇帝とするなら首相は宰相というところか。


気になる言葉

2009-07-03 05:37:52 | 言葉

登校拒否になった
まるで「登校拒否」という病気があるみたいだ。「登校しなくなった」でいいじゃないか。病気だと思うから間違った対応を仕勝ちである。

中国経済への過剰な期待は誤り
「過剰」自体に否定的意味があるのだから、これは「悪いことは悪い」と言っているのと同じ。問題はどこまでが「適正な期待」でどこからが「過剰な期待」かである。


前提条件付き結論(~すれば~だろう)
 例えば、「政府の景気対策の効果が現れ、米国経済が回復すれば日本経済も回復だろう」の類。まさに前提となる「景気対策の効果があるかどうか」、「米国経済が回復するかどうか」が問題なのだから、これは「犬が西向きゃ尾は東」同様何も語っていない。仮に日本が景気回復しなくても、「前提条件が成就しなかったのだから予測が外れたわけではない」と逃げられる。専門家は立場上「わからない」と言えないものだからこうした言い方でごまかすことが多い。

政治倫理
 今この言葉は単に金銭問題の意味で使われることが多いが私の辞書では自他をごまかさないことを「政治倫理」と言う。よくあるごまかしに「ダブルスタンダード」がある。同じ事象に対しこっちではある規準を適用し、他所では別の基準を適用すること。


意外
 テレビを見ていると、しょっちゅう「意外」を聞かされる。「これには意外な事実が隠されていた」、「マイケルジャクソンの遺言書に意外な人物の名前が記載されていた」など。

 CMの間にチャンネルを代えられないようにするためだろう。「意外」が大安売りされている。私には意外であったためしがないので「意外」と聞くとチャンネルを代えることにしている。

情況
 「情況」を連発する人がいるが耳障りだ。これはセンスの問題であって理由を聞かれても困る。或いは翻訳臭があるからかもしれない。

 私は「情況」という言葉がなくても別に困らない。他に適当な言い方はいくらでもある。特に役人や学者が好んで使う傾向があるようだ。

きちんと  万全を期す
 どちらも政治家が大好きだ。特に舛添さんがお好きなようだ。だか「きちんと」も「万全を期す」も実現した例はない。年金問題、新型インフルエンザなど。政治家がこの言葉を使うと「内心自信がないのかな」と思ってしまう。


近頃都に流行る言葉

2009-06-28 18:21:02 | 言葉

ストレス 
 放火したのはストレス解消のためだと? それではストレスがあんまり可哀そうだ。ストレスを口実にしないで自分の性格の弱さ、醜さを直視すべきだ。もっともそうした内省的な性格であれば人を傷つける犯罪など犯さないだろうけど。ストレスという言葉を使用禁止にしたいくらいだ。

説明責任 
 世の中には話せないことが多い。「言わぬが花」ということもある。何かといえば馬鹿の一つ覚えで「説明責任」を振り回す政治家やメディアには我が身を振り返ってもらいたい。ウソをつくより沈黙を守る方がまだ罪が軽い。

構造改革 
 一頃「構造改革」なる言葉が大流行りだった。それが論者によって意味がまちまちだったので、全然議論がかみ合わなかった。議論は言葉の定義を明らかにすることから始まる。言葉の定義があやふやであったりデータの読み方が違うために行われている不毛の議論が何と多いことか。 議論は論理学の論証のように明晰であるべきだ。
 「構造」と言えば日米構造協議なる的外れな政策が日本の財政赤字拡大の契機となった。政治家が「構造」を語る時は眉に唾をつけてから聞いたほうがいい。

エコ 
 今もっているものを大切に使い続けるのがエコだろう。政府の定義では買換え促進がエコらしい。

景気対策
 政府自民党はゼネコンを潤すことが景気対策と心得ているようだ。いい加減「もの」から「こと(教育等)」へ財政支出をシフトすべきだ。旧建設省(国土交通省)は組織を縮小する時期に来ている。

 さっきスポーツニュースで石川遼の初優勝を報じていた。おどろいたのはOB2発で優勝したこと。トッププロの年間OB数は10以下だろう。1ラウンドOB2発で優勝なんて珍記録ではないのか。
 16番のチップインイーグルを奇跡と書いていた新聞(電子版)もあったが、トッププロならあの距離10回に一度は直接入れるだろう。奇跡でもなんでもない。記者が自分のレベルから判断して奇跡というのは不当。

 それにしてもNHK大河ドラマのテンポのトロさは我慢できない。最初から最後までちゃんとみたことは一度もない。予算の制約があるのはわかるけれど。


誤用しやすい言葉他

2009-06-10 11:04:04 | 言葉

 事情があって言葉の本をまとめて読んでいるので久しぶりに言葉をとりあげる。以前当ブログでとりあげたものと重複もあるが、最近新しい読者が増えたし、メディアでの誤用は一向に減らないので再掲する意味はあると思う。最近の漢字ブームは悪くないと思うが、クイズ的な知識を詰め込んでもあまり意味はない。日本語能力全体の水準を高めることが重要だ。今日のブログに限らず当ブログを熟読いただければ言葉で恥をかくことが相当減るのは間違いなし。電子辞書がこれだけ普及しているのに日本語能力が退化する一方であるのはなぜだろう?

誤用されやすい言葉その他(順不同)

口八丁手八丁
あまりいい意味ではないので、褒め言葉としては使えない。「巧言令色仁すくなし」に近い。

役不足
能力に比べて役が軽いという意味。だから自分には使えない。他人に使えば褒め言葉になる。

弱冠
二十歳のこと。だから弱冠二十五歳とは言えない。男性に限る。

賞味
称賛しながら味わうという意味。だから客に対し「ご賞味ください」とは使えない。

上を下への大騒ぎ
「上や下への大騒ぎ」と誤用する人がある。

秀才
男性にしか使えない。女性は才媛

またぞろ
後に続くのは悪いことであって、いいことには使わない。「またぞろしくじった」など。

耳障りな
聞いて不快なという意味。だから「耳障りがいい」とは使えない。当人は「耳触り」のつもりかもしれないがそんな日本語はない。


わが方に加勢するように促す書簡のこと。だから連敗中のチームの監督が「選手に檄を飛ばした」は間違い。正しくは「焼きを入れる」或いは「喝を入れる」など。
例文:関ヶ原の前家康は江戸城にあって全国の諸将に檄文を発した。

鳥肌が立つ
ぞっとするほど怖い思いを表す。最近「鳥肌が立つほど感動した」と言う人があるが誤用。

心血を注ぐ
心血を注いだ傑作など。「心血を傾ける」と誤用する人がある。

的を射た
「的を射た意見」など。それを「的を得た」と誤用する人がある。「当を得た」と混同している。

須らく(すべからく)
単に「~ねばならない」という意味。「凡そ」という意味はない。
あやふやな言葉は使わないことだ。言葉使いにおいて背伸びしないことだ。

珠玉
小さなものにしか使えない。だから「珠玉の大作」は間違い。

玄人裸足(くろうとはだし)
玄人も裸足で逃げ出すほど、勝れていること。素人(しろうと)裸足と誤用する人がある。

天地無用
これを間違えては運送業はできない。上下をひっくり返してはいけないという意味。

火を見るより明らか
前にくるのは悪いことに限る。

情けは人のためならず
「他人に親切にすれば回り回って自分にいいことがある」という意味。

小春日和
小春とは陰暦十月のこと。春ではない。めったにない暖かい日和のこと。五月晴も同様で、これは陰暦五月今の梅雨時だから「めったにない晴れの日」のこと。
ついでに。正月に新春とか初春というのは陰暦の感覚である。新暦では冬の最中である。

三日月
陰暦三日目の月だから三日月

流れに棹さす
時流時勢に迎合すること。先日佐高信氏が逆の意味に誤用したことは5月24日の当ブログでも取り上げた。

一姫二太郎
最初に女の子、次に男の子が生まれると育児が楽という意味。

親の顔が見たい
「お前のような躾がなっていない子を育てた親はどんな人なんだろう」という意味。これを言われて実際に親を連れてきた人がいる。

妙齢
妙齢の女性とは二十代前半まで。先日テレビで、どう見ても四十を越えたいいおばさんに妙齢と言っていた。お世辞のつもりだったかな?

芳紀
女性がもっとも美しい年齢。普通は二十歳前後まで。これも妙齢と同様最近は大分上がっているようだ。

初老
これも上二つ同様間違って用いれられている。初老とは40歳のこと。但し男性に限る。

遺憾
単に残念という意味。謝罪の意味はないので政治家にだまされないように 

血税
元々「兵役の義務」という意味で使われた。今はまったく別の意味で使われている。

つかぬことをうかがいます
「つかぬこと」とは「つまらないこと」ではない。「本題から離れますが」という意味。

気が置けない
気づまりでない、気遣いのいらないという意味。

侃侃諤諤と喧喧囂囂
読み方はそれぞれ「かんかんがくがく」と「けんけんごうごう」。これをごっちゃに使う人がときどきいる。

宮内庁御用達
読み方は宮内庁ごようたし

順風満帆
読み方は「じゅんぷうまんぱん」。これをTBSラジオ「アクセス」で田中康夫さんが「じゅんぷうまんぽ」と言っていた。

貪官汚吏
読み方は「たんかんおり」。私利を図り不正をはたらく役人のこと。水戸黄門でよくでてくるが実際には現代の役人が江戸時代の役人よりはるかに悪い。単独犯(江戸時代)と組織犯罪(現代)の違い。

人間至る処青山あり
読みは「じんかんいたるところせいざんあり」。この人間とは人ではなく世の中。

うれしさを隠しきれず
これは誤用ではないが、鼻につくメディアの決まり文句。感情は常に隠すべきものとの思い込みがある。隠さなければならないのは葬式で「よろこび」、結婚式で「悲しみ」の感情だけ。

体調をくずす
前項と同様ニュースで訃報に伴いよく聞く決まり文句。「発病する」が日本語として自然ではないか。

米軍の誤爆によって民間人10名が死亡した
これもよくあるニュースの表現。この中の「民間人」が変だ。これでは「公務員はいくら殺しても構わない」と聞こえる。非戦闘員又は一般市民とすべきだ。

 先日朝日ニュースターを見ていたらある芸人(名前は知らない、おかっぱ頭の男性)が「身も蓋もない」と言うべきところで「本も子もない」と言っていた。「報道番組に芸人を使うな」とは言わないが精選すべきだ。さっきわかった。山ちゃんと言うらしい。


 言葉で恥をかきたくなかったら、高島俊男先生の「お言葉ですが」を読むことだ。私は文春文庫全九巻を座右においている。 

逮捕された漢字検定協会の父子に以下の四文字熟語を謹呈する。

私利私欲 公私混同 乱脈経営 厚顔無恥 拝金主義 盛者必衰 栄枯盛衰

因果応報

それにしてもオフィスワードの頭の悪さにはいやになる。入力に随分時間がかかった。


佐高信氏の日本語力+経済学者クルーグマン

2009-05-24 12:27:55 | 言葉

 最近朝日ニュースターをよく見る。愛川欽也パックインジャーナルはいい。蛇足だが、パックインジャーナルとは愛川欽也もパーソナリティをつとめていたパックインミュージックのもじりである。彼の時代を見る感性が番組を支えている。落合恵子は昔深夜放送セイヤングの人気パーソナリティ。

 それと「学問のすすめ」がおもしろい。今は西部邁氏と佐高信氏の対談。当ブログの今月20日号で西部氏の日本近代史知識に疑問を呈したが、今日は佐高氏の日本語(英語)力に関する疑義を書くことにする。この番組はネットで見ることもできるので直に確認されたし。

 佐高氏は「スペイン市民戦争(Spanish Civil War)」と言っていた。civilにもちろん市民という意味はあるが、ここでは「国内の」という意味。だからスペイン内戦と言わなければならない。これはAmerican Civil War南北戦争)をアメリカ市民戦争とは言わないのと同じ。

 もう一つ、彼は「流れに棹(さお)さす」を「時流に逆らう」という意味で使っていたが、正しくは逆の「時流に迎合する」という意味。

但し細かい傷は目につくが全体としてはいい番組である。生ではなく録画なんだから放映前に誰かチェックすればいいのに。

 話変わって、今朝フジテレビが来日中のクルーグマン氏を取り上げていた。日本語が読めず、日本人が書いたものといえばリチャードクー氏のものしか読んでいない人に対し、いくらノーベル経済学賞(正確にはスウェーデン銀行賞)を受賞したからといって日本経済への処方箋を求めるなんて見識を疑う。
 もちろん彼に有効な処方箋など書けるはずもなく内容に乏しかった。もっとも彼はバラマキを勧めていたので政府自民党は意を強くしたかもしれない。
何が効果があるかわからないからなんでもやってみることだ」という彼のご高説(?)をかしこまって拝聴していた与謝野さんなど国辱ものだ。
彼自身他では捨て去ったと言っているインフレターゲット論を言っていたのはフジテレビのリクエストか? 有名歌手に昔流行ったレパートリーを無理に歌わせるようなものだ。
 激しいインフレを抑える意味でのインフレターゲットを実施した国はあるが、中央銀行がインフレターゲットを宣言することでデフレからインフレに転化した例(ためし)はない。
フジテレビは一体彼にいくらギャラを払ったのだろう?

TV番組ついでにもう一つ、たけしのTVタックル
 番組自体はおもしろいがビートたけしの影がうすい。そろそろ阿川佐和子のTVタックルに看板を変えたらどうか。

 ゴルフトーナメントの中継はほとんど(NHKの中継は例外)録画であることをご存じだろうか。これはプレーオフになった場合放送時間内に収まらないことを危惧するからである。因みにNHKは企業名又は商品名を冠したトーナメントは中継しない。だから日本オープンなどに限られる。

 このブログも「日本のテレビの見方」に名称変更する時期かもしれない。主要紙はまとめて読んでいるが知的刺激にとぼしい、ひらったく言えばおもしろくない。
 若い記者が記事を書き、偉くなるとデスクにふんぞり返って現場にも出ず、記事も書かなくなる日本の新聞社の人事制度を変えることだ。もう手遅れかもしれないが。
もっと偉くなると誰も読まない社説を書いている。


気になる言葉

2009-03-18 19:24:43 | 言葉

かつて
「かつて」は副詞なんだから「かつてのように」とか「かつては」などと名詞的な使い方はできないはず。 時々「かって」と言う人があるが、「かつて」が正しい。

一部を除いて
「一部を除いて~ほとんど」と書く人があるがこれは重複であって「一部を除いて」はいらない。「ほとんど」自体例外もあることを暗示している。論理学の証明でもあるまいし、「一部を除いて」なんて仰々しい。 「ほとんど」或いは「大部分」でいい。

冷静な
最近褒め言葉としてよく見かける。「冷静な意見」など。私なら「穏当な」とか「中庸を得た」を使うところ。英語の「クール」の影響だろうか。

逆に言えば
一種の流行語かな、やたら耳にするし、お目にかかる。ほとんど意味なく使われることが多い。こんな語彙を使う必要は滅多にないが、もし私が使うとすれば「敷衍(ふえん)すれば」とか「見方を変えれば」を使う。

ケース
例えば、野球中継で「こういうケースではバントが普通でしょう」など。この言葉にお目にかかると文章全体が安っぽく見えてくる。

百姓
今では差別語として使用されることはあまりない。昔「お百姓さんありがとう」という歌があったが最近聞かない。元の中国では最初「貴族(貴族しか姓を許されなかったから)」という意味から、「庶民」という意味に格下げとなった。日本にはこの段階で渡来し、「庶民」という意味から更に「農民」という意味に変化した。 中国語で「農民」という意味はない。

株価は値上がりしました
これも「価」と「値」が重複している。だから「株価は上がりました」又は「株は値上がりしました」でないとおかしい。

足の踏み場もない
ある新聞記事で人が多いのを表すのに使っていた。これは散らかっている様子を表す言葉。人が多いさまは「立錐の余地もない」でないといけない。


「遺憾」という言葉の意味

2009-03-10 15:59:56 | 言葉
 「遺憾」は以前にも書いたが、たまたまネット上でこれを論じているのを見たのでもう一度とりあげることにする。

 「遺憾」は日本では政治家が謝罪する時くらいしか使われないが、本場中国語では日常的に使われており、取りたてて改まった言葉ではない。単に残念という意味。もちろん日本語でも意味は同じ。謝罪の意味はまったくない。 一般に謝罪の意味があると誤解されているが(言っている当人も誤解しているかもしれない)そうではない。  

 なぜ政治家が好んでこの言葉を使うか。多分、正面から謝罪するのはしゃくだけど世間には謝罪していると思わせたい、もし後で問題になったら謝罪したわけではないと開き直ることのできる便利な言葉だから、というのが私の解釈。

植木等の歌に、女房に逃げられて「まことに遺憾に存じます」という歌詞があったが、この使い方は完全に正しい。

耳ざわりな言葉

2009-02-25 11:31:49 | 言葉

目線
 元々映画、演劇、テレビ界の用語。もちろん今ではれっきとした辞書にもあり、耳にしない日はないくらい。「上から目線」など。だが私は決して使わない。同じ使うなら「視線」とか「まなざし」を使う。「上から目線」は「人を見下す(みくだす)」と言えばよい。

内閣改造
仰々しくて、鼻につく。「大臣の入れ替え」でたくさん。

人心一新
 「内閣改造」の度に使われる。特に佐藤首相がよく使った。大臣を入れ替えたくらいで人心を一新できるとは到底思えない。
 「人心一新」は辞書にも用例がないのでいつから使われるようになったか、誰が最初に使ったかわからない。多分、そんなに古くないと思われる。もっともこれも永田町用語で、単に「目先を変える」くらいの意味で使っているとすれば、むきになるほどのことではないかもしれない。

四大メジャー大会(ゴルフやテニスなどの)
これは「大」と「メジャー」が重複している。だから「四大大会」でいい。

雇い止め
 去年初めてこの言葉を聞いた時、そんな日本語があったかなと思った。法律(行政)用語で「有期労働契約を更新しないこと」を言う。広辞苑五版にはない。他に適当な用語はないのだろうか。例えば、「雇用打ちきり」とか。

追記
 麻生首相がオバマ大統領と会談した。なんで大統領は施政方針演説を直前に控えた忙しい時期に麻生さんを招待したのだろう。情況証拠(昼食もなし、共同声明もなし)から見れば、大統領が招待したのではなく麻生さんの方から押しかけたことがうかがえる。本当に招待した客ならこんな扱いはしない。
ところでちゃんと通訳は介したでしょうね、麻生さん。